時空警察捜査一課・part3
〜壊れた心と壊れゆくドラマ〜
(ここからの続きになります〜)
さてさて時空警察part3残りレビュー、大変に遅くなりまして申し訳ありません。
一応かなり前にビデオ録画したものをDVDに移したのですが、なかなか時間が取れなくって遅くなっちゃいました〜えへへゴメンナサイネ♪
……なワケないでしょう。
確かに時間が取れなかったのは事実だが、それが更新遅れの第一の理由ではない。
単純に、レビューの為にもう一回アレを見返すという作業がイヤなんです。
え、何故かって?
勿論、ヒンデンブルクショック思い出して鬱ぶり返すのが分かっているからですよ!!!バカヤロー
聖徳太子&真珠湾のエピソードが良かろうと悪かろうと、どっちにしろ鬱になるのが分かっているからですよ!!!チクショー
ヒンデンブルクより良かった場合>何故これをヒンデンブルクで出来なかったかと鬱になる&時澤と山神と新人と小池栄子に嫉妬
ヒンデンブルクより悪かった場合>何故時空警察がここまで凋落したかと鬱になる
(いや、後者のケースは普通考えられないけど。アレより悪いなんてのはなかなか出来るものじゃないだろう)
話ぜんぜん逸れますが、この前フジのミュージックフェアをたまたま電気屋のテレビで見かけたんですが。
あれって恵さんが司会やってる番組なんで、当然画面には恵さんがゲストと談笑する御姿が。そして場所は電気屋のテレビコーナー、つまり何十台となくテレビがあってその時何故か殆どのテレビ画面にはフジが映っていた…そして……
気がついたら2秒もたずに隣の洗濯機コーナーに逃げ出していた私。
また話変わってすみませんが、この前TBSのJスポーツ偶然見かけまして。
あれってやっぱり恵さんが司会やってる番組なんで以下略。そして……
気がついたら3秒後にブチリと電源切ってた私。
ど、どうしたんだ私!? しっかりしろ、ちょっと前まで別に恵さん見たって平気だった筈じゃないか! しかも何故こんなに心臓がバクバクしてるんだ!? 眩しすぎて見られないってヤツなのか!? いや、まさかそんな、それは違う、そんな次元は何年も前に通り抜けた筈だ!!
……まさか……
そうか、やっぱりそうなのか……遂にマジもんで寅さん馬さん化してしまったのか、あのエピソード。
ついでに、最近見る夢の話で申し訳ありませんが。
時空警察の夢、やっぱりあれ以来2回か3回見ています。
そのどれもがですね……
今年夏(もしくは冬)、半年(もしくは1年)ぶりに時空警察が復活! したはいいが、
広瀬巡査部長だけそのメンバーに入っていない!!(他のメンバー全てそのまま。ただ、真田が永井大に変わったという夢なら1回あった)
つまり、かつての霧山ユキエ(篠原涼子)のごとく……というワケですな。代わりによく分からん眼鏡デブのお笑い芸人っぽいのが入っている……
どういうワケか知らんがやけにリアルな夢なだけに、夢の中の私は当然、精神崩壊直前まで追い込まれます。そして広瀬様のいない予告編が流れて、広瀬様のいないOPが始まって、広瀬様のいない捜査会議が始まって、広瀬様の代わりか何か知らんが眼鏡デブがエリートぶって伊能に何か言い始めてそしてそこでやっと目が覚める……
勘弁してください夢だけでものすごく疲れます。
広瀬様一人だけいないってのがますます辛い。誰か他にも2・3人、いや広瀬様をリ×トラするくらいであればいっそのことメンバー全員総入れ替えしてしまえとか思ってしまう(当然陣内、丹波も)。いや、それならば番組名も変えてだな、設定も全部無かったことにしてだな、つーか、
広瀬様のいない時空警察なんぞ既に時空警察と名乗る資格はない!! シノリョーのリストラとはワケが違うんだ!! 広瀬様はもう3回もこの番組に関わっている、その功績を認めずそのようなふざけた真似をするぐらいならば番組ごと逝ってもらって結構! いや、逝ってしまえーーーーーーーっ!!
……申し訳ありません少々興奮しました。夢で見たってだけで別にそんな話があるわけでも何でもないのに何を言ってるんだ私は。
いやね、リス△ラするならするでそれを話の中できちんと描いてくれれば別にいいんだが(配置替えなり転職なりの記念に最後の時空捜査とか……もしくは殉職とかヽ(lll゚∀゚)/)、篠原涼子のケースを見る限り難しいしなぁ。part2以降誰も霧山ユキエを思い出しもしないし。
前置きが非常に長くなってしまいましたが、さあ頑張っていこうレビューです!!
吠え立てるヒトラーの映像でヒンデンブルクエピソードが終了し、せめてこの後のフォローがあるか、あるだろう、台詞だけでもいいから脱出シーンの補完を、せめて、せめて広瀬様の心のケア、精神面のフォローだけでもしっかりと……と刹那に思っていたところに来た、聖徳太子の万札。
part3レビュー冒頭で、「最終回が放送される筈のその時間に、いきなり次クールのドラマの初回が放送」と申し上げましたが、まさにこのシーンがそれです。
ま、そんなことは今更わめき立ててもどうしようもないんでとっととレビューやりましょう。聖徳太子の描かれた旧1万円札を掲げながら、時澤は事件説明に入ります。そこで時澤、真田に「聖徳太子ぐらいは知ってるよね?」とにっこりとさり気にキッツイ質問を。
しかし真田、その皮肉が分かってるのかいないのか妙に張り切って「知ってます! 日本で最初に憲法を作った人っ!!」
妙に白ける時空班……
実はこのシーンで、広瀬様の生還が初めて確認できる。多分殆どの人が気づいていないと思うが、この時最前列で真田のボケにため息をつきつつ首を振っている! しかも何事もなかったかのようにだ! 何ということだ、素晴らしい! さすが広瀬巡査部長様! つーか、
こんな形で生存確認したかねーよ!! 脱出したんならきちんと一言でもいいから説明してくれよ! それとも何か、捜査会議での説明で全て済ましたつもりか!? マーガレットマザーに対する広瀬の独白だけで脱出説明したつもりか!?? しかも広瀬は当初の計画(=生存者のそばにいて一緒に脱出)とは違って、死亡したイレーネのすぐ近くにいたんだぞーーーーーーーーーーーつつつつつつつつつつつ!!
ま、今更わめいたところでどうにもならないのでとっとと行きましょう。 聖徳太子の誕生から大政治家となるまでの、現代で認識されている大まかな略歴(十七条憲法、遣隋使、仏教普及など)がナレーションで説明される。
そこで時澤は今回の捜査の核心へ。聖徳太子には死亡時期が二通りあるという……
日本書紀によれば、聖徳太子の死亡は推古二十九年(621年)2月5日。
しかし法隆寺の記録によると、彼の死亡は1年後の推古三十年(622年)2月22日。
しかも太子の妻・膳部大郎女も共に死亡している。
そして時澤は言う……「聖徳太子の死には、暗殺の匂いがするのです」
そしてタイトル。の直後。
「暗殺!?」条件反射の如くその単語に食らいついてくる広瀬様。多くの視聴者はここで初めて広瀬様が無事飛行船から脱出し現代への生還を果たしたことを知ると思うのですが(その前のシーンでは分かりにくい)、せめて、せめて……
頭に包帯巻いて眼帯かけてればこのシーン(もっと言えば前エピソード)の印象が大分違ってきたはずなのだが。
鼻の頭にバンソーコー、ってだけでもかなり印象違ったと思う。いや、実際に脱出シーン見せるよりその方がインパクトあったのかも知れない。脱出シーンそのものは見せず、その後の捜査会議のシーンで脱出の際に負傷した広瀬の姿をさりげなく見せることで、脱出時の凄まじさをより印象づけるという演出も可能だった筈だ。そして、負傷しても平気な顔で捜査会議に出ている広瀬様は素晴らしい!ヽ(
´∀`)/つーことになり、 ついでに広瀬様の包帯姿ハァハァ(*´д`)ということにもなって一石三鳥だってのに、
このシーン、全くの無傷。
包帯と眼帯とバンソーコーにそんなに予算かかるとは思えんのですが。少なくとも脱出シーンの撮影よりは遥かに低予算だと思うのですが。しかも脱出シーンそのものを撮るより高い演出効果が期待できるかも知れないってのに、それすらしてないのは一体何故。
……まさか……
まさかとは思うが、今回、各エピソードは必ずしも時系列に忠実にやっているわけではないのでは?
