時空警察捜査一課・part2
〜圧倒的な画面構成、全キャラ魅力爆発!!〜

 

さて。時空警察捜査一課part2レビューです。


実のところ、私はそれほどまでに期待しちゃいなかった。
というか、続編があるなどと予想もしちゃいなかった。
篠原涼子の代わりに小池栄子が加入などと聞いてもふーん、という感じだったし。
で、その小池栄子と我らが恵さん、つまり広瀬巡査部長殿が共同捜査などと聞いても期待どころか逆に失望する始末だったし。
(このへんは過去日記参照。ホントにどこかのTV雑誌では広瀬様、例のしかめっ面で「永遠のセックスシンボル云々」などと仰せになられておりました……)

 

で、とりあえずビデオだけはきちんと動かしておいてとりあえず見る、といった感じで見ました。part2。
今思えばこの視聴方法がベストなのかも知れないな……時空警察に関しては。

 

そこへいきなり来た、オープニング3億円事件。
豪雨の中の白バイ警官と銀行員たちとのやりとり、そして

 

「爆弾だ 逃げろ」

 

 

こう言い残し、まんまと現金輸送車を奪い逃走していく白バイ警官、雨の中取り残される銀行員3名(右端の黒ブチ眼鏡の男性にちょっとだけ萌えたのは絶対秘密)
その後何度も劇中で使用されることになるこのOPの映像は、江守徹のナレーションの渋さ・重さもあって非常に印象深い。雨の中握りしめられる警官のこぶし。白黒で統一された画面。その中でひときわ赤く光る爆発物(に見せかけた発煙筒)。
決して安くはない何かが始まることを予感させる。

 

そして出る例の字幕
歴史を疑え

 

そしてそして始まる例のテーマ曲! 続けられる江守徹のナレーション!「犯人は、警察の中にこそいたのだ」
実にカッコええBGMに乗せてよどみなく説明される時空警察のあらまし、そして夕陽さす廊下に現れる時空警察メンバー!! うわーうわー!!
 

「これは事実に基づいた歴史推理ドラマである」「番組中の資料は全て実在する」

広瀬巡査部長(と、小池栄子)が乗りこんだ時空エレベータの扉が開く! (前回、確か広瀬だけ乗り込むシーンが無かったのでこれは嬉しい)
その光の先には……!?

「あなたはこの歴史を信じられるか」!!

 

そしてそしてそして来た来た来たキタ───!!!! 広瀬巡査部長様!!
目立つのは小池栄子ばっかりかと思っていたが、どうやらそうでもないっぽい?! 何か、なんだか今回えらくカッコイイ……しかめっ面は変わらないけど。
さらに刑事モノでは当然おなじみの人物紹介がまたカッコイイ!! おそらく各メンバーの最もカッコイイ、もしくは印象的な瞬間をピックアップして構成したと思われるメンバー紹介。赤バックに浮かぶ白黒の人物像、勿論役名キャスト名ともに極太明朝体だ!!

「33年前、貴方は3億円事件の担当刑事だった!!」振り向く伊能!
「バカな…家康に限って…」戸惑いを見せる時澤!
「私に惚れると歴史が変わるわよ」ハートマーク全開の小池栄子!
「このまま廃止を受け入れてもいいんでしょうか!」渋くキメる山神!!
「これから……事件後の三多摩地区へ向かう!!」全員出動を大宣言の北条管理官こと丹波哲郎!!

 

 

でもやっぱりトドメは

突入してきた車から身をかわす広瀬!
銃を構える広瀬!
そして!

「赤い日記は……貴方が持ち出したんですね」
コップを手に、ニヤリと微笑む広瀬巡査部長様!!

 

 

OPだけで溶けました……私。

 

 

 

「時空警察……これは、歴史の闇に立ち向かう男たちの物語である」

 

 

それからOPほぼ全編にわたって古いフィルム調のノイズが微妙にかけられている点もイイ。part2では至るところにこういった工夫が見られ、決してチープさを感じさせない映像になっている(part1でも多分そうだったと思うがあまり覚えていない)。スタッフの熱情とこだわりが集約されており、ないに等しかった期待を(特に広瀬巡査部長に対するそれを)一気に急上昇させてくれたOP。やっぱりドラマだろうとアニメだろうとバラエティだろうとニュースだろうと、オープニングってのはこうでなくてはならん。

 

 

物語はいきなり、時空班廃止!?というところから始まる。
なんとここで名古屋章登場。有無を言わさず廃止を告げる。
北条管理官いわく「検挙率を上げれば良いのですね」

 

視聴者の皆様いきなり突っ込みたくなるお気持ちは分かりますが、ちなみに

けん-きょ【検挙】:検察官・司法警察職員などが認知した犯罪行為について被疑者を取り調べること。容疑者を関係官署に引致する場合をさすこともある

 

ですので、「時空警察は犯人逮捕できないんだから検挙率上がるワケねーじゃんヤーイばーか」という突っ込みはNGです。

 

それで検挙率を上げようと躍起になる伊能、「あの事件」に手を出そうとする。取り合わない北条。
で、モンロー事件を引っさげて風間裕子巡査こと小池栄子登場。マリリンモンロー自殺の謎の究明が開始される。
睡眠薬で自殺したとされるマリリンだが、その死には不審な点が多く、電話局からは彼女の通話記録が消え、現場からは彼女の赤い日記帳が消え、さらに現場には睡眠薬を飲んだとされるコップもない……

 

誰がマリリン・モンローを殺したのか?

 

……で、風間巡査の報告中、皆が静まり熱心に報告を聞いている最中、我らが広瀬巡査部長様は最前列で一人堂々と、鍵開けゲーム?なんぞに興じておられました(過去日記ではルービックキューブと書いたがビデオ見たら違った……印鑑の箱?を鍵でいじりまくり……何だアレは?) part1では実に日本人らしい生真面目エリートというキャラだった気がするんだが、今回冒頭からしていきなりこのような威風堂々とした不真面目っぷり無関心っぷりを披露。ちなみにこの時広瀬巡査部長にしては珍しく、眼鏡を外しております。
そして風間の相棒を募る伊能、背景の大勢の男どもが挙手。いつも思うが、この背景の方々は何なのだろう……
を無視してつかつかと広瀬に歩み寄り机をぶっ叩く伊能。「このテの事件はお前が得意だろ。行きなさい」(何故か小学生に命令するような口調)
しどろもどろになりつつも反抗する広瀬「自分は政治家や独裁者の陰謀とか、そういう事件が好き、いやあの得意でして…」(言い直す必然性が感じられないのが笑える)
あまりタイプじゃないんだよなあ〜とふくれる広瀬。そこへ風間突っ込み「その割には、マリリンの胸ばかり見ていたような気がするけど?」
で、当然言い返す広瀬「何でそんな微妙なことが分かるんだよ!」
……広瀬様、そう言いつつ風間の胸に顔近づけるなよう(説得力ゼロ) っていうか、

 

広瀬様が見ておられたのは断じてマリリンの胸なんかじゃないYO!!(つд`) おまいは1Mと離れておらん位置にいながら一体ナニを見ていたのか、それともナニか広瀬様がいじっておられたあの箱が「マリリンの胸」とでも言うんかい!?
……
……
……あの箱、もしかして本当に「マリリンの胸」なんていう名前なんじゃないだろうな……いや、まさか……まさかね(汗)

 

そして「歴史を変えちゃダメだぞ〜」という北条管理官のお言葉と共に、広瀬・風間の出動が決定。
捜査許可書に押される印! オペレーターにより口頭で読み上げられ、タイプライターで入力される移動地点・時刻! 始まるテーマ曲! さあ、時空警察出動!!

はりきってエレベーターに向かう風間、に対しいかにもイヤイヤついていく広瀬。CGにはなったけどやっぱりどこかレトロな時空エレベータで、1962年のロサンゼルスまで時空を駆ける!

