時空警察捜査一課・part5
〜拉致です! 恥です? 史上最悪悪魔ドラマの真実〜

 

 

(大爆走の秀吉編はこちら

 

 

レビュー書こうと思って竹中玄役松尾敏伸氏のスレ見たら、どうも松尾氏は顎関節症だったらしい。

 

 

秀吉編が終了し、もう今後二度と見られないであろう広瀬さんの大暴走っぷりを堪能したところで来ました、ヒトラー編。え、まだあったの?
そういえば放送前までは秀吉編どうでもいいからとっとと広瀬さん大活躍であろうヒトラー編見せてくれとか思ってたなぁ。インタビューでも言われていた広瀬さんの内面が描かれるのもヒトラー編だろうと思いこんでいたしなぁ。
しかし当然、秀吉編見た直後はヒトラー編の存在すっかり忘れてました。そうそう、新人イケメン竹中巡査もここで登場だよなぁ〜どんな性格なんだかは公式には全く出てなかったけど、うざくない程度に乱闘要員になっててくれればいいか♪

 

まさか性格なんかどうでもよくなるほどのアレだなどとこの時点で誰が……いや、後にしましょう。

 

20世紀を地獄に変えた、史上最悪の独裁者・アドルフ=ヒトラー。世界征服を企んだヒトラーは第2次世界大戦を引き起こし、ユダヤ人の大量虐殺、ホロコーストを行なった。犠牲になったユダヤ人は600万人を超える。
ヒトラーは何故、ドイツ国民の圧倒的な支持を獲て独裁者になったのか? そこには謎に包まれた、一つの事件があった──その事件とは、1933年2月27日、ベルリンで起こった国会議事堂放火事件。
この事件で逮捕されたのは、マリヌス・ヴァン・ルッベ。共産党員の青年だった。ヒトラーはこの事件を口実に、共産党員の逮捕を命じた。これによって、ヒトラー率いるナチス党は国民の支持を獲得し、ドイツの第一党となる。ここに、ヒトラーの独裁体制は確立したのである。

本当に国会議事堂放火事件は、共産党員の仕業だったのか? 真相は謎に包まれている──

 


って、時空警察の今までのパターンからすれば何を結論とするかはこの時点で見えてしまってるんですが、まぁ先を急ぎましょう。風間巡査と我らが問題児広瀬巡査部長が捜査報告中であります。

放火事件は、ヒトラーがわざと仕組んだのか? と結果をそのまんま言っちゃう山神警部補に、広瀬は答える。「実はこの放火事件を前日に予言していた、怪しい人物がいるんです」
そしてデカデカと映し出されるは、ヤン・エリック・ハヌッセンの写真。

 

……他の写真はないのかと視聴者全員が突っ込んだ、あまりにもオカルティックにすぎる一瞬を捕らえたハヌッセンの素晴らしい写真であります。
当時ハヌッセンは、透視や読心術、予言などを行なう有名な魔術師だった。ベルリンにある彼の「オカルトの館」には、政財界を筆頭にナチスの要人も大勢おしかけていたという。広瀬の指摘するとおり、ハヌッセンは事件の前日に放火事件を予言していたのだ。

 

「予言なんてたいていインチキに決まってる」と、ポケットに手突っ込んだいつものポーズで断定する広瀬巡査部長。part4で安倍晴明の起こす奇跡の殆どを黙認していた貴方が何を言い出すかと早くも突っ込みかかりましたが「管理官。今回の国会放火事件の裏側には、間違いなくヒトラーの陰謀が隠されているはずなんです!!」

伊能警部が相変わらず不在のおかげか、妙に張り切っている広瀬巡査部長であります。
しかし北条管理官が許可を出そうとしたその時!!

 

「待ってください」

 

………?? 何だ? 今の低音は? 
画面中で立ち上がっているのは確かにイケメン新人君だが……

 

「新人君。私の説明に何か文句でもあるの?」と風間。先輩にも同僚にも横柄な彼女だが新人にはさらに横柄になるようです。
しかしそんな風間を無視して喋り始めるイケメン新人君。

 

「確かに今回の国会放火事件は、ヒトラーの独裁政治が始まるきっかけになった事件だと自分も思います」

 

……篠原涼子を返せ戻せと思ったことは何度もあるが、まさかあの歴史オンチ真田巡査を返せ戻せと(しかも切望に近く)思う日が来ようとは夢にも思わなかった。

ま、冒頭に述べたような事情もあることなので、いろいろ言いたいのはとりあえず我慢して彼の意見を聞いてみましょう♪ 広瀬と風間をぐいと押しのけて、北条管理官につめよる新人君。よく見たら皮パン装備であります。
真田君の無邪気な寒いギャグが実に懐かしくなってきた瞬間でありますが、じっと我慢の子で彼の声に耳を傾けましょう。