つまり、忠臣蔵が終わったらヒンデンブルクの捜査、それが終わったら聖徳太子の捜査、そして最後に一騒動……という流れでは実際は進んでいないのでは? つまり、
忠臣蔵→聖徳太子→真珠湾→ヒンデンブルク
この順番に実際は捜査が進んでいるのでは? その通りにドラマの各エピソード繋いでも違和感ないし。
つまりだな……
絶対に考えたくない可能性ではあるが……
TV版では……
時間的にはヒンデンブルクは一番最後にあって、その直前の真珠湾エピでの山神に感化されちゃった広瀬様があーんな行動しちゃって、そして、そして、最後には……
広瀬様、TV版では実は殉職してる!!!????Σ(lll゚д゚)ドガーン
いや! NO! そんな、ありもしないイヤーな推測はもうナシにしましょう! いつものマイナス方向無限スパイラル思考突入してるぞ自分! ありえん!! ありえない!!! 絶対ありえないし!!!
とっととレビューに戻りましょう、えーとえーと、時澤が聖徳太子の暗殺をほのめかし、どよめく時空班。「歴史上の大事件ではあるな」と北条管理官。しかし北条は時澤に、真田を同行させることを命ずる。
当然猛反対する時澤。あの当時の人間関係は複雑すぎてとても新人は…というのがその理由だが、それでなくとも真田は御免だろうなぁ。
しかし北条サン聞く耳持たず「だから鍛えてやってくれと言っとるんだ」この台詞で北条サン、真田の近親者容疑確定。
そして当の真田は資料を手にしてやる気マンマン。
さらに、広瀬様の時とは正反対のものすっごく軽いノリで「はい許可する」と北条サン。しかも「古代の冬は寒いからな。風邪ひかないように注意しとけよ」(絶対真田に向かって言った。筈)
うん、叔父様かな? おじいちゃん、はさすがにないか? ヘタすると親父様?
しかもしかもオペレーターの姉さん(小谷巡査というらしい)まで何気にノリ軽いし。移動時刻打ち込みながら時澤に目配せしてるし。時澤思わずうなずいちゃってるし。時澤の細かい演技も今回健在。「大丈夫なんですか? ……この新人」<心の声
そして時空エレベーターに乗り込む時澤と真田。噴き出す煙に驚く真田、全く動揺せず乗り込んでいく時澤を慌てて追いかける真田……
そのヘタレな役まわりは前回まで確か時澤の十八番だった筈だが?
つーか、ヘタレじゃない時澤なんぞ既に時澤じゃない気が…てか、あの髪型の時点でもう前回の時澤たんとは別人なような……
そして時澤と真田はまず、日本書紀での太子死亡時刻とされる推古二十九年二月五日・葦垣宮(聖徳太子別邸)へと時空移動。
で、ゆっくり扉を開き時澤たちは太子の寝所へと踏み込むが……
いきなり展開される凄惨なる殺人現場。太子も夫人も既に血の海の中。
み、皆さん! どうか、どうかツッコミはこらえて下さい!! 私もこらえてます、冒頭に死体転がせとはよく言うけれどしかしいきなり結論から出してどうするボケなどと書いてやりたいのは山々ですが精一杯こらえております!!
……そんな事より何より、あまりの血の海に真田が引きまくってるのに時澤が全く平気な面で一つも動揺せずに死体調べていたって事の方が衝撃だったなぁ。前回とキャラ違いすぎだろ!!
何故これだけ暗殺の事実がはっきりしているのに(<いやそのあのですから皆さんあんまりツッコまないように。ホラ、これ時空警察だからね♪)、死亡時期が二通りあるのか? 不審に思った時澤は真田に聖徳太子の家系図を出させる。さぁ真田君、情報処理のエキスパートとして時空班に配属された真田君、これこそ腕の見せ所!! 持ってきたスーツケース大のパソコンを取り出して入力を始……
……
……いや、決してものすごく遅いというワケではないですよ?
50代から始めるパソコン教室の親父様並みに遅いというワケではないですよ、しかし……
真田さん、貴方って、情報処理のエキスパートとして時空班に配属されたんでしたよね? あれだけの歴史オンチっぷりにも関わらず時空班に配属されたってのはきっと、凄まじく天才的な情報処理能力をお持ちだからなんですよね? 当然キー入力速度だってバトロワ劇場版三村並みにあって当然ですよね?
ウチの会社に派遣で来ている入力オペレーターのおばちゃんよりかなり遅いってどういうことよ。
まぁいいや、キー入力なんてのは二の次だ、きっと中にある複雑怪奇な家系図を凄まじい勢いで読み取って的確に分析してくれるんだろう、さぁ頑張れ!! もわわ〜んと妙な効果音と共に出てきたぞ、妙にグロチックなCGで彩られた聖徳太子の家系図が!
「えぇぇ!? これぇっ……?」(家系図出た途端にものっすごい動揺)
おいどうしたよ情報処理専門で呼ばれた歴史オンチの新人君よ。
そしてそれがどのように複雑なのかもよく分からないうちに、資料出てからわずか10秒ちょっとで
「僕は降ります。とても無理です!」
うん、真田君、良かったね相方が時澤巡査で! 広瀬様ならあんたそのまま血の海に置いてけぼり食らってた筈だよ!!
忍耐の人時澤は「まー慌てるな」と真田を励ます。太子を巡る家系図は一見複雑だが、実は単純なものだという……太子の身体には、祖父母の代から辿るとたった二つの家柄の血しか流れていないからだ。まず欽明天皇→用明天皇→聖徳太子と通じる天皇家の血筋。次に、蘇我稲目→長女・堅塩媛→用明天皇→太子、そして蘇我稲目→次女・小姉君→穴穂部間人皇女→太子と通じる蘇我氏の血筋。つまり、聖徳太子は蘇我氏の血を色濃く引いた皇子なのである。
次に時澤は真田に、太子の妃の血筋を辿らせる。家系図が血管のように描かれ、血筋を辿るとその筋が光で表示されるってのは分かりやすいというべきか、雰囲気が出てるというべきか、それとも過剰演出というべきか。
太子の妃の一人、刀自古郎女は蘇我馬子(蘇我稲目の弟)の娘。そしてウジ道貝蛸皇女(うじのかいたこのひめみこと読む。個人的にはこの人物の名前の由来について是非時空捜査をお願いしたいものだが)と、橘大郎女(どちらも太子の妃)は推古天皇の娘と孫娘にあたる。推古天皇は用明天皇の姉であり、堅塩媛を母に持つ、蘇我氏系の天皇だ。
蘇我馬子は聖徳太子にとって、大叔父であり義理の父。推古天皇は伯母で、義理の母で、義理の祖母ということになる。
そうですねぇ、今ノベライズ版の家系図と本放送版見ながら書いてますけど、時澤サンの言うとおり脳みそがんじがらめになりますよ!! 変換面倒だし!! 「ウジ」の漢字でないし!!!