ここで広瀬のナレーションが入る。「全くイヤな時代だ…まるで、世界はアメリカのためにある」この時は東西冷戦の時代だったけど、今もそれほど変わっていない気がする。いやもっと酷いか? そういえばこの話が放送されたのって2002年末だったなあ…

 

 

などと感慨に浸っているうちにエレベータ到着。で、

いきなり報道陣の目前に閃光と電撃とともに現れる時空エレベーター。

「おいおい、写真撮ってるよお〜」ってふくれてる場合じゃありませんよ広瀬様! 確か前回はもっとずっとスマートに誰にも気づかれず到着、っていうか到着シーンなんぞ無かったはずだが?(少なくとも竜雷太の話以外は) いつのまにかその時代にいるのが時空警察じゃなかったのかよ!! しかもあの光に電撃、あんなんでヒンデンブルク号なんぞに行ったらそれだけで大爆発

 

……という突っ込みは野暮なのでやめておきましょう。実在する白黒フィルム(報道陣がマリリンの自宅に押しかける)、その天空の部分から現れる光、そこからドラマの映像がつながっていく演出は素直にすごい。

 

そしてマリリンの自殺の通報を受けたクレモンス巡査部長から、喫茶店で事情聴取する風間&広瀬。
が、肝心のクレモンスは風間の胸見てハァハァ……な状態。ここでは珍しく煙草ではなくアイスコーヒー飲んでる広瀬様だが、クレモンスの表情に即気づき、一瞬口からストロー落として顔をしかめ、その後呆れたようにため息。台詞はこの間ひとつもないが、仕草表情だけで気持ちの変化が読み取れてしまう恵さんの演技力はやはりかなりの高レベルだと思う。ちなみに上の階からも風間の胸を見ているヤツが1名ほど。

 

そして事情聴取が終わり、無言で席を立つ広瀬にクレモンスが、視聴者の代表として質問。
「君たちは時空を飛べるワケだろう? 何故事件が起こる前に来ないんだ?」

それに対し我らが広瀬様、全く動ずることなく、例の、ポケットに手突っ込んだまま相手を見下げるポーズで(「ケッ」という感じの嘲笑つき)

「何故って……歴史を変えちゃいけないから。」

 

 

 

 

ひ、広瀬様……踏んでクダサイ!!(*´д`)

 

 

 

 

その後クレモンスが風間をナンパして風間が「私に惚れると歴史が変わるわよ(はあと)」などと返していたが……その、何だ……
広瀬様の名台詞の直後なだけにハズした感強し。

 

そして、隠蔽されたマリリンの通話記録を調べはじめる風間。そのあまりの量に閉口する広瀬、得意の皮肉炸裂。「風間の頭の中、時空捜査したいよ」
……誰だ!! 頭じゃなくて胸の間違いとか寒い突っ込み入れてるヤツは!!(私だ)

 

ヤシの木が茂る晴れわたったロスの風景の中をオープンカーで走る広瀬&風間。やはりこれもCG合成なのか? だとしたらpart1のベルリンよりよほど凄いCG。
続いて、マリリンのヘアスタイリスト・シドニー=ギラロフに事情聴取する風間。強い夏の陽射しを表現してのかなり強い照明が印象的だが(それともロケ?)、そのせいで広瀬様のしかめっ面がさらなるしかめっ面になっているような……まあいいか。風間の少し後ろで問答を聞き流しつつ煙草なんぞ吸いはじめる広瀬だったが、ロバート・F・ケネディと聞いた途端に顔色を変える(どうでもいいが、広瀬様が駆け寄った瞬間の小池栄子の嫌そうな顔は何だ)。どうやらマリリンとJFKの弟・ロバートは相当親密な関係にあったらしい。さらに明かされる、JFKとマリリンとの関係……もう凄まじく衝撃大ショックの広瀬と風間。

 

…あのう、ケネディとマリリンの関係ってウチの親父様でも知っていたんですが(ゴルフガシュミノ サラリーマンヨ)。

 

場面は変わってマリリンの親友・ジーン=カーメンから話を聞く広瀬と風間。赤い日記帳(RedDiary)の詳細が明かされていく。ロバートから聞いたことは全て日記に書きとめていたマリリン(マフィアと政府の関係やらカストロやら何から何まで)。ロバートに捨てられたマリリンは怒った。「世界中に全てを話してやる」 赤い日記帳、それはロバートがマリリンを殺してでも手に入れたい日記だった。
「面白くなってきたな…」
俄然やる気になり、思わずニヤリと笑みを漏らす広瀬巡査部長。
広瀬様の心からの笑顔ってのはなかなか拝見できないのでこのシーンはかなり貴重。かも。

ちなみにこのジーンの胸もかなりのものなんだが、これもやはり史実であり真実なのでしょうか広瀬様。

 

そして夜。車内での広瀬と風間の会話
「ちょっとおつむが弱くてグラマーな美女。所詮は女の武器で生きているにすぎない」こんなマリリン観を持っていた広瀬。「お前(風間)ってさ、そういうタイプの女を軽蔑するほうじゃないかと思ってさ」
…風間はともかく、小池栄子はむしろそのまんまそういうタイプなのでは……という突っ込みはダメですか?

そして広瀬のこの発言にキレる風間「結局貴方も、マリリンの身体しか見ていない男の典型ね(いかにも「ペッ」といった感じで言い捨て)

 


確かにその後の過去話を聞けばキレたくなる気持ちも分からんでもないが、

広瀬様>1964年生まれ
風間>1980年生まれ

年齢差16歳の大先輩に向かっていくら何でも何だその口のきき方は。

 

 

 

どうやら風間の父はマリリンファンで、そのマリリン好きを風間は軽蔑していた。しかし父の死後、風間は母と共にマリリンのビデオを見て、マリリン観を変えたらしい。風間の母いわく「この人の笑顔は悲しそうね」

続いて語られる、マリリンの孤独な少女時代。風間のナレーションから広瀬のナレーションへとつながる演出が秀逸。少女時代のマリリンを風間が語り、父親を求めて年上の男性と恋愛を繰り返した末、ロバート・ケネディにとって危険な存在となっていくマリリンを広瀬が語る! いやー何つーか、最初はどうかと思ったけど、共同捜査って最高!!

 

場面は現代に戻り、捜査会議へ。出動時とはうってかわって張り切って捜査報告をする広瀬「マリリンは、殺されています」
だが伊能の突っ込みが入る。ロバート・ケネディにはアリバイがあるという。彼は事件当時サンフランシスコにいて、ロスのマリリンを訪ねてきたとは考えにくい…
そこへ、いかにもアナログな黒電話のベルが鳴り響く。「風間巡査、過去からです」

 

……普通に言ってるし。

 

電話はクレモンス巡査部長から。かなり重要な人物を紹介したいらしい。クレモンスは下心見え見えなワケだがんなことはどうでもいい、
ここでの画面がまたカッコイイ。
画面が縦に2分割され、左に過去のクレモンス、右に現代の風間という図式。ここまでは普通だが、
クレモンスが話し終わると左側の画面が現代に戻り、いぶかしげな表情の広瀬が。そして左に広瀬、右に風間という図式で元に戻る画面。
いやーキャプでお見せ出来ないのが非常に残念なほどにカッコイイ画面構成!! 分割された画面から、元の広瀬と風間のツーショットに戻る瞬間が、不自然さを感じさせなくて特に◎。

すぐさま過去へと向かう広瀬と風間。そこにいたのはクレモンスとグラサン姿の警官(リン=フランクリン)、広瀬はこっそり金を渡して話を聞きだすワケだが
……時空警察における貨幣価値ってどうなってるんだろうな? この話みたいにごく近い時代ならいいが…これもあまり突っ込んじゃダメなんでしょうね。

 

グラサン警官はロバート・ケネディがロスにいたことを証言。サンフランシスコから事件現場のロスまでは580キロ、一晩で往復することは可能だ。さらに彼は、ロバートの車にマリリンの精神科医・ラルフ=グリーンソンが同乗していたことを明かす。マリリンの死亡直後、既に彼女のそばにいた人物だ。
彼女が最も信頼していた精神科医が、マリリンを殺そうとした? 大雨の中、車中で煙草ふかしつつ考え込む広瀬。暗闇の中煙草をくわえる姿が一瞬鼻フックしてるように見えるなどとは決して口にしてもいけません。(ちなみに風間はこのとき不在。この話において、彼女の隣では広瀬様は煙草ふかしてはおりません。何気に紳士なとこもイイナ)

晩年、睡眠薬を常用していたマリリン。グリーンソンならば自殺を偽装することは簡単だ。しかし動機が分からない…考え続ける広瀬。

 

 

一方風間は、グリーンソンの自室で彼を問い詰めていた。マリリンに致死量の睡眠薬を注射したグリーンソンだが、それでもマリリンは死なず救急車が来てしまい、救急隊員がマリリンの蘇生措置を開始。グリーンソンは医者である自分の立場を利用して蘇生措置を代わるよう命じ、蘇生させるふりをして無理やりに睡眠薬を注入した…というのが風間の推理。当然グリーンソンは否定するが、風間はさらに彼を追いこむ。マリリンは89錠の睡眠薬を飲んだとされているが、2002年現在の化学ならばそれだけの量を飲みきる前に死亡することが立証されている。つまり、注射による注入以外は考えられない。そしてそれが出来るのは、状況から考えてグリーンソンしかいない……風間巡査=薬物のスペシャリストって設定が無理やりようやくここで生かされたという感じ。