 

 「しかし……時空警察なら、ヒトラーのもっと大きな謎を捜査するべきではないでしょうか」

 

レビュー書くときは怖いキモイ怖いキモイを36ポイント太字赤文字で連発し、イケメンが一気にキモメンになってるだの歩く核爆弾だのいやそれどころじゃなく既に声帯から放射能と爆風発射して歩いてるだの思いつく限りの罵詈雑言をかましてやろうとか思ってたのですが冒頭の事情もあることなのでって原因は他にもあるような気がしますが。

 

「ヒトラーが何故悪魔になったのか? その理由を探りたいんです」

 

あんたが悪魔だとか突っ込んでいないで我慢して平石アナか上田祐司か白鳥哲の声を頑張って脳内吹き替えして進めることにしましょう。

 

ヒトラーをつくったのは誰だ?

 


アドルフ=ヒトラーは1889年4月20日、オーストリアで誕生。勉強よりも絵画を好み、18歳の時ウィーン造形美術アカデミーを受験するが失敗。その後ドイツへ移り住むが、何をやってもうまくいかず、ホームレスのような状態にあったという。
1914年、第1次世界大戦勃発。25歳のヒトラーはドイツ軍に志願した。しかし彼は4年後の1918年10月、イギリス軍の毒ガス攻撃により目を負傷し、病院に搬送された。
そして、1918年11月、このパーセヴァルク病院で、何かが起こった。それまでコンプレックスの塊だったヒトラーがある日突然、政治家になる決意をしたのだ。
一体何が、ヒトラーを変えたのか?

 

「退院する時のヒトラーは別人のように変わっていました。この時ヒトラーの身に何が起こったのか、何がヒトラーを変えたのか……これこそ時空警察の捜査すべきことではないでしょうか?」

 

手にしている文庫本が何なのか全く気にならないほど凄まじい超音波重低音が新人竹中君から発されておりますが頼むから喋るななどと言わずに我慢しましょう♪ 他の捜査官の皆さんも渋い顔して我慢しております……

 

「だったら私もひとつ、気になることがあるんです」と風間。
1933年、ベルリンでヒトラーの絵を描いたある日本人画家がいる。彼の話を聞いてみたい、と語る風間巡査。
なんだか捜査が今回あっちゃこっちゃに分散する気がするが、管理官は構わず許可する。新人竹中には山神警部補が同行することになった。
しかし北条サンは全員捜査でヒトラーの悪事を徹底チェックとか言っていたが、伊能警部は? それから時澤巡査は結局ずっと会議室待機だったよな?

 

山神主任と竹中は1918年10月13日ベルギーへ時空移動。オペレーター小谷巡査もさっきのおめでたい着物じゃなくちゃんと制服に戻っております。やっと本来の、地道に辛抱強く粘り強く歴史改竄することなく捜査を続ける時空警察が戻ってきたか?

 

二人が到着したのは、ベルギーの小さな村。そこはドイツ軍とイギリス軍が激闘を続ける戦場と化していた。ここでヒトラーは負傷し、病院へ運ばれることになる。
そして息切れも激しくトロトロ走っているのは、29歳のヒトラー。遂に来てしまいました、時空警察版ヒトラー。
予想通り、part1であえてヒトラー本人を出さずにヒトラーの謎を追っていた広瀬巡査部長やスタッフの努力を全て無にしてくれるような、どうにもこうにも安上がりなヒトラーであります。ま、この頃はダメ人間だったそうだから、こんな感じでもしょうがないか……


砲弾が炸裂しまくる前線、必死で逃げ惑いながら銃を構えるのが精一杯のヒトラー。そこへ毒ガス攻撃が!
混乱する部隊、そこへ走りこんでくるはスーツ姿にマスク装備の山神警部補と、走る毒ガス竹中巡査!
平気で二人はドイツ軍の中へ飛び込み、ヒトラーを探す。そして……

「目が見えないィ! 助けてくれぇ〜!」

苦しみつつ叫んでいるヒゲ面の安いオッサンヒトラーを発見する山神たち。「こいつがヒトラーか」 竹中巡査、殺しそうな勢いであります。

 

 