そして、この複雑な家系から外れているのは、膳部大郎女──今、時澤と真田の目の前で殺されている妃だ。
時澤は太子の遺体が運ばれる前に、秦河勝へ会いに行く。聖徳太子を幼少の頃より陰で支えてきた人物だ。しかし、歴史の表舞台には殆ど登場しない、黒幕的存在……実は朝鮮半島からの渡来人・秦氏の首長である。
森の奥、三柱鳥居の下で祈りを捧げる河勝。そこに現れる時澤と真田。
「時空警察……と、言いましたか」と河勝。どうやらその言葉の意味するところを悟っているようだ。
でも、河勝に会う前にノベライズ版では、法隆寺の前で想いに耽る時澤に真田がまたもボケかましたり、二人で市場で物乞いしたり、河原で魚食ったり色々してるんだけどそれらのオイシイ場面全てカット。うん、西園寺ファン&菊池ファンは泣きたいところでしょうねぇ、気持ち分かりますよ、でもね、広瀬様がやられたカットの嵐に比べれば全然可愛いもんです!!
「やはり、恐れていた悲劇が……」時空警察の登場に、神妙な面持ちの河勝。貴方が予見していた?と尋ねる時澤の質問に肯定で答える。
そこへ真田が全く空気を読まぬ質問「この人、誰ですか?」 しかしすぐさまツッコむ時澤がいい感じ。
舞台は秦の屋敷へ。屋敷に入る前にもノベライズではちょっとした時澤と真田のやり取りがあるんだが、TV版では既に森で河勝と会っているためそれもカット。ま、可愛いもんですよ、小ネタのカットぐらい。
河勝は、この悲劇が何故起こったかも、それが決して表に出ることなく歴史の闇に消し去られてしまうことも分かっていたという。さらに、真相は国家を揺るがす大事に関わっているという……
聖徳太子エピソードは東北でロケしたということもあってか、古代の冬の寒々しい感じが出ていてその点はなかなかに良いと思った。秦の屋敷の庭も、そこに集まっている井戸の周りの人々も良い。しかし……やはり何かが足りない。やっぱり時代の空気の再現なのか?
今回の忠臣蔵においては、江戸の空気感の再現はかなり失敗していたワケだが、聖徳太子については必ずしも失敗しているとは言えないかも。だって、古代の空気感なんて分かる人間などいないだろう。 江戸時代とか戦国時代までならよく映画にもTVドラマにもなっているしあの時代は多分こんな空気こんな雰囲気……ってのが定着していると思うが、聖徳太子の時代となると難しいだろう。だから今回のように開き直ってCGビシビシ、ビデオ撮影バシバシでも良かったのかも。
……でも、何かが違う……何かが足りないのか、もしくは何かが余計なのか。
「だが千年後、2千年後、誰かがこの悲劇の秘密に気づいて訪ねてくれると信じていました。そして、貴方がた時空警察がやってきた」
「我々を待っていてくださる人がいるとは光栄です」
時澤、なかなかにカッコいい。カッコいいんだが、しかしその後ろで真田が床滑ってるんですけど注意しろよ。
時澤はそこで一気に畳みかける。「ではズバリ聞きます。
聖徳太子──厩戸皇子は何故暗殺されたんですか。犯人は誰なんですか!?」
カッコいい、カッコいいんだけど……part2のヘタレ時澤たんは何処へ??? ヘタレな奴がいざという時カッコイイとこを見せるから、だからpart2までの時澤たんは良かったのに、これじゃ西園寺君と髪型しか変わらないよう(つд`;)
そして河勝は語りだす。全ては仏教を巡る争いから始まった…
聖徳太子の父・用明天皇が崩御すると、後継争いで豪族たちはまっぷたつに割れた。仏教推進派の蘇我馬子らは泊瀬部皇子を推し、日本古来の神々を信奉する物部守屋は穴穂部皇子を推した(二人の皇子はともに、聖徳太子の母=穴穂部間人皇女の弟)。
当然、両者の間で争いが起こった(蘇我・物部の戦い)。
そこで馬子は、物部氏が担ぐ穴穂部皇子を暗殺する。物部氏はこれで勢力を失い、完全に蘇我氏に追い詰められる。そして物部守屋は最後には馬子の軍によって滅ぼされた。後、泊瀬部皇子は崇峻天皇として即位。
その時の戦いに、馬子軍として参戦していたのが聖徳太子だ。この戦いを勝利に導いたのが、聖徳太子の活躍だったという。馬子は聖徳太子を見込んだのか、自分の娘を妃(刀自古郎女)として送り込んできた。
それから5年、聖徳太子は21歳となり、本来ならば天皇に即位する筈だった……
河勝は時空警察に懇願する。28年前のその年、聖徳太子の身に何があったのか。何故天皇にならず、摂政となることを受けたのか。それを、じかに見てほしい……「暗殺の悲劇の秘密が、そこにあるからです」
くどいようですがノベライズ版ではここで珍しく真田が河勝に空気を読んだ質問をする。が、TV版ではやっぱりカット。天皇家は元来神道を信奉しているのに、用明天皇や聖徳太子など、天皇家の人々が仏教徒になるのはかまわないのか、という質問だったのだが……古代の天皇・仏教・神道の関係を描くには結構重要な部分だと思うのだが、それすらカットってのは何故だろう。
そして時澤・真田は592年(崇峻五年)10月の飛鳥・蘇我馬子の屋敷へと時空移動。屋根裏からこっそり馬子の様子を伺います。
相手の男と何やら怪しげな相談をしているらしき馬子。どうやら、内容は崇峻天皇殺害計画らしい。崇峻天皇は馬子によって帝位につけられた、傀儡の天皇。政治の実権は全て馬子に握られており、それが気に食わなかった彼は、つい馬子に敵対するような発言をしてしまったらしい。
で、真田のお約束のボケ。「蘇我馬子って、男だったんだ!」
時澤「お前、女だと思ってたのか!?」真田「だって、馬子っていうから!」時澤「………(つд⊂;)」
えーと、その論理でいくと当然小野妹子も女なんですね真田君。
「斬られる前に、斬る」天皇の発言に激怒している馬子。そして相手の男=東漢直駒に崇峻天皇暗殺を命じる。
あまりの命令に震える駒、しかし馬子は褒美として自分の娘・河上郎女をちらつかせる。駒が彼女に惚れていることを、馬子は知っていたのだ。
だが彼女は既に人のもの。尻込みする駒に、馬子は言う。「盗めばいい! 娘もお前に惚れている……心を決めよ」
その言葉に駒は遂に決心、その場を退く。後、うーんと伸びをして一杯やってのける馬子がなかなかに横柄で良い。
崇峻五年十一月三日、馬子は東漢直駒を使い天皇を暗殺した。歴史上唯一の天皇弑逆事件である。これにより聖徳太子の母・穴穂部間人皇女は弟2人を馬子に殺されたことになる(一人死ぬごとに家系図のその人物の表示が黒く潰されるCG効果は分かりやすくて結構いいかも)。
そして、暗殺実行犯・駒は馬子によって直接処刑される。その処刑シーン……
逆さ吊りにされている駒、笑いながら弓を引く馬子、矢を射られ絶叫の駒、馬子の高笑い。「次こそは……当てるぞ」<語尾にハートマークついてもおかしくない
駒へずんずん近づき弓を構える馬子……そして暗転。
この程度のグロは別に一向に構わないんだが(むしろ歓迎)、駒のヅラが剥がれかけていたのはどうにかならなかったのか。
「暗殺者は口封じの為に殺される……いつの世も同じことが起こる」とは、宙吊りにされたままの駒の遺体を見ながらの時澤の独白。part1や2のことでも思い出していたのでしょうか。何といってもpart2じゃ自分が殺されかかったしなぁ。
そんな時澤の横でパソコンを開いている真田。馬子が駒に褒美にやるといった娘・河上郎女の正体を調べていたらしい。やれやれやっと本領発揮というところか。
真田の調べたところによると、鎌倉時代に書かれた「聖譽鈔」には、馬子の娘・河上郎女は聖徳太子の妃、とある(ノベライズ版では河上郎女=刀自古郎女であるという注釈がさらに加えられている)。駒が「人のもの」と言ったのは、実は聖徳太子のものということだった。だとすると、駒は天皇暗殺後、河上郎女を連れて逃げた筈。つまり聖徳太子は、妻にも裏切られていたのだ。
所変わって、付近の村の近くを足早に歩く時澤、それを追いかける真田。途中真田君、可愛い古代の村娘の笑顔に引かれてしまいぼーっと何やってんだコラ。しかし実は「こっち見てるよホラ」などと笑われているだけでした。真田と目が合った途端に仏頂面になる村娘、それを見てムッとする真田。考えてみれば現代の渋谷を古代衣装で大真面目に歩いているようなモン。そりゃあ笑われるってば。
……でも、part2の山神と時澤は江戸の町民たちに特に目立った反応はされていなかったが?