しかしグリーンソンは、動機がないと突っぱねる。言葉に詰まる風間。
……そこへ満を持して、広瀬様参上!! 「ここにありますよ」

 

そしてグリーンソンが共産主義者であることを暴く広瀬。FBIの資料の中にあったらしい……
どこからどうやって見つけ出したんだそんな資料。車の中の書類にたまたま挟まっていたとは考えにくいし。
大雨の中広瀬が走り回って探し出したんだろうけど、出来ればその時の様子も描いて欲しかった…ずぶ濡れになりながら真実を掴む広瀬様(*´д`)
それにしちゃ髪から水の一滴も落ちてないわけだが、ま、いいか……

 

グリーンソンはスパイとして、カウンセリングと称してマリリンからアメリカ政府の機密事項を聞きだしていた。マリリンはそれに気づいた……ロバートに振られ「世界中に全てを話してやる」と言ったマリリン。その怒りはロバートのみならず、グリーンソンにも向けられていた可能性が高い。自分が共産主義のスパイであると公表されれば、グリーンソンは一巻の終わりだ。彼女の自暴自棄に、グリーンソンは怯えていた。ロバートもまた、国家機密を知るマリリンと赤い日記帳の存在を恐れていた。
そこでグリーンソンはロバートと取引をした。身の安全を保証してもらう代償に、マリリンを殺害する───

 

理路整然とした広瀬の推理に追いつめられ、肩を落とし泣き出すグリーンソン。
さらに広瀬様は情け容赦なく追いうちをかける。「でもねえ……睡眠薬による自殺を偽装するなら、こいつを置き忘れちゃいけない」
コップを手にする広瀬様。「薬を飲むには、コップが必要でしょう?」

当たり前のことをわざわざ勿体ぶって言うななどとは絶対に突っ込んではなりません。
そしてそして、遂にトドメの名文句が!!

 

「赤い日記は……貴方が持ち出したんですね(ニヤリ)」

 

声をあげて泣き崩れるグリーンソン。
彼は晩年、うつ病と心臓病と失語症に苦しみ、1979年この世を去った。
彼は遺言を残した。自分が死んでから25年目に、一本のテープを公開してほしいと。
それは、マリリンと二人きりの会話を録音したもの。そして25年目とは──2003年。
……で、公開されたのでしょうか? 

でもまあ、とりあえずそれは横に置いておいて、本エピソードの総括としては、
時空警察特有のあの不思議な画は殆どなかったけれども時空を超えた電話とかのシーンも良いし実在資料とドラマとの編集もいいし何より、

 

 

広瀬様最高です! 一生ついていきます!!

 

 

 

めでたく事件は解決。しかし場面戻って時空班。
「マリリンモンローのヤマだけでは、時空班廃止の流れを止めることは出来ない」と冷たく言い放つ北条管理官。国内の大物も挙げないと…ということらしい。
怒って詰め寄る風間、もっと怒って机をぶっ叩く広瀬様。「嫌がらせだよっ! 無理難題をふっかけて、どうしてもこの時空班をつぶしたいんだ!!」
カッコイイ、カッコイイんだけど……「常に冷静沈着」なる設定はどこへ?

そして「例の事件をやりましょう!」と伊能。例の事件とは3億円事件。どよめく時空班。
しかし3億円事件は、近年やっと時効が来たばかりの刑事事件だ。時空警察が手を出すわけにはいかない……マリリンの死からわずか6年後だと反駁する伊能、しかし北条は冷たい。国内と国外では事情が違うという。

いきりたった伊能を諭しつつ、国内の大物=徳川家康を取り上げる山神警部補。

 

「徳川家康は、2度、死んでいたんだ」

大坂夏の陣にて、徳川家康は豊臣家を滅ぼし、徳川政権を磐石のものとする。翌年4月、家康は鯛のてんぷらにあたり死亡したとされている…
しかしこの死には疑問点がある。
日光東照宮、ここが家康の墓とされているが、家康の墓はどうももうひとつあるらしい。
大阪堺にある南宗寺。家康とは何の縁もないこの地に、何故か二代将軍、三代将軍が墓参りに来ているという。しかも寺には葵の紋までもが刻まれている……

 

どうでもいいけどPCでキャプ画像見ながらレビュー書くのって、間違い勘違い防止にはいいけど非常にレビューが細かで面倒になるような。

 

家康は二度死ぬ

 

今回、サブタイトル画面も凝っていてイイ。マリリンのエピソードの時は淡い色彩で描かれたマリリンがバック、そして家康エピソードでは鎧&筆文字。さらにこのエピソードでは人物紹介の字幕もかなり凝っていて、近代特撮映画を思わせる。
「家康は二人いたんだ」と主張する山神に、戸惑う時澤巡査。「そんな! 教科書が変わっちゃいますよ!」
すかさず「その為に俺たちがいるんだ」と伊能。そういえば時空警察のもともとの意義って、正しい歴史認識による教科書を作るということだったな…何故そんな大事なことを忘れるんだ時澤。

北条、「時澤。自分の目で確かめて来い」と山神&時澤に出動命令。
「望むところです」と時澤。そして時空エレベーター作動、大阪夏の陣から半年後の江戸へと赴く二人。
ここから画面全体の色調が若干落とされ、セットで作ったであろう江戸の町並みがかなりの臨場感をもって出現する。魚籠を担いだりなんぞして行きかう街の人々、画面を加工しているせいかその中へ殆ど違和感なく入り込んでいるスーツ姿のおっさんと小男。ヘンな画キタキタキタ───!!!

尊敬する武将は誰かと山神に聞かれ、「僕は断然、徳川家康ですよ!」と胸張って答える時澤巡査。
……私の脳内設定では時澤は淀殿をアイドル化していることになってるんだが……まあドウデモイイカ
「でも、どうやって家康を影武者と見破るんですか?」と時澤、に対し「会ってカマでもかけてみるさ」と山神は余裕。
part3であれだけの大暴走をするヤツと同一人物とは思えません。

 

そして二人は江戸城へ。門にさしかかった途端、いきなり侍たちに囲まれる。
「時空警察!!」と例によって警察手帳を出す二人。しかしどうもこの侍たちはpart1の時とは違い時空警察をイマイチ理解できないらしく、時澤の警察手帳が矢で射抜かれる。

矢で射られ、江戸城の門柱にぶっささる警察手帳。

 

……最高。

 

悲鳴をあげて山神の後ろに隠れる時澤。そこへ家康の側近・天海が現れる。
part1では時澤の手により正体が明智光秀だとバラされた彼だが、その因縁が今再び?
「大御所様にお目通り願いたい。…まだ、ご存命なればの話ですが」堂々と天海に告げる山神。の後ろで目を白黒させる時澤、いきり立つ侍、動じることなく取り次ぐ天海。そして物陰でその様子を窺う謎の人物……


ついに徳川家康(長門裕之)と対面する二人。金箔で彩られ、夕陽の差し込む豪華な大広間。画面もここだけ彩度が上がっているような…
そんな豪華な部屋の奥に登場する家康、に対し手前で頭こすりつけて礼をするスーツ姿のおっさんと小男。
家康を目の前にして、感激に溢れる時澤巡査の表情がまたイイ。この場面に限らず、今回の時澤巡査は台詞でなく表情で語っちゃっていることが多い気がする。

「遥か、後世からやってきた同心というのは、その方たちか!」と家康。
に対しいやに堂々と山神「恐れながら申し上げます。大御所様は……いや、貴方様は……
まことの大御所様にございましょうか」

いきなりかよオッサン!という風情の時澤がまた◎。「単刀直入にすぎます! ドコガ カマデスカ(;゚д゚)」
当然緊迫する場。
そして何故か、こっそり小型カメラを取り出し家康の姿を撮影する時澤…

 

「どういうつもりですか! 死んじゃいますよそのうち」
廊下に出た途端に山神に対し愚痴愚痴の時澤。ま、part3じゃ死んじゃうどころの騒ぎじゃなかったワケだが…
そこへ家康の孫娘・千姫登場。家康に会おうとする千姫、しかし彼女は天海に止められる。
千姫の気性の強さに驚きながら、何故孫娘が家康に会えないのか疑問に思う時澤。

そして茶室で千姫に事情聴取する山神と時澤。家康が千姫救出に躍起になり、千姫と会いたがっていたことは彼女へ宛てた手紙からも明白だった。しかし何故夏の陣以降、彼は千姫と会おうとしないのか?
夏の陣で何かがあったに違いない、と察する山神。
そんな二人を相変わらず物陰から覗き見る怪しい人物…

 

調査を進めるうち、家康は夏の陣の際、真田幸村の猛攻によりかなり追い詰められていたことが判明。その時家康が乗ったと言われる駕籠には、天井に砲弾の大穴が残っている。時澤は、家康が夏の陣で死亡したことを確信する。「そして、遺体を乗せた駕籠は南宗寺にたどり着き、密かに埋められた…じゃあ、僕が会ったあの家康は一体、誰なんだ?」

 

場面は現代・時空班。山神は、5月7日に家康は大阪夏の陣で戦死、その後の家康は影武者と断定する。
一体その影武者は誰なのか? ここで考え込む広瀬様のアップがまたイイ…意味がないとか突っ込んではならない。
山神はその影武者を、大将クラスの武将であり尚且つ、突然姿を消しても不思議のない人物であると推理。確かに、時を同じくして忽然と姿を消した武将は存在した…小笠原秀政。遺品は勿論、肖像画さえも残されていない。にもかかわらず、小笠原家は夏の陣以降、石高が倍増している。

 

山神&時澤は時空エレベーターで小笠原家居城・松本城へ向かい、秀政の息子・忠真と会う。色調を落としかなり白黒に近くなった空の色がまた、黒澤映画を連想させて良い感じ。
ここで時澤の撮影した家康の写真が登場。
それを見て最初は「何という呪い!」と引いてしまう忠真だが、よくよく見るとそこに写し出されているのは自らの父親だった。「父上…よくぞご無事で」涙する忠真。
そこで今一度、影武者の件を問う時澤。しかし忠真は我に返り、慌ててシラを切る。さらに「これは大御所様に相違いない! 大御所様にかような呪いをかけるとは、許さん!!」と激怒して切りかかる。
一目散に逃げる山神と時澤。

そして二人は再び、江戸城へと戻る。それも、家康と初めて対面する直前の時間に。
「もし、千姫と家康を会わせることが出来れば…」というのが山神の目論み。巻き戻っていく時間……
そして、

 

矢で射られ、江戸城の門柱にぶっささる警察手帳再び。

 

山神は千姫が大広間に入ってくるまでの時間稼ぎをするつもりだった。再び家康と対決する山神&時澤。「恐れながら、大御所様が影武者であることを認めた人物がおります」
いつの間に撮っていたのやら、時澤は小笠原忠真の写真を取り出す。明らかに動揺している家康、さらに時澤はテープレコーダーを取り出し、これまた密かに録音していた忠真の声を聞かせて揺さぶりをかける。声がどこから聞こえてくるのか戸惑う家康の反応がベタで面白い。

激怒する天海を尻目に、落ち着き払った態度で家康を追い詰めていく山神。
家康は大坂夏の陣にて戦死。しかし、豊臣の残党がまだ力を持つ世の中では、2代将軍秀忠では力不足…竹千代(家光)を三代将軍とし、徳川幕府が世襲であることを天下に知らしめるまで、家康の影武者が必要だった。小笠原家はかつて武田信玄により滅ぼされたが家康の手で見事再興成った大名。その恩を返すべく、小笠原秀政は自らの存在を消し、家康と成り代わった……と山神は推理する。

当然家康は激怒、忠真を連れてきて推理を立証せよと迫る。もし忠真が認めぬ場合は、山神&時澤を斬るとまで言い出す家康。
気づきにくいがここで山神の後ろで時澤、密かに肩をびくつかせている。こういうこまい仕草がいちいちかなり良い。

そしてそして千姫、ついにキタ───!!!(<時澤巡査、実際つぶやいてます)
瞬間振り向く時澤たんもまたイイなあ……(*´∀`)

「おじじ様! お会いしとうございました」
対面する千姫と家康。家康は明らかに動揺しまくっている。影武者、遂にバレるか?! 緊張の瞬間。
顔を見ようと近寄る千姫。
見守る山神&時澤、観念したような天海、そして…

 

千姫の表情から、喜びの感情が消える。
全てを悟り、唇を噛み締める千姫。そして彼女が次に発した言葉は。

 

「おいたわしや大御所様。戦続きでおやつれになって…
御年をお考えになって、御身体をお労り下され」

 

一瞬で全てを見抜いた彼女だが、覚悟を決めるのもまた一瞬だった。夫を亡くした後、ただ一人頼りにしてきたはずの愛する祖父もまた、もうこの世にはいないことを悟りながら、全ての現実を受け入れた彼女の表情の変化は実に見事だ。
ひたすらうなずき続けるしかない家康。
笑顔で退く千姫。山神たちに目をとめ、下がるように命ずる。
「ちょっと待ってください! もう一度よく見て…」時澤巡査、気持ちは分かるけどちょっと見苦しい。

駆け寄る時澤を止める山神「われわれの負けだ」
さらに山神は言う。「しかし姫様。私は、悪戯に大御所様の秘密を暴きたいわけではないのです」

いやーカッコイイなあ山神警部補、さすがゴリさん、さすが竜雷太! 落ち着き払って千姫と相対する姿も実にイイ!! で、懐からなにやら怪しい液体入ったビン取り出して千姫に手渡

 

…ちょっと待てオッサン! 今何て言った、げげ解毒剤!? まさか…

 

一方裏では、天海が服部半蔵を召還していた。物陰から山神たちを見張っていた人物とは、なんと服部半蔵だった! うわー
「影はばれた。奴らを斬り捨てい」
天海って、時澤に正体バラされたのそこまで根にもってたんだ…(違)
 

そして山神、何気に暴走開始。
千姫に、家康が半年後にてんぷらで死亡するであろうことを告げる。えーと山神主任、目の前に家康いるんですけど? てか、過去の人物に未来を教えちゃいけないはずですが? part3であれだけイレーネに未来を教えるのを躊躇した挙句結局助けられなかった広瀬様の立場は!? あまりにもさりげなく時空法違反犯すなおっさん!! しかも死にそうになったら解毒剤使ってね♪えへ♪って何じゃソリャア! 時澤ももっときちんと止めろよ!!
徳川家康がその時点で死亡し、小笠原秀政がどこかで生き長らえて息子・忠真と再会したとしても歴史は変わらないというのが山神の言い分だが……うーん、何だか納得が……

 


千姫と別れ、三日月の煌く江戸城内を歩く山神&時澤。そこへ、服部半蔵率いる忍者軍団が!
あっという間に囲まれる山神たち! さあ時澤、大ピンチ!!

……何度見ても分からないのが、ここで時澤が忍者の一人を倒す場面。
偶然体当たりかましたら勝手に相手がやられてました♪てへ♪ というようにしか見えない…時澤たんも慌てまくって何か叫んでいたようだが「エ、ウソ、ゴメンナサイゴメンナサイ ソンナツモリジャ」と言っているようにしか見えず。忍者軍団がそこまでひ弱なのもやっぱり私たちの知らなかった史実であり真実なんでしょうか時澤巡査。貴方はこの歴史を信じられるか? いや私、それだけは信じられません。

そして時澤が倒した忍者の刀を取った山神主任。刀を構えて殺る気まんまん!
さあどうするどうなる時空警察!? 

 

 

……part2の多分唯一の欠点、それはCMの多さ。
しかもマリリンのエピソードでは全くCM入らなかったのに、このあたりからバシバシ入りまくり。本放送での視聴率の低さは多分このことも起因していると思う。
3億円事件のクライマックスあたりなんて酷いことに…(つд;)

 

 

CM明け、襲い来る忍者軍団を山神が一人迎え撃つ! ちなみに時澤たんは怯えまくって壁にはりついており戦力にならず。
さあ煌く刃、山神主任が堂々と忍者軍団を斬る! 斬る! 斬る! うわーカッコエエーーーーー!! 竜雷太がスーツ姿で忍者をぶった斬る、その美しい瞬間がコマ送りになる演出もイイ!! っていうかそうじゃなくて、

 

part3で忠臣蔵捏造の悪の大ボス柳沢吉保撃ちたくて撃ちたくてしょうがないのを精一杯我慢した伊能の精神力を無に返すなオッサン。

 

ま、みね打ちだと思うことにしよう…そうしよう……汗

 

そして大ボス服部半蔵との一騎打ち! さあ強敵だどうする山神? 時澤でも倒せるザコとは違う、さらなる大ピンチ!