そんな一人大恥真田をほっといてずんずん歩いていく時澤。聖徳太子が妻に裏切られていたことを知ると真田君、「つまり奥さんは不倫してたってことですか? この家系ぐちゃぐちゃじゃないですか! 家族も信用できないなんて!!」
part4ではその調子で是非広瀬様と大激突を頼むよ時空警察の斉藤英二郎君。
そんな真田に内心ほとほと呆れかえったのかどうだか分かりませんが時澤、妙に清々しい顔で真田に炊屋姫の屋敷へ行くよう命じます。そこに馬子も来るはずだという。……清々しいけど、1年でえらく老けたな、時澤サン……これでは最早「たん」などとは呼べないではないか!
炊屋姫とは後の推古天皇。日本初の女帝だという時澤に真田はビックリ。例のごとく「推古天皇って、女性なんですかぁ!!??」
歩きながらやや肩を落とす時澤。しかし気を取り直し「俺ぁ聖徳太子んトコに行く! 後でそこに来い」
……えーと、何つーか……
時澤サン、この1年の間に何があった??? 一人称が「俺」……
しかも何気にスゴイ台詞じゃないか「聖徳太子のトコに行く」って。
しかもしかもごくあっさりと、「んじゃ俺ぁあすこのバーのママんトコに聞き込みに行く!」ってな感じで言ってますよ時澤巡査は。
バーのママと聖徳太子が同次元。こ、これこそ時空警察だ!! 時空警察ならではの素晴らしい台詞だ!!
それはともかく時澤巡査、足早に聖徳太子の住む上之宮へと向かう。
妻に捨てられ、「もうこの世がいやになった」と落ち込んでいる太子。妻の残した幼子・山背皇子の泣き声が聞こえる。横に控える河勝…
一人にしてほしいという太子を残し、河勝はその場を去る。その河勝の前に現れる時澤。
様々な伎楽面が並ぶかなり不気味な部屋に入った時澤は、そこで河勝の秘密を暴く。
秦一族の源流は、中央アジアにある弓月国。そこにある面の一つ、胡王面……その胡の意味するところは、ペルシャ。
西の方から色々なものが、中央アジアに流れてきた。河勝が伝えたとされる伎楽のルーツは、西アジアにある……
そして、西アジアのパレスチナ地方で生まれたのは、キリスト教。シルクロードを伝わって中国に入り、景教と呼ばれるに至る。
「貴方は、景教徒ですね」確信をこめて言う時澤。そして河勝はそれを肯定した。
どうやら、28年後の河勝が言った天下の大事とは、このことに関わっているようだ。
一方、真田は炊屋姫の屋敷で、物陰からこっそりと炊屋姫と馬子の様子を覗っていた。誰を天皇とすべきか問う馬子に、炊屋姫は自分の息子・竹田皇子を推す。しかし馬子はそれでは世の中が治まらないという…
「では、どうするのです!」詰め寄る姫に馬子は言う。「貴方が、大王になられるというのは……?」
動揺する彼女に馬子はさらに言う。炊屋姫は敏達天皇の妃でもあったし、用明天皇の姉にもあたる。自分が後押しをすれば、誰も反対は出来ない……そして実際の政は、厩戸皇子(聖徳太子)を摂政にして彼にさせれば良いと。
「そうしておいて、私と貴方の二人で国を……動かす!!」
で、そのまんま炊屋姫(=くどいようだが後の推古天皇)を押し倒す蘇我馬子。
真田、大動揺。
しかし、聖徳太子は摂政の要請を断り続けた。仏教を道具にして天皇すら支配しようとする馬子の野望が明白だったからだ。
上之宮、太子の部屋の前で河勝と太子の会話を聞く時澤と真田。そこへいきなり「馬子と戦う!」との太子の怒鳴り声。
しかし河勝はどうにかして太子を説得し、摂政を受けさせようとする。そして河勝、頼まれてもいないのにカミングアウト。「貴方は、この世の救い主……キリストスになるさだめの方なのです」
「河勝。お前は景教徒か!?」驚きを隠せない太子。
そして河勝が厩戸皇子の名の秘密を明かそうとした時、太子の母・穴穂部間人皇女登場。
母は語る。皇子の誕生が、キリストの誕生伝説と酷似していたことを(救世観音による受胎告知)。生まれたその子が救世主となることを願い、皇女はイエスキリストにちなんで皇子に厩戸の名をつけた。そして皇女は自分もまた景教徒であることを明かす。
仏教を巡る戦いに太子が参加し、自分の弟二人の殺害に手を貸したことに、皇女は非常に心を痛めていた。そして皇女は太子に、摂政を受け、表向きは仏教徒として景教の教えをその中に込めるよう願うのだった。そして…
太子「景教の教えとは、何なのですか」
皇女「愛です。愛の力で病を治し、心を救うのです」
……家系図とにらめっこして一生懸命漢字変換してレビュー書いてるのが何だか非常にバッカバカしくなってきたのですけど、もう打ち切っていいですか? あ、ダメ……ハイ。
時代の空気感の表現、まぁそれは別に問題なしとしても……(やはり寒々しい空気がきちんと表現されているのはイイ。登場人物の吐く息が屋内でも白いのは実に印象的。つーか古代の空気の表現って…)
安い。古代キャラの服装・装飾が特に。派手派手しくしたいのは分かるけれども、どうにも派手にしすぎて逆にひどくチープに見えてしょうがない。中でも女性キャラの頭!! 装飾が派手な上に重そうで、それでいて炊屋姫と穴穂部間人皇女の見分けがチラ見では難しいってのはヤバイのでは。本放送時炊屋姫=穴穂部間人皇女なのかと思った私はアホですか?(;´д`)
そして、肝心の話の軸である聖徳太子が、果てしなく安く見えるというのは致命的。part2のマリリンのように、冒頭から既に本人は死亡しているがその周囲の人物を描くことでよりその人物を印象的に浮かび上がらせるという演出だって出来たのに、中途半端に出して喋らせているせいで台無し。マリリンのように資料が多く残っているワケじゃないから仕方ないのか。さすがに時空警察と相対してベラベラ会話するってことはなかったが、それでも……しかも、常にしかめっ面で怒っているような印象ってのは「和をもって貴しとなす」の聖徳太子のイメージからほど遠いのでは……
そしてトドメが上の「愛」云々。
ともかく時澤と真田は太子暗殺の日(推古二十九年(六二一年))に戻る。斑鳩宮に安置された太子と妃の遺体、そばに控える河勝。そこへ時澤&真田が再び現れる。
じっと悲しみに耐える河勝、そこへ時澤は一応前置きした上で、「貴方が密告したのではないでしょうね?」
このいきなりの時澤の質問に河勝は勿論、真田までビックリ。秦一族が景教徒であることを知られるのを恐れて、秦一族を守る為にというのが時澤の言い分だが……時澤の癖にドス効かせすぎだ(;´д`) part1の時澤がどうだったのかイマイチ覚えてないのでpart1と違うのかどうかはよく分からないが、少なくともpart2とは全く違う!! 髪型といい性格といい、一体この1年で時澤たんにナニがあったーーーーーっっっっ!!?? 半蔵軍団に襲われた時に全く戦力にならなかった時澤たんが好きだったのに、捜査ファイルで顔隠しつつびくびく拳銃構える時澤たんが好きだったのに、その拳銃をまんまとサクラに強奪される時澤たんが好きだったのに! 畜生返してくれようあのヘタレな時澤たんを!! 広瀬様といい時澤たんといい山神サンといい、前回と今回で性格改変しすぎだろ!!
そんな時澤に河勝は言う。自分と太子は深い絆で結ばれていた、と。その証拠は、太子が河勝に授けた弥勒菩薩半跏思惟像。
弥勒の指の形(親指と薬指の先を合わせて三角を作り、他の3本の指を伸ばしている)は、実は景教の三位一体を示している。中国西部・敦煌で発見された景教大司教図には、同じ指の形をした聖職者の姿が描かれているのだ。
「太子が私に、この仏像を授けてくれた意味が分かりますか。私が太子を密告するなど、絶対に有り得ません」
TV版で河勝と時空警察が初めて遭遇した時にあった三柱鳥居(広隆寺の傍の木島神社に実物がある)も、実は三位一体を表しているという説がある。
(ブルーシード好き及び日本神話好きにとっては見逃せない記述もノベライズ版にはある。木島神社の正式名は木嶋坐天照御魂神社、さらに三柱鳥居の立つ場所は「元糺の池」。糺すとは「穢れを糺す」、つまり「禊ぎ」の意味)
河勝の容疑は晴れた。残る容疑者はただ一人、蘇我馬子。
年老いて病に冒されていた馬子は、呆けたように仏像を眺めている。そこへ現れる時空警察。何故厩戸皇子が景教徒だと分かったのか、時澤は尋問する。それに対し、馬子はギリシャ正教型の十字架を差し出した。これを膳部郎女が持っていたという……景教徒の印以外の何物でもない。
ええと、印かどうかはともかくとりあえず何とかならなかったのでしょうかそのショッキングピンクのネックレスは。
馬子は仏教を国家の宗教にするつもりだった。「厩戸の企みを許すわけにはいかな〜い♪」<本当にこういう口調だった。今回の全エピソード中で最も際立っていたなこの馬子のヒールっぷり狂いっぷり。
「でもっ、推古天皇は!!」あまりの専横っぷりにキレた真田が思わず叫ぶ、しかし馬子のキレっぷりは真田の遥か上。目をくわっと見開き前を仏像を見据えたまま「景教とっ、神道はっ、相容れないっ! 厩戸を許す、筈がな〜い!!♪」手をわたわた振りつつ叫ぶ馬子。しかし蘇我馬子をここまで悪役にしていいものか。
そんな馬子に、時澤は静かに言い放つ。「イエソス・キリストスは、一度死んでから復活した。生き返った。
厩戸皇子も、必ず復活します。……必ず」
……これで髪型がpart2のままだったら、時澤たん超カコイイ萌え萌え〜♪でヒンデンブルクショックがもう少し和らいだ筈なのに(つд;) 年明けの今泉SPでは元の西園寺君のままだったのに、何故年末の時空警察ではあの髪型? しかも、顔の筋肉を動かすたびにヅラが動いているように見えるので気になってしょうがない。
やってること言ってることが西園寺君を超えるカッコよさだけに、実に非常に激しく違和感。
「う゛あああああああぁ〜ぁっあああああああああああああ゛あ゛あ゛っ、あっ、あ、ふぁっは、は、はははははははは、ははぁあっひゃっひゃっヽ(lll゚∀゚)/」
馬子、遂に発狂。復活するだろう聖徳太子の幻影を見た途端にコレ↑。多分今回の敢闘賞は確実に馬子、つか鶴見辰吾だろう(MVPは当然山神だが)
そして締め。現代時空班に戻った時澤&真田に、北条管理官「で、聖徳太子は復活したのか?」
即、笑顔で自信満々に答える時澤。「しました!」
その説明↓
法隆寺では太子の死後、太子像を用いて擬死再生、すなわち一度仮の死を経て再生、復活させる儀式が行われたという。そして現在もなお、太子の死を悼む法要(=聖霊会)が続けられている。
で、死亡時期が二通りある理由>法隆寺では、推古二十九年に暗殺された聖徳太子が復活したものとし、天上に昇った日を1年後の推古三十年にしたのだそう。
うん、強引すぎ。
それと、それほど自信満々に復活したとか言うなら復活後(推古二十九〜三十年)の太子をきちんと肉眼で確認したのでしょうね時澤サン。
仮説にすぎなかった聖徳太子暗殺、その現場をいきなり冒頭からあれだけ派手に出したんだから、そんなら復活現場だって堂々と出してくれたっていいでしょう時空スタッフさん。
それと何といっても、この説明にあっさり「おぉ〜」とか納得して歓声上げるな時空班!!
真田が毅然として時澤の説明を引き継ぐ。聖徳太子伝暦とキリスト伝説の類似点の報告を始める真田。「頑張れ!」と時澤がこっそり呟く。
さて、捜査の最後では馬子を怒鳴るほどに成長した真田君。その成果を見せることが出来るか?
……
……
うん、そうですね、確かにキリストと聖徳太子は受胎告知から馬小屋に関わる誕生から病の治療から最後の晩餐までかなり似ていますね、「和をもって貴しとなす」その精神は現代日本まで受け継がれていますね、最後の光の中の太子の姿やっぱり安いですね、でもね……
それを真田本人に説明させなくてどうするよ。
それこそが真田の成長した証であって真田の唯一の見せ場だろう!
ナレーションに全部任せてどうするよ!!
時澤の「頑張れ!」がアホだよ!!!
「これは、秦一族の水面下の努力が、実を結んだ結果です」最後のシメだけやられても。
で……
北条管理官「真田巡査……時空班捜査一課、合格!!」そして、時空班に響きわたる拍手の嵐……
……草薙さん……助けて、心が寒いよ……
一番寒かったのは勿論、満面の笑顔で拍手しやがっておりあまつさえ「良かったなー♪」などとほざいておられたかの御仁でおい広瀬放課後体育館の裏に来い。
さてさて聖徳太子エピソードも終わって遂にラスト! 真珠湾攻撃! 遂に来ました!
冒頭で展開される真珠湾攻撃、日米開戦のあらまし。しかし、これは本当に奇襲だったのか?
フランシス・パーキンス労働長官(当時)の証言によると、時の大統領ルーズベルトは、攻撃の二日前に「日本の艦隊が北にいるかもしれない」との発言をしている。確かにその日、真珠湾に向かった日本の機動部隊はハワイの北にいた。日本軍は徹底した無線封止を行なっていた為、アメリカがその存在を知る術はない筈だ。
ルーズベルトは何故、日本の機動部隊の位置を知っていた? そして何故それを、ハワイに伝えなかった?