ところがそこへ家康登場、すんでのところで半蔵を止める。
「余の客人ぞ。この家康の客人ぞ!!」

家康の一喝後、半蔵は勿論、倒れていた忍者たちもあっという間に跡形も無く姿を消した。うん、やっぱりみね打ちだったんだよ…ね…ね…
そして家康は、山神の渡した解毒剤を懐から取り出し、静かに中身を庭へ捨てる。全て捨て終わった後にっこり微笑み
「歴史は、変わらん」

 

月明かりの下、江戸の町並みを歩いて帰路につく山神と時澤。名残惜しげに江戸城を見上げる時澤、その肩を叩く山神…

 

「歴史を作る人間も歴史に翻弄される人間も、みな時の狭間に消え行くのみ…追いかけても、時は我々に無力しか教えてくれぬ。
彼らの意思にかかわることは、やはり永久に出来ないのかも知れない」

本エピソードラストを締めた、山神主任のナレーション。カッコイイ、実に渋い大人を感じさせるラスト。
うん、part3のラストを滅茶苦茶にした誰かさんに言って聞かせてあげたい台詞ですね!(アレ?)

 

 

 

場面は再び現代・時空班。家康影武者事件の報告を終えた山神&時澤を労う北条管理官。しかし伊能がいない…
何故かその代わりに北条管理官の隣にいたのは、古びたペコちゃん人形。

「まさか、勝手に3億円事件を…?」

 

そして冒頭の映像が再び流れる。昭和43年12月10日午前9時20分、その事件は起きた。
再現される3億円事件。大雨の中現れる白バイ、握り締められる警官の手。
江守徹のナレーションが、冒頭であらかじめ紹介された3億円事件のあらましをさらに詳しく語っていく。
「誰も損をしていない事件」と言われたこの事件。7年後に時効が成立──
「しかし犯人には、決して捕まることのない理由がたった一つだけ、あったのだ」

 

 

三億円事件の真相 かくも長き闘い

 
 

そして伊能は何故か、1968年冬(事件から1週間後)の杉並にいた。
自らの故郷でもある杉並を歩く伊能、その目はある少年を追っていた。
(私も昔杉並に住んでいたことがあるので、このへんの映像はかなり懐かしく感じた。画面がセピア調に統一されていたこともあり、その時代の空気感を忠実に再現した見事な映像だったと思う。銭湯の煙突、電柱、木造住宅、ブロック塀などなど。子供のころ8ミリ映像で昔の杉並をよく見せてもらったことを思い出した)

少年は実は、8歳の伊能自身。女の子のスカートめくりをしたり、当時からベタなやんちゃ少年だったようだ。
そしてとある駄菓子屋に入る少年。そこには少年と仲良さげな青年(袴田吉彦)がいた。伊能によると、どうもこの青年が「もう一度会いたい人物」らしい…通称・ゲップのお兄ちゃん。この人物は伊能少年の憧れだった。
三億円事件は伊能少年と青年の間でも話題に。会話中、何とも意味深な質問をする青年…
「恭ちゃん。誰が犯人だか、分かるかい?」
「そんなの、白バイに乗った警察官じゃないか」無邪気に答える伊能少年。
「恭ちゃんは、裸の王様に出てくる、少年かも知れないなあ」

 

駄菓子屋での再会を約束し、青年と別れる伊能少年。
その代わりに青年の前にいきなり現れる、現在の伊能。「怪しい者ですが、貴方に危害を加えるような人間じゃありません」
「貴方、約束を破りましたね。貴方とあの少年がここで会うことはもう、ない」
青年は伊能が時空警察捜査官であることを見破り、さらに伊能の正体=「恭ちゃん」にいち早く気づく。どうやらこの青年、ただのアンちゃんではなさそうだ。
それに対し伊能「夢ですよ。夢だと思って、私の質問に答えてください」
始まる事情聴取。「裸の王様とは一体、誰です? 貴方、三億円事件の犯人を知っているんですか」
青年が考え込んでるさなか、伊能は奥のおばちゃんに声をかけ、さり気なく時空法違反。
「おばちゃん、元気? あと10年は生きてるから! あ、いやあの、生きてると思う、うん」

そして鉄道用地付近の冬の野原を歩く青年、伊能少年、そして古びた鉄柱を隔てて現在の伊能…
この画面構成もまたイイ。

 

伊能は次に、国分寺市恋ヶ窪へ。捜査本部が容疑者とした19歳の少年の家がここにあった。
19歳の少年は夕べ、青酸カリで自殺していた。捜査員が出入りするその家を見守る伊能…
その肩を叩く人物が。それは何と、北条管理官の若かりし日の御姿!!

 

と同時に、現在の時空班にも異変が。突然北条管理官が頭を押さえてうずくまる。
伊能が北条の過去に現れたために、現在の北条管理官の記憶に改変が起こったのである。
……この調子だとpart4かその次あたり、我らが広瀬様の美しき青春の思い出の中に伊能が土足でズカズカ踏み込むのも時間の問題ですね(はあと) 個人的にはpart3以来鬱状態になった広瀬、その原因を探るべくヒンデンブルク号に乗り込んじゃった伊能、ってのを希望。勿論そのときにはちゃんと脱出シーンも(以下略)

 

「時空班だと!? くだらん! カスの吹き溜まりだ!」
いかにも怪しい伊能を取り調べた末、そう吐き捨てる若き北条サン。
さらに、時空警察がここへ来ているという事実から、青年北条は三億円事件が迷宮入りする可能性に気づく。問い詰められた伊能、しぶしぶまたしても時空法違反を犯す。「…そういうことです」 いや、せめて黙っとけよ……一体何回時空法違反すれば気が済むのかこの人は。

当然激怒する青年北条。当時はかなり導火線の短い熱血漢だったようです。
「クソ時空班め!」と伊能を罵る。

 

そして伊能は現代に戻る。当然広瀬様を始め、時空メンバーは待ってましたとばかりに口々に伊能を非難します。
が、伊能はそれを完全無視して北条管理官に詰め寄る。「33年前、貴方は三億円事件の担当刑事だった!!」
その現場で伊能と出会った、今ではそう記憶されている筈だと伊能。
「国内の近代事件を取り扱うと、こういう問題が起きてしまうんだ…」と広瀬。下手に動けば今の人間を変えかねないという事なのだが、

国外でも近代事件を取り扱ったら問題発生しかねないのはpart3でイヤというほど(以下略)

それはともかくとして、伊能は時空班の廃止と三億円事件とは何か繋がりがあるのでは、と詮索する。そして北条管理官は、三億円事件の途中で時空班に飛ばされた過去を明かす。一体、警察内部で何があったのか……?

 

あれだけ軽蔑していた時空班にいきなり飛ばされた若き熱血青年北条、その心中はいかばかりか。そしてその後どのような紆余曲折を経て、あの導火線1センチな若者から今の管理官へと相成ったのか……それは視聴者の想像にゆだねられる。

 

杉並での出来事を語り始める伊能──舞台は再びあの駄菓子屋へ。
「この事件は時効になりますよ」例の青年にいきなり未来を教える伊能。いかに「貴方に未来を教えるのは反則ですけどねえ」と前置きしたからと言っても違反は違反ですよ伊能サン!!