捜査会議で真珠湾攻撃の謎を語る山神警部補。彼は会ってみたい人物がいるという。
ハリー・ホプキンス。24時間ルーズベルトの傍に仕える大統領顧問──目的のためなら手段を選ばない策略家。大統領の信頼も厚く、ルーズベルトの陰の半身とまで言われている。大統領を操る黒幕的存在──彼なら全てを知っているはずだという山神。
北条管理官は山神に風間を同行させ、捜査を許可した。そして真珠湾攻撃の2日前、1941年12月5日のホワイトハウスに時空移動する山神&風間。
ホプキンスの部屋では、彼が一人でチェスをやっていた。そこへ現れる時空警察。ホプキンスは「ちょうど、チェスの相手を探していたところだ」しかし言葉は呑気でも、その目つきは鋭い。
山神は、閣議での大統領発言(=「日本の艦隊は北にいる」)の根拠を問う。痩せた身体をゆっくりと起こし、ホプキンスは山神たちの様子を窺う。探るような表情のホプキンス、「君たちは日本人だな」
に対し山神「私たちは時空警察です」ついで風間「歴史の真実を知る権限を持っています」
「未来からやってきたというわけか」とホプキンス。さらに問う山神に、彼は明かす。日本の外務省の暗号はアメリカ側に筒抜けだが、海軍の暗号は解読できていない。ならば何故、艦隊が北にいると知っているのか?
ホプキンスは妙に邪な笑みを浮かべつつ言う。「無線だよ」 太平洋、ハワイの北の海域において日本海軍の出すと思われる4メガサイクルの電波をアメリカはサンフランシスコ(海軍情報部)でキャッチしていた。そしてその情報は大統領にも伝えられていた。
ヨーロッパでのドイツとイギリスの戦争が激化し、英国首相チャーチルからルーズベルトには連日、支援要請の電話がかかっていた。戦争不参加の公約を掲げていたルーズベルトにとっては、国民が立ち上がるきっかけが必要だった。
ホプキンスは驚くべき台詞を放つ。「このままハワイを攻撃してもらいたいんだがね。それが、今の戦略だ。全く、渡りに舟だよ」
山神は大統領との面会を要請。「ひとつだけ、直接会って聞きたいことがある」
「君たちは時空警察なのだからね。ご自由に」とホプキンス。立ち去ろうとする時空警察……
ここで風間が動く。何をするのかと思いきや、チェスの駒をバンバカ動かし「チェックメイト(はぁと)」
そしてキングを奪い去って出て行く風間。広瀬様にタメ口きいた傲慢ぶり何気に健在。
何故日本艦隊の存在をハワイの陸海軍に知らせないのか、大統領ルーズベルトを尋問する山神と風間。「そんなことをしたら、元も子もなくなるじゃないか」とルーズベルト。ハワイにはスパイが大勢いる。現地で警戒していると分かれば、日本は攻撃を中止する可能性がある。ヨーロッパを、民主主義を救う為に、ある程度の犠牲は仕方がないとルーズベルトは言う。
思わず風間が詰め寄った。「ある程度の犠牲や損害ですむと思ってるんですか!」
しかしルーズベルトは落ち着いていた。日本に出来るのは、10隻程度の潜水艦による攻撃だと断言するルーズベルト。
そこで山神が「何故、潜水艦なんですか? もし、潜水艦じゃなかったら?」さぁ来た来た山神暴走!!
「もし、空母だt」「山神さん!!」慌てて止める風間。やっちまいました山神、どうやらルーズベルトもそれを聞き逃さなかった模様。
しかしルーズベルトは大笑いしつつ否定する。
確かに真珠湾攻撃の3ヶ月前に、日本の攻撃の詳細を正確に予測した報告書があったのだ(ファーシング大佐の報告書。6隻の空母と400〜600機の攻撃機で、ハワイオアフ島を早朝、奇襲攻撃するとの内容。実際の機動部隊の攻撃とほぼ一致)。だが、現実離れしすぎ、日本に出来るはずがないとされ、ホワイトハウスには無視されている。
場所は変わってホワイトハウス内階段。杖をつきつつ歩くホプキンスに再び尋問している山神&風間。「あの報告書は、日本海軍が我々と同じ能力を持てばという仮定を前提に書かれている。我々の誰一人として、日本人にそんな高度な能力があるとは思っていない!」とホプキンス。えーと、時空エレベータがあるのはどこの国だろうね?
「日本人には、出来ないと?」と山神。に対しホプキンス「だいたい日本人は近眼で、銃で狙いをつける時、片目を瞑れないというではないか(仕草つきでやってみせるあたりが憎憎しくてイイ)」
「そんな下等なイエローモンキーどもに、あれほど高度な作戦を、実行できると思うかね!!??」目を見開いて怒鳴るホプキンス。で、風間の眼鏡をチョイとつついてほくそ笑む……むっとしながらも黙っている風間、しかし山神は大激怒だ!!
階段上でいきなりホプキンスの首を絞める山神!! 「山神さん! 今が1941年だということを忘れないで下さいっ、山神さん!!」止める風間、しかし山神の怒りはおさまらない。さらにホプキンスを羽交い絞めにする山神、遂に衛兵に拳銃を向けられる。
銃口を見てようやく冷静になり、両手を挙げる山神。「分かってる…これが、1941年の現実だということがね」
えーと、1937年にヨーロッパの豪華飛行船にタダで乗り込んだイエローモンキーがおりましたが。
しかもそのイエモンは堂々と船内を歩き回り、ソファに腰掛け堂々と脚組んじゃったり、ドイツ軍大佐とのんびり煙草を吸い、しまいには欧米出身の美少女を口説き倒していたのですが。
あとそれからついさっき、イエスキリストと古代のイエローモンキーが一緒くたにされて語られてもいたなあ。うん、やっぱり面白いですね時空警察って!!
所変わってホワイトハウスのベランダ。ようやく落ち着くホプキンス、まだ後ろにいる山神と風間。
山神「貴方が、大統領の陰の半身だということがよく分かりました」ホプキンス「我がアメリカが世界の覇権を握るための第一歩なのだ。君たちの時代は、そうなってはいないかね?」
言い捨てて立ち去ろうとするホプキンスに、風間が声をかける。「歴史が変わったら困るから……お返しします(はぁと)」 別に無理やり印象的っぽい台詞をくっつけんでもよろしい。
でも、何か今回風間いやに優等生じゃないか? 咳き込むホプキンスを介抱したりしてたし。やった事といえばチェスを滅茶苦茶にしたのと山神の抑え役だけだが。
でホプキンスが去った後、風間がもう一つの謎を提示する。日本の機動部隊は完全に無線を停止していた筈なのに、何故攻撃間近になって連日、太平洋上で電波を出していたのか?
サンフランシスコで受けた電波は4メガサイクル、つまり4百万サイクル。それは日本では4千キロサイクルと呼ぶ。
「日本海軍が、全艦隊向けの送信に使っていた電波だ!」山神が看破した。
日本海軍の送信所は千葉の船橋にあった。艦隊に向けての命令はそこから、4千キロサイクルの短波無線で送信されていた。サンフランシスコで受けとられた電波の正体はそれだった。船橋とサンフランシスコは太平洋を挟んで、ほぼ同じ緯度にある。距離が遠かった為に測定に誤差が生じ、無線の発信地点を船橋ではなく太平洋上に特定してしまったのである。
しかも偶然にも、日本の機動部隊はハワイ目指して、その場所へ侵攻中だった。測定は間違っていたが、ルーズベルトは結果的に正しい情報を入手していたのだ。
ここでホノルル警察情報局長ジョン・バーンズの証言テープが公開される。FBIホノルル支部長のロバート・シバースとの会話について語ったものだ。それによると、
バーンズ「シバース警部がある日、私を呼んだ。戦争の始まる1週間前だった。『ドアを閉めろ』と彼は言った。『俺の部下には言わないつもりだが、君には話しておこう』『我々は一週間以内に攻撃される』
そう言うシバース警部の目には、涙がにじんでいた」
聞き手「ちょっと分からなくなったのですが、シバースはFBIの人ですか?」
バーンズ「ロバート・シバース、FBIの主任だった人だ」
FBIに命令を下せる男、それは大統領以外にはいない。つまり、ルーズベルトは知っていたのである。
「信じがたい歴史の偶然だ」と山神。「ホワイトハウスは今、息を殺して日本が仕掛けるのを待っている」
「悲惨な結果が待っているとも知らず…」「日本を、見くびっていたとはね」
そして山神は語り続ける。「追い詰められた日本は、アメリカの想像を超える力を発揮してしまったんだ」
沈んだ表情の山神に対し、風間はサバサバしている。これで、ルーズベルトが日本軍の動きを知っていた謎、そして何故ハワイに知らせなかったかの謎も解けた。任務は完了したのだ。
そして遂にキタ、全エピソードまとめとも言える時空警察part3クライマックス。
夜のホワイトハウス。ベランダで話す山神と風間。
「昨日、妹の夢を見た」どこか呆けた口調で語りだす山神。彼より2つ年下のその妹は、長崎の原爆により5歳で死亡したという。
「俺のせいで死んだわけじゃないが、時々妹の声が聞こえてくるんだ……夢の中から、お兄ちゃあん、って。さっきも、聞こえた……」
どうやらいつのまにやら山神警部補、さっき捜査したものとは別の種類の電波に犯された模様。そして……
「俺たち時空警察は、歴史を変えてはならないって言われてるが、もし今、戦争を止められたら……いや、少なくとも1年か2年でやめさせることが出来たら、妹だって死ななくて良かったんだよな」
「お気持ちは分かりますが、私たちの仕事にとってそういう個人的感情は禁物です」何とか感情を抑えているといった口調の風間。だが、その言葉が逆に山神を刺激してしまう。
「個人的感情ぉぉ??」声を荒げる山神。「何を言ってるんだ! 俺の気持ちはそんなんじゃない!!
今止められたら、長崎で死んだ7万、広島で死んだ14万、いや、太平洋戦争で死んだ何百万いや1千万いや2千万の命が助かったのに、って言ってるんだ。君はそういう気持ちになったことはないのかっ、1千万の人間の命だぞ!!」
「でも、歴史は変えられないんです! もうそれは終わったことだから……死者は、蘇らないんです」
マリリンや父親のことを思い出したのか、風間もかなり感情的になりつつあります。このへんブラよろ調で漫画化したら面白かろうなぁ。1ページまるまる使って黒オーラを背に眉間に皺寄せまくって叫ぶ山神、半ページほど使って風間の顔面アップ「もうそれは……終わったことだから……」さらに残り半ページで風間の涙目アップ「死者は……」「死者は、蘇らないんです……!!」
……何だかまざまざと目に浮かぶ(;´д`)
首を振り続ける山神。「それはおかしい。それはオカシイ」 オカシイのはお前の頭だと突っ込め風間。
「さっき気がついたんだ。歴史というものが終わってしまったもので変えられないのなら、何故我々時空警察に歴史を変えてはならないという掟が課せられているんだ?」
そして完全に向こうの人になっちゃった目で風間を見据えて
「実はね……変えようと思えば変えられるからなんだよ! 君ぁそう思わないか?」
おじいさんは山へせんたくにおばあさんは川へしばかりになどとそのまま続けられても何の違和感もない山神の口調に表情に台詞。
「歴史は一つです。時間は一つなんです! 変えることなどできません!!」今にも泣き出しそうな風間。山神の前だと随分しおらしくなるもんだ。ちゃんと敬語使ってるし。しかし……
「ち、が、うんだよ風間君!! 考えてもみたまえ。う、宇宙がぁたった一つなんて、誰が証明できるんだ?」
始まりました多元宇宙論。山神、滑舌までヤバくなってきております。「もう一つ別の宇宙がぁどこかにあったら、そこには、その宇宙の時間がある。無数の宇宙があったら、無数の時間があることになるんだ!」
風間の目つきが、異常者を見る目つきに変わっています。にも気づかず恍惚として喋り続ける山神。「そうなんだよ、変えられた歴史は、どこか、別の宇宙にワープして、そこの宇宙の時間で生き返るんだ!!
俺の妹だって、そこでは、別の人生を生きることが出来るかも知れないんだ」
そして不意にくるりと背を向ける山神。ホプキンスに、潜水艦ではなく機動部隊がハワイを襲うことを教えてくるという……
「潜水艦なんかじゃない、6隻の空母に乗った350機の攻撃機が、パールハーバーを襲うんだ!!」
そして、こんなところで始まる時空警察のテーマ。BGM選択間違ってるだろ!! そこだったらやっぱりBlackHistory、by菅野よう子だろ!! (スミマセン今ちょうど∀ガンダム聴いてるもんで)
「そんなことっ!! なにいってるんですか、奇襲は行われるんですよ!!」台詞が判らんほどに必死で絶叫し猛然とむしゃぶりつく風間、だが逆に山神に両肩を押さえられる。「今知らせてやれば、アメリカは反撃できる。奇襲は成功しない。初戦に負けた日本は、どうやって戦いを収めるか真剣に考えざるを得なくなる。
それでいいんだ! それで助かる人間が何百万といるんだぁ!!」
風間を振りほどこうとする山神、「やめて下さい!」連呼しつつしがみつく風間。part1の篠原涼子やpart2の風間だったら絶対その場で撃っていたと思うが、今回の風間は優等生でしかも人間臭くて妙に好感が持てる。やった事はチェス攪乱と山神抑止だけだが(<シツコイ)
しかしそれでも山神はホプキンスのもとへ行こうと、壁に這いつくばって叫ぶ。「真珠湾攻撃に成功した日本は自信過剰になり、おごり高ぶって戦争をやめる時期を見失ったんだ!」「掟を破れば、山神さんがこの世から消失してしまいます!!」え、そんな懲罰が……この世から消失というと、周囲の人間の記憶からも消失? 当然自分の生きた証も消失? part2のペコちゃん人形の如く? いわゆる死刑より残酷な刑ってヤツですか?
「俺一人の命で1千万が助かるなら本望だぁぁぁぁ!! 行かせてくれぇぇぇ!!! あの夢が○×£〒♪∀$ゞ℃△д;!!!!」
うん、そうだなぁ、撃たなくともいいからとりあえず風間さん、ぶん殴って気絶させてそれから対処方法考えようよ。
しかしどうも今回の風間は優しすぎるのか、山神を殴ることも出来ずその代わりポケットから携帯電話を取り出し、現代時空班へ緊急電話。出たのは伊能だが、ノベライズによれば風間はこの時動揺しまくっていて相手が誰だか分からなかったらしい。常に冷静沈着の設定もこれではムナシイなぁ┐(;´д`)┌
殆ど泣き叫ぶかのような風間の声に、伊能はすぐに事態を察知した。「何だって!?」 一斉に振り向く時空班一同。ただならぬ伊能の様子に、何か調べ物をしていたらしい広瀬様と時澤も顔を上げます。
「歴史を変えられるはずだといって、山神さんがっ……このままでは歴史が変わってしまいます!」と風間。
伊能は電話を北条管理官に代わる。騒然となる時空班。その中でも動揺が他の捜査官より大きいのか、そしてやはり思い出してしまったのか、広瀬様のカットが多めでかなり嬉しい。こんな所で微妙な出し方するくらいなら他にやるべきことが山ほどあったんじゃないかと突っ込みたくもなるが。
「非常事態です!」時空エレベーターを作動させて、大至急現代への緊急避難を懇願する風間。了解した北条管理官は即、オペレーターのお姉さん小谷巡査に時空タイプライターへの入力を開始させる。いつもは実に冷静に打ち込んでいる小谷巡査もこの時ばかりは著しく動揺、さらに伊能が「早く二人を脱出させるんだ!!」などと小谷巡査を怒鳴りつける。そして情報処理の専門家真田の20倍ぐらいのスピードで入力を始める小谷巡査。その間にも電話口からは「早く!!」と風間の悲鳴が。いいから殴れよダメなら撃てよ。
作動する時空エレベーター。過去の様々な日本の、世界の歴史がフラッシュバックする。ベルリンの壁崩壊、大坂城炎上、微笑むマリリンモンロー、わめくヒトラー、アポロ月面着陸、王のホームラン世界記録、学生運動の激化。羅列される資料映像の嵐の中にはしっかりヒンデンブルク号爆発墜落炎上まで入っている。せっかく忘れてたのに思い出させないで! こんなイヤなこと、もういらないの! もうやめて! やめてよおおおお!!