伊能は、三億円事件の犯人はまだのうのうと生きている、と推測するが青年は「それは計画者たちだろう……実行犯は消されるだけだ」と否定。
実行犯=19歳の最有力容疑者のことか?と伊能。青年は「未来ではそういうことになってるんだぁ」と惚け顔。
「その線で、色んな小説やドラマが生まれてますよ」と伊能が言うと、不可解な笑みを浮かべる青年。「それじゃ、奴らの思惑通りだ」
……袴田吉彦とは思えないほど妙にカッコイイんですが。

 

青年の住む団地を彼と共に歩く伊能。この団地もやたら凝っていていかにもひと昔前の冬の団地っぽい。それから要所要所に流れるBGM(哀愁漂うピアノの旋律)もかなり良い。本エピソードのメインテーマとも言えるだろう。勿論時空警察のあのメインテーマも良いんだが、それとは対照的。

そして伊能は青年の背中に語る。「私が……いや、さっき貴方と一緒にいたあの少年が、これから何十年も……」
振り返る青年。そこには、白いトレンチコートを着て立っている少年時代の伊能が。「あなたのことをおぼえているのはなぜだかわかりますか?」
青年の手で紙飛行機が揺れる(<伊能少年が青年に渡したもの)
語り続ける伊能(姿は元に戻っている)「(警察の発表した容疑者の)モンタージュ写真が、貴方にもどこか似ていたからです」

ケイゾクやら何やら見すぎているとありきたりとか思ってしまいそうな演出だが、時空警察で見ると何だか新鮮。

 

青年は背中ごしに語る。「何故、犯人たちは犯行場所を三多摩地区に選んだか……分かりますか?
彼らは三多摩地区だからこそ、実行した。三億円はあの地区で奪う必要があったんです」
「何故…」
「誰も損をしない犯罪なんて、この世にないんですよ」
「どういう意味だ」
「これは夢でしょう? 貴方も早く覚めた方がいい」
伊能の前で閉められる扉。

……何だかいちいち台詞がカッコよすぎるんですけど。袴田。

 

「管理官。ここまでの謎をかけられて手も足も出ないとは……何のために我々がこの時空班で生きていたのか、分からなくなりませんか。
このまま廃止を受け入れてもいいんでしょうか!!」
伊能の話を全て聞き終えた時空メンバー。山神が北条管理官に迫る。いやー山神主任やっぱりカッコイイなあ、part3で大錯乱した誰かさんとは大違(以下略)

そしてじっと考え込む北条管理官。「…やるかね」
うなずく山神。「やりましょう」
全員の意思を確認する北条。当然、全員が賛同する! 手前から時澤、山神、広瀬、風間と全員の意見があっという間に一致、そしてその中心から伊能が「管理官!」 来た来た来た来たこれこそ刑事ドラマ!! やっぱり捜査はチームワークですよタケさん!(誰)

目を開く北条「……分かった!」例の時空警察テーマ、スタート!!
立ち上がり帽子をかぶりつつ「これから、事件後の三多摩地区へ向かう! 出動!!」
一斉にうなずく時空捜査官たち! きゃーきゃーうわーうわー久々に刑事ドラマ見てるよ私!!\(>∀<)/

 

……てか、どこらへんに全員出動する必要性がある? しかも全員行ったせいで後から大変なことに

 

 

ここでまたCMが入るんだが、本放送時はここにオロナインH軟膏のCMが。「時代が変わっても、塗ってもらえる幸せは変わらない」
昔から現在までのCM映像をフィルムのように映し出していく演出が時空警察のそれと酷似していて、一瞬もうCM明けかと思った……
こういう、番組内容とマッチしているCMはかなり好感度高し。
……なんだけど、せめてもうちょっとだけでもCMの頻度少なく出来なかったのか。_| ̄|○ マリリンノ エピソードニ イレトケヨ……

 

そして三多摩地区で捜査を進める時空捜査官たち。当時は人口の増加に都市計画や警察官の増員が追いつかず、犯罪も頻発していたらしい地区だ。
ちなみにやっぱり広瀬様は風間と、時澤は山神と組んでます。
捜査中、しょっぴかれる若者を見てふと山神が呟く。「ああいう目をした若者は、すっかりいなくなっちゃったな」
ここで何とも不思議そうな目で山神を見る時澤巡査が妙に印象的。時澤たんは山神にしてみたら「ああいう目をした若者」ではないのかなあ?
気を取り直し、山神は時澤に絶対に正体を悟られることのないよう念を押す。「あの捜査員たちが、未来でどんな地位についているとも限らんからな」 <実は伏線

 

一方伊能は北条管理官と、何故か公衆便所で共同捜査。安保の時代らしき落書きだらけの汚いトイレ、いやその年末だし結構遅い食事の人もいるだろうしあんまりそういう汚さまでリアルに再現せんでも…と言いたくなるほどの汚さ。
「とにかく、管理官が一番顔を見られちゃいけない人間なんですから」と伊能(臭さのせいか鼻つまんでます)
北条は、最有力容疑者とされた19歳少年はシロと見ていた。理由は停車指示を始めとする犯人の動作・雰囲気。
(「犯人の動作は、キビキビしていて一つ一つに区切りがあった。自衛隊か警察で訓練された者でなければ出来ない」という証言が実際にある)
「警察官の雰囲気というのはな、教育されて初めて出来る。父親が白バイだからといって、おいそれと白バイになれるようなモンじゃない」
それに気づいた為に、青年北条は捜査から外された……?

 

臭さのあまり?吐きそうになる伊能。もらい○ロ寸前の北条。「犯人は警察か、元警察官だ」

……てーか、リバース寸前のオッサン二人をわざわざ便器の中から撮るか普通。

 

そして舞台はとある倉庫へ。伊能がよく遊んだ秘密基地らしいそこを、アジトに仕立て上げている時空班。
床下から何やら懐かしげなものを拾ってニッコリの時澤、寒さに文句をたれる広瀬様(そういえば会議室では蝉の声が。広瀬が担当したマリリン事件も真夏のロス。そりゃあ寒かろう) そして何と奥には時空エレベーターがデンと控えております。
西部警察なら間違いなく300%確実に流血銃撃戦が発生しヘタすれば木っ端微塵に大爆破されるであろうタイプのこの倉庫、さて時空警察ではどうなることやら。てーか、ここまで駄菓子屋の古さやら便所の汚さやら倉庫のボロさを再現出来て何故どうしてヒンデンブルク号はpart3の愚痴はいい加減やめような自分)

 

見かけだけではなく構造もやはりボロいらしいこの倉庫。何と、我らが広瀬様がその餌食となってしまわれます。
捜査ファイルを熱心に読みつつ柱に手をかけた広瀬様、その柱がぽきりと折れ、広瀬様も例のしかめっ面でファイルに目を通した体勢のまま悲鳴一つあげることなくスウ───ッという按配で実に美しく真横に転倒。ついでにその衝撃で上の瓦礫までが広瀬様の上に一気に落下。瓦礫と煙の中からシンクロの如くベタに突き出されたおみ足が芸人根性を感じさせてこれまた実に美しいっていうか、

 

多分この時の物理的ダメージは確実にヒンデンブルク号爆発(TV版)より上だバカヤロウ。

 

たびたび誠にすいません申し訳ありませんpart3の愚痴はもうやめます。

これを見た他の皆さんがどうしたかと言いますと、まず伊能が「あ、言い忘れてた。古くてボロだから気をつけるんだよ(はあと)」と一言。
時澤・風間・北条>無視。やだねえ職場の人間関係をリアルに描写した刑事ドラマって

 

「先に言えよ……げほごほ(xдx;)」
あの広瀬様、災難のさなかに大変申し上げにくいのですが、貴方の人望はいずこに。

 

そこへ、ただ一人不在だった山神から伊能に電話が。ちなみに山神の使用しているのは昔なつかし赤電話。その手前のタバコ屋の看板もイイなあ。
三億円事件の犯人は、学生たちの英雄らしいという……この時代は70年代。学生たちは、安保闘争で躍起になっている。
従って学生たちの敵は、安保を取り締まる公安警察、ということらしい。苦笑する山神。

「公安警察といえば…」ここで広瀬が何かを思い出した。新聞を取り出して北条に見せる広瀬。三億円事件の前線指揮を執っている刑事部長が、公安出身だという。異例の人事に眉を顰める伊能……70年代安保に公安警察、三億円事件。
事件の真相がわずかながら見えてきた北条。当時の三多摩地区は学生たちにとって、どういう場所だったのか?

さらに捜査を続行する捜査官たち。8ミリフィルムの如きセピアな映像に溶け込んでいる広瀬&風間の姿はなかなかに凄い…実在する記録映像の中にいるんでは?と思わず錯覚してしまう。
三億円事件のあった当時はちょうど、安保闘争が最も激化していた頃だった。そして、都心へアクセスしやすく家賃も安い三多摩地区には学生たちのアパートも多かった。「彼らは三多摩地区だからこそ、実行した」青年の言葉の意味とは?

 

再び青年の住む団地へ向かう伊能。しかし部屋には既に青年の姿はなかった。
そのままになっている食器、家財道具、煙草、水上勉全集などなど。
伊能は机の上に青年のメモを発見する。「犯人には、捨てられないものがあった」
 


どこかのビルの屋上で佇む青年。彼は伊能少年の飛行機を空へ飛ばす。
そして夕陽の下、
ビルの端から、きれいに前方へと傾く青年の身体。

 

伊能はさらに、部屋のすみにペコちゃん人形を発見。現代時空班で何故か北条管理官の隣にあったものだ。
「置いてったのかよ…今の俺と会っちまった為に、ここに置いていっちまったのかよ」
人形の頭を叩く伊能。
……しかし、哀愁に浸っている暇はない! 背後から伊能に迫る謎の影が!!
突き飛ばされる伊能。そこにいたのは、見ず知らずの黒スーツ姿のガムクチャクチャの眼鏡男。
伊能にまっすぐ銃口が向けられている! さあどうする伊能!?