そして全員からせきたてられた挙句に遂に小谷巡査、タイプミス。そして何故か打たれていた時刻は、
2001年9月11日。
で、当然山神と風間が強制時空移動させられた場所は、ニューヨーク。息を切らせている二人が振り返ると、そこには随分急造仕様ないかにもアルミ製っぽい双子のビルの模型世界貿易センタービルが。
何が起こったのかまだ判然とせず、呆然として見上げる二人。しかし山神は察知する。「まさか……」
そして、突っ込んでくる白い飛行機。爆発、炎上するビル。
「パールハーバーと、同じことが起こってしまった……」殆ど泣き声の山神。
そして語られる、真珠湾攻撃直後のホワイトハウス。
予想を遥かに超える真珠湾の被害に、ルーズベルトは絶句したという。報告を受け茫然とするルーズベルトの横で、怒るホプキンス。軍事国家から民主主義を守ることを大義名分に、アメリカは戦争へと突入していった。
「そして──歴史は動き出す。
そして──歴史は繰り返す。」
このナレーションと共に、太平洋戦争、湾岸戦争、そして現在のイラクの戦争が描かれる。炸裂する原爆、倒壊するフセインの銅像。廃墟となった長崎、崩壊した教会のマリア像。
山神の台詞・行動により時空班のみならず視聴者までが大混乱しネットが大爆発したのはご承知の通りだが、TV版ではそれの意味するところははっきりと言葉では表さず、映像だけを提示している。つまりこのエピソードが最後に言いたかったことは、実は明確には示されてはいないのだ。
そりゃあはっきりと「アメリカはアラブ諸国を攻撃する口実の為に、9.11の同時多発テロを予測していながら見逃したのでは?」などとTVで堂々と言っちゃったら、いくらドラマとはいえ相当に問題だ。第一根拠が全くない。よって、資料映像の羅列と山神の台詞での表現にとどめておくしかなかったのだろう。
いや、あの映像と台詞だけでも相当にヤバイ。賛否両論が巻き起こることは確実だ。しかし、敢えてそれを製作し放送しちゃった時空警察スタッフそしてプロデューサーの勇気には素直に拍手を送りたいと思う。
ドラマ自体は凡作だが。山神暴走&「真珠湾=9.11」だけで話つくっている気がするし。
ノベライズではこのシーンの意味を、風間がものすごくはっきりと解説してくれちゃっているので興味のある方は是非。そこまではっきりと言うか……
そして時空班に戻り、北条管理官に頭を下げる山神と風間。「よく、帰ってきたな」と北条。「報告を聞きたい」うなずく山神&風間。
やがてスタッフロールが流れ……時空警察捜査一課part3、遂に捜査終了。あー疲れた疲れた。
……って、あれだけの騒ぎ起こしてお咎めなしかよ!!
風間がいなかったらどうなってたと思ってるんだ北条!! つーか山神ってpart1じゃ退職間近って設定じゃなかったか? なのに義経助けようとするわ忍者ぶった斬るわ家康の偽物生きながらえさせようとするわ、しまいにゃ太平洋戦争をなかったことにだと!?
それでもpart2まではまだ山神は良かった、オッサンの渋さと冷静さと、オッサンならではの熱さがあった。しかし今回の山神はヘタするとただの定年どころかボケ間近な電波ジイさんだろ!!
そして最後の最後まで切なる願いをこめて見ていたが、結局広瀬様には何のフォローもなし。足りないところはこれで補完してね♪と言わんばかりにエンディングに出てきた、申し訳程度のノベライズの宣伝……怒り倍増。
どうせそんな宣伝するなら最後に広瀬様と時澤さんと真田君出して
時澤「でも広瀬さん、本当に一体どうやってヒンデンブルク号から脱出したんですか?!」
広瀬「(ポケットに手突っ込んだ例のポーズでごくごく冷静に後方を示し)今、真田が読んでるよ♪」
時澤「えぇ?」振り向く時澤。そこには涙流しながらじっとノベライズを熟読している真田の姿が。
ぐらいのミニコントは欲しかった。いや、これはこれで虚しいか……多分某実況掲示板じゃ「イラネ(゚听)」の嵐だろう。
時空警察part3、その総括としては、
とりあえずドラマの壊れ方にも色々あるのだなぁということを学べただけでも良かったのではないでしょうか。
それぞれのエピソードを簡単にまとめると
忠臣蔵>前回までの映像の精密さをド忘れしてただストーリーを繋ぐことに終始、結果中よりちょっと下な出来に
ヒンデンブルク>重要シーンを根こそぎカットカットカットの嵐、しまいにはドラマ的には絶対不可欠最重要の脱出シーンを丸ごとカット。史上稀に見る論外なドラマ。
聖徳太子>時代が時代なので致し方ないかも知れないが根拠も論拠も証明も強引すぎて説得力に欠ける、しかし他が他だった為に相対的にフツーな良作。
真珠湾>最後の壊れた山神&9.11だけが全て。ドラマとしては、インパクトのみを狙った駄作と言わざるを得ない
で、キャラそれぞれのpart3での変化をまとめると
伊能>ちょっとキザで、でも熱血で暴走しやすい男→→今回はごくフツーに冷静に捜査。ごくフツーの人に。
広瀬>皮肉屋で冷めててそれでもいざという時は真面目なキレ者→→何気に大ミス連発の上、道ならぬ恋に目覚めて暴走。しかし全くの無力。結果、冷めてるふりしてるけど実は意外にマヌケ、その上惚れっぽい無駄な熱血野郎に(つд;)
時澤>180度とまではいかないが150度ぐらいは人格改変された。ヘタレだけど真面目に頑張る可愛らしい刑事さん→→何から何まで完璧、惨殺死体見ても眉一つ動かさない、オッサン臭さ全開刑事に
風間>広瀬様を鼻で笑い顎で使いやがる超傲慢新人女→→山神を必死で阻止する、人間味のある優等生に
山神>ちょっと情にもろい、昔ながらの刑事魂の持ち主→→電波受信暴走爺
歴史考証については私めは相当のド素人なので詳しい方にお任せするしかないのですが、やはり聖徳太子のエピソードに関しては相当な強引さは否めないかと。冒頭からいきなり暗殺描くのも強引、聖徳太子=キリシタンという結論も強引、しかも太子≒イエスキリストみたいな描き方までしていた。
ホンが壊れ、演出が壊れ、キャラが壊れ、目玉である筈の歴史検証まで説得力に欠け、最後には多分意図的に全てをぶち壊した時空警察part3。
やはりヒンデンブルクのエピソード大崩壊が引き金になってしまったのか……え、まだ言うかって? ええ勿論何度だっていつまでだって言ってやりますとも広瀬様の受けた精神的外傷の治癒を確認するまでは何度だって!!
時空警察part3見てから色々他にもTVドラマ見てますが、あれ以来妙に整合性がなく説得力がなく魅力もないドラマが目立ってきたように思えるのは私だけか? ブラよろSPといいプライドといい砂の器といい。今の朝ドラもひどいという話だし(一度だけ見た。ヒロインが旅立つ父親に向かって絶叫のエールを送るというシーンがあったのだが、滑舌が悪すぎて何を絶叫しているのだかさっぱり分からず朝っぱらから?!?!?△◎〒⊥д;?となった覚えがある)
part4への期待についてはまた後日書こうと思います。