 

ほぼ同時刻、時空エレベーターに大異変が!
闇でふさがれる時空の穴、電撃の走るエレベーター! なるほど、この為の時空エレベーターCG化だったのね!!
茫然と状況を見守るしかない広瀬様他一同、そして円盤状の光と共に消えゆく時空エレベーター! 大変だ、時空警察が過去に閉じ込められた!

 

えーと、そのCGは笑うとこですか?
というか、あの時空班の背景の方々の中に、向こう側から何とかしようという気骨のあるヤツはいなかったのか? ま、巨乳ってだけで風間と共同捜査しようとした連中だしな……

 

この時代(三億円事件)と関係するであろう警視庁の幹部の手により、時空が閉ざされた、と推測する北条。
「どーするのよお…帰れないじゃない。明日宅配便届くのに」と風間はブツブツ。そこで広瀬がまたお得意の皮肉。
「あ、それね、あと33年経ったら受け取れるよ(はあと)」過去に閉じ込められたというのにこの余裕は流石広瀬様!と言いたいところですが、この時ばかりは状況と相手が悪かった。
当然ブチ切れる風間「そうなってから化粧品受け取ったって意味ないじゃない!!」

まずそのボケを真正面から受け取って真正面に返すなというのと、この状況で化粧品どうのこうのというのは風間なりの余裕の表れなのかそれとも女性特有の近視眼的視点とでも言いたいのか確かにその年だと33年どころか1週間基礎化粧怠ったらやっぱりマズイよねえ、そんなことよりその前に年齢差16歳の大先輩たる広瀬様(しかも風間ってよく考えたら時空班じゃ新入り)に対して上から見下ろしてのその言い草はとかもうどこから突っ込めば……と視聴者が迷っていると、

 

いきなり車が突っ込んで来ました。

 

さあ倉庫の壁がぶち破られ、なんと広瀬様のすぐそばまで車体が迫る!! あまりの事態にさすがに慌てふためきながらも素早く身を翻してよける広瀬! 状況を見守りつつ不動の北条管理官、そんな北条を守るように拳銃を構える山神!! 女性刑事らしくベタに太股に装着していた銃を取り出す風間! え、パンチラはあったかって? 知るか!
そして広瀬様、最前列にて銃を構え戦闘準備OK!! 銃撃戦になれば多分真っ先にやられる位置だ、時空警察初の流血大惨事なるか!? そして時澤もびくびくと柱の陰に隠れ捜査ファイルで頭を隠しその間からこっそりと銃口を出す……実にイイナアこのヘタレっぷり。

そして車は停車、緊迫する場内。
さあ銃撃戦来るか流血大惨事来るか大爆破来るか、肩あたり撃たれて倒れて悶える広瀬様来るか(ヲイ)まあとにかくワクワクドキドキ、そして車内から出てきた人物は……

 

「ごめんね。一度やって見たかったんだ♪」
白いトレンチコートの男すなわち伊能恭介その人。

 

 

えーと、とりあえず広瀬様、呆れてため息つくのもよいですがその前に……
撃てよ乱射しろよ!!(真山)

 

絶対わざと広瀬様の至近距離めがけて車突っ込ませた筈だこの男は。そこまでやるならきちんと銃撃戦と大爆破までやれよ元やんちゃ坊主!!(オイ)

 

伊能が車の中から連れ出したのは、何とあの眼鏡男。上着を脱がされ、無様に後ろ手に縛られております。
一体あの状況からどうやって伊能が形勢逆転したのか是非拝見させていただきたかったですが、そこは視聴者の想像にのみ委ねられます。ホラ、時空警察3つの鉄の掟の後ろに隠された4番目の掟もあることだし。

「アクションに期待してはならない」

 

part2のこの場面でこれを実感、そしてpart3で散々思い知らされたよ……くそぅ

 

黒スーツ眼鏡男の正体は公安一課の人間、通称サクラ。例えば80年代前半の共産党幹部宅盗聴事件などは彼らが仕組んだものといわれているらしい。組織の目的はスパイの獲得・養成など。中野の警察大学校内桜寮にその拠点があったことから「サクラ」と呼称されている。「彼らは身分証を持たず、出勤せず、極秘に行動する…公安の裏組織・サクラだ」

そして始まる時空班全員揃っての集団尋問。あくまでシラをきるサクラ。赤い布で眼鏡を拭きつつ……(<伏線)
伊能「三億円事件の真犯人は、警察庁最高幹部とその配下。君たち裏公安が計画を立て実行した。動機は、70年安保を乗り切るための、学生活動家たちの解体。公安は三多摩地区全域に、ローラー作戦を敷きたかった」
山神「勿論、極秘の作戦だ。現場の連中はそんな計画を露ほども知らん。彼らは地道に捜査をしただけだ」
広瀬「君たちは警察捜査の仕方もよく知っている…わざと足のつきそうな遺留品をばらまき、時間と人員を稼いだんじゃないのか」(当然、例のポケットに手突っ込んだポーズ&しかめっ面でサクラの周りを歩きつつ)
伊能「そして捜査の早い段階で、一人の少年に捜査の目が向くように仕組んだ。捜査本部が公に出来ない、好都合の容疑者だ。
少年はシロだ。この事件とは無関係だ……」(ここでの伊能&広瀬のツーショットが何故かよい感じ)
伊能「そして、実行犯は初めからその少年と顔立ちの似ている人間が選ばれていたんだ」

目に黒線のかかった白バイ警官の写真。その黒線が外され、そこには芸能人格付けチェック映る価値なし席常連袴田吉彦ゲップのお兄ちゃんの顔が!
そうですねサクラさん、貴方でなくとも「バカバカしい!」と叫びそうになりますよ。

そんな計画が漏れればたちどころに警察の威信は地に落ち、国内は大混乱だとサクラ。
しかしそれだけのリスクを冒してでもやるだけの成果は挙がった。時澤が事件から1年半後の新聞(昭和45年6月23日)を持ち出し「この日、安保闘争最大のデモに、警察は勝利しています」そしてこの日以降、学生たちは完全に鎮圧されることになる。
時澤「それと同じ日─6・23に、警視庁刑事部首脳は、三億円事件捜査本部を縮小する方針を固めた、とあります。三多摩地区全域を洗った捜査本部、一挙に人員を半減する。
6・23…三億円事件の大捜査陣の縮小が決定されたのと、安保最後の闘争は、同じ日の出来事です

次第に強張っていくサクラの横顔。眼鏡を外し、挙動もあからさまに怪しくなっていく。さっきまでのヘタレっぷりが嘘のようにカッコイイ時澤もイイ、まんま西園寺君などと冗談でも言ってはならない。

時澤「70年安保の終結と共に、三億円事件の捜査も、一つの使命を全うして終わったのです」

 

いかにも男たちの静かなる闘いという雰囲気の画が実にイイ、確かに「歴史の闇に立ち向かう男たちの物語」! イイなーー
……って、風間にもちょっとは喋らせてあげなよ(;´д`) ナニシニキタンダ アイツハ

 

そして、ゲップのお兄ちゃんの残していったメモを差し出す伊能。

「犯人には、捨てられないものがあった───
それは、犯人が身に着けていたヘルメット・制服・腕章・白いマフラー。遺留品として発見されていないそれらのものは、決して捨てることは出来なかった。何故なら……
どれもが、本物だったからです

サクラの顔の筋肉が痙攣を始める。

 

 

「私は子供のころ、三億円事件の犯人に会っていたんだ。
彼は子供に優しかった。彼は自分の使命を、これからの子供たちの為にと…そう信じていたのかも知れない。
この国の治安を守る為に犠牲になろうと、そう思っていたのかも知れない」

フラッシュバックする、駄菓子屋での青年の微笑み。そして豪雨の中の白バイ。

「その彼は、何処に行ったんですか」

杉並の空を飛んでいく伊能少年の紙飛行機。
屋上からきれいに前に倒れる青年の身体。

 

「自分の使命を全うし、現金と自らの命を、始末したんですか!?」

 

伊能に問い詰められた挙句、遂にサクラ錯乱! ……ゴメンナサイ モウイイマセン ユルシテクダサイ
凶暴化したサクラに突き飛ばされる伊能、その伊能を押さえる広瀬&山神、その隙にサクラは最も体力及び運動神経のない時澤を羽交い絞めに! 複数の相手の能力を見極め、同時に誰を狙うが最も適しているか一瞬で選択するその技術は流石スパイ組織の一員といったところか。
時澤の懐から拳銃を奪い、時空班全員に向け銃口を振り回すサクラ。そして彼はその銃口を自らの頭部へ! もし自殺でもされた場合一番悪いのは誰だやっぱり追いつめた伊能かそれともまんまと拳銃奪われた時澤かなどと悩んでいる間に、サクラは引き金を!

 

しかしその横からサクラの腕を掴む手が!
北条管理官、すんでの所でサクラの拳銃自殺を阻止! 御大将キタキタキタタタタ───!!!

「死んでは駄目だ。生きのびろ!
歴史を変えろとは言わない。そんな事は不可能だ。
ただな…生きながらえろ。
今から何十年後には、どっかのポジションについてる筈だ。そこから、しっかりと見てみろ。お前のやった事が正しいかどうか!
お前たちの造った体制で大勢の者が幸福になれたかどうか! 心の奥の方までしっかりと見てみろ。
…分かったな」

 

この北条管理官の台詞も勿論そうなんだがpart2は印象に残る台詞ありまくりでどうしても全部抜書きしたくなる…特にこのあたり。
気がついたらレビューがシナリオ集状態…いや私の要約能力がないのが一番悪いんですが
ちなみにこの時も広瀬巡査部長と伊能がツーショットになって北条管理官のお言葉を聞いております。それから時澤巡査は風間と。
part4は是非ともこの組み合わせの共同捜査をお願いいたしまする!!(切望)

 

へなへなとその場に座り込むサクラ。その肩を叩く北条「行きなさい。無事で生きるんだよ」
ここで立ち去ろうとするサクラに、彼の落とした眼鏡を黙って手渡す広瀬様がまたイイ……細かな演出が最高。同じ眼鏡っ子同士、その大切さがよく分かるんでしょうね。ちなみに殆どかけた事のない私はサイト内某小説で某眼鏡キャラの眼鏡割りまくりの叩き落としまくり。

 

こうして事件の真相は全て明らかになった。しかし……
「で、私たちはどうなるワケ?」と風間。てめえ尋問にも参加せずにやっと口開いたと思ったらそれか。
「そばでも食うか」と広瀬様。「長生きできるように♪」と風間をなだめる時澤たん。意外と悪くないと思うのは私だけか風間&時澤。
山神「あとは、天命を待つのみだな」

 

 

一方現代。名古屋章が警視総監からの電話を取る。
赤い布で丁寧に拭かれている眼鏡、どうやらこの人物が警視総監らしい……この眼鏡&赤い布、どっかで見たような……
……
……まさか……
なななななるほどそそそういう事か!!

 



そして、再び開かれる時空エレベーター。

 

 

 

ここで事件4ヶ月前の夏のエピソードが入る。あのペコちゃん人形の謎が、ここで初めて明かされる。
伊能少年は蝉取りの最中、ペコちゃん人形を吊り下げる訓練をしている「ゲップのお兄ちゃん」と出会う。訓練とは、物を盗む訓練らしい…
「バカだなー、俺も」と呟く青年。伊能の独白で語られる、「ゲップのお兄ちゃん」との出会い…
ストーリーは冬の杉並から始まっていたがこのシーンは真夏。セピア色の冬の杉並からガラリと変化した色調で描かれる夏の風景が、希望に溢れていた伊能の少年時代を思わせこれまた印象的。特に青空の眩しさは、冬空の寒さがきっちり描かれていたこともあって非常に映える。
 

本当なら、青年と別れたあの翌日の朝、伊能少年の家にそのペコちゃん人形が届けられてくる筈だった。
もう二度と会えない詫びに、青年が伊能少年に残していったはずのペコちゃん人形。

 

時空エレベーターの中、伊能の独白が続く。あの、ピアノの旋律と共に。
伊能は時空捜査の名のもとに、彼と再び出会ってしまった。あの人形は、もう何処にも無い。

 

夕陽差し込む廊下から堂々帰還を果たす、時空班メンバーたち。OPで使われた映像がエンディングで再び。
皆笑顔だが、伊能だけは笑っていない…

「そんなものを大切に持っていたことさえ、現代に戻った私の記憶からは消えているだろう。
私は、自分の思い出を……歴史の一つを、失くしてしまったのだ」

 

誰もいなくなった時空班捜査会議室。
ひっそりと置かれたペコちゃん人形が、夕陽の中消えていく。

 

そしてピアノの旋律に続いて鳴り響く、例の時空警察メインテーマ!
流れるスタッフロール! そして出る字幕!

「翌日 時空警察の存続が決定された。」

 

 

そして、奇跡的に番組も翌年存続いたしました。ま、内容は……もうやめます次のレビューでイヤというほどやらせていただきますので。


part2はpart1と比べてどうのこうの……と批判されることが何かと多いような気がするが、ドラマの作りというこの一点においては、近年稀に見る凄まじい良質な出来の作品だったと思う。
そんなところまで作りこまなくとも…という程に緻密なセット、実在資料を巧みに繋ぎ合わせて編集された映像。そして、画面に微妙な加工を施すことで、モンロー・江戸幕府初期・70年代安保と、それぞれの時代において見事に表現されていた「空気感」。この「空気感」の演出がなければ、時空警察特有のあの不思議な画は成立しない。圧倒的な時代の空気の表現があり、なおかつ時空捜査官がその空気に溶け込んでいる、そこでその画は初めて「不思議な画」となる。ただ単に、トレンチコートの男と侍が一緒に会話しているところを撮影してみました♪というだけでは、あの画の不可思議さは絶対に出てこないのだ。

 

その時代を生きた、歴史の証人たちの覚悟。家康といい、千姫といい、ゲップのお兄ちゃんといい、描かれる人間たちにはそれぞれの覚悟があった。それぞれの魅力と、そこに生きてそこで死んだからこそ現れる命の輝きがあった。最初のエピソードのマリリンは冒頭から既に死亡しており彼女自身が時空捜査官の前に現れることはなかったが、既にこの世の人ではないマリリンを風間の回想・広瀬の心情の変化で綴っていくことにより、その煌きがいかに絶大なものだったかが一層印象深く描かれていた。もしあの話でマリリン自身が登場し広瀬たちの前でベラベラ語りだしたりしたら一気に興ざめすること間違いなしだったに違いない。

 

時空警察とは、その時代の人間たちが生きた証と、それが失われることによる命の重みをしっかり確認する役目も担ってるんではないかなあ……などと思ってみたり。



そして何と言っても、時空捜査なる荒唐無稽な設定の中、それらの時代に真剣に立ち向かい、歴史の闇に真正面からぶつかりながら、何としてでも真実を掴もうと戦う時空捜査官たちのカッコ良さ。それぞれの台詞・行動があまりにも良過ぎて、印象的な場面だけをピックアップしようとしてレビュー書いてたのに何故かほぼ全台詞網羅シナリオ集になっちゃったのは上をご覧頂いても分かるとおり。特に三億円事件。
彼らのあの情熱と、身体から滲み出るカッコ良さがあるからこそ、時空警察part2はただの特命リサーチ200X歴史検証版では終わらず、視聴者をぐいぐいと引きずり込む強烈な吸引力を持つ人間ドラマとして成立していたと思う。

 

part1>>>>>part2という意見は、ドラマ部分と比べて歴史検証部分が薄くなっていた為に出た意見なのだろうか、とビデオ見返すまで思ってたんですがどうなんでしょうか。改めてみたらドラマも歴史検証も両方凄まじい…歴史検証が濃かったからこそドラマも濃くなって両者拮抗、という感じ。こうなったらpart1がどれほど良かったのか、今一度確認してみたい。本放送以降1度も見ていない上放送から2年以上経過しており、さらになんといっても私は物覚えの悪さには自信がある。それでもある程度場面場面を思い出せるということは、やはりかなりの映像&ドラマだったのだろうか。

 

 

そしてこのpart2があったからこそ、当然part3にも絶大な信頼と期待を寄せてしまっていたワケで……

 

 

あ、それから時空警察3つの鉄の掟、その裏に4番目の掟があると書きましたが、実は5番目もありました。

「放送終了3日以内に某Fパークを視聴してはならない」

 

余韻を楽しみたい方、それから特に広瀬巡査部長様ファンは絶対厳重注意。一瞬で面白いくらいに轟音をたててガラガラ崩壊していくこと間違いなし(過去二度の体験者より)

 

 

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