そして舞台は1918年11月20日のパーセヴァルク病院へ。えーと、戦場に何しに行ったんだ山神さんたちは?
ヒトラーの治療を担当したのは、精神科医のエドムンド・フォルスター博士。早速山神と竹中はヒトラーに関する聞き込みを開始する。
ヒトラーは現在、目の治療を受けている。何故精神科医が、目の治療を? と問う山神。博士は、ヒトラーの目は既に治っているが本人が治っていないと思い込んでいるために見えないでいると答える。精神的な問題で様々な身体的症状を引き起こす神経症、ヒステリーの一種だという。

「ところで、時空警察はどうして、あんな平凡な男のことを調べているのですか?」と問う博士に、いきなり竹中が
「違う! ヒトラーは恐ろしい男だ、ヤツは……」

声だけじゃなく演技も顔も恐ろしく見えるとか情けない突っ込みは置いといて、とにかく話に集中しましょう。え、お前は集中できたのかって? 無理でした。

 

「未来のことは話してはならん。やめろ!」と山神警部補。元祖未来語りたがり屋&ついさっきもヘリつき機動隊島原転送実行犯だったあんたが言うな。
ヒトラーの診察に向かおうとする博士に山神はついていこうとするが、プライバシーに関わることなので博士は拒絶。竹中巡査、声さえまともならいかにも時空警察の斉藤英二郎という感じで普通に青くて元気な熱血純情新人なのだがなぁ……

そこへ車椅子で運ばれてくるヒトラー。目を押さえて号泣するばかりのヒトラーに、山神は茫然とする。「これが、ヒトラー……」
に対し、思わず博士につめよっている竹中。「先生! これは人類の歴史に関わる重大事なんです、協力してください!」
さっきの秀吉編の広瀬巡査部長が凄すぎ&今の竹中巡査の声も凄すぎでうっかり見逃してしまうところでしたが、早速時空法違反しかかっちゃってます竹中。しかし博士は「乱暴はやめたまえ!」と強引に二人を部屋から追い出す。

 

「力ずくで押さえ込んじゃダメなんですか!」と追い出された竹中、病院内で爆風を噴きまくる。えーと、こういう性格の人をそもそも時空班に置いたらダメだと思うんですが……
山神はやがて、部屋の中から聞こえてくるメトロノームの音に気づく。

 

やがて開かれる扉。そこには、「先生! 何もかもが新鮮に見えます!」
さすがはヒトラー、45秒で完治。何だこの安いヒゲは。
「君は生まれ変わったのだ」「ありがとうございます!」
信じられないと思いますが時空警察によればこれが独裁者誕生の瞬間らしいですよこの野郎。

 

どうやって治ったのかとの質問にも博士は、患者のプライバシーは教えられないと答える。ドアの前で悔しがる新人君。

 

 

一方、1933年2月、ベルリン。街角から姿を現すはヒトラー編のもう一つの爆弾・風間裕子巡査である。
ヒトラーが入院してから15年後。彼のポスターは街のあちこちにバンバカ掲示され、もはやすっかり第一線の政治家となっている。
ヒトラーを描いたという日本人画家とは?

この年の1月30日、ヒトラーは首相の座についた。ナチス党はまだ少数政党にすぎなかったが、ヒトラーは議会を解散し、議席を増やすべく総選挙にうってでた。
演説中のヒトラー、それに群がり熱狂を続ける人々。そんな中で一人、街の片隅でスケッチを続ける日本人がいた。彼こそが、風間巡査の探していた日本人画家、竹久夢二だった。
夢二はヒトラーの演説を見ながら、彼の似顔絵を描いていた。この場面、演説中のヒトラー本人は出てこずに群衆だけが描かれているが、どうせなら徹底して出さないでほしかったよ……part2じゃ本人出さずに見事マリリンモンロー描いてたのに、いったい何処からおかしくなった? やっぱりpart3か? あの安い聖徳太子か?! それともあの、カットされた脱出シー(以下略)

 

美人画で既に名をなしていた竹久夢二(1884〜1934)は、アメリカを経て1932年秋ヨーロッパに渡り、ベルリンの美術学校で日本画を教えて暮らしていた。1933年に彼がスケッチしたヒトラーの似顔絵が、彼の郷里・岡山県(夢二郷土美術館)に残されている。

深谷駅前ベルリンの街を歩く風間と夢二。何かどうもベルリンっぽくない建物が隅に映っていますが気のせいです。
「日本人である貴方から見て、今のヒトラーはどのように見えますか?」と風間。
「ヒトラーは大変危険な男です」と夢二は言う。彼の教え子にもユダヤ人が大勢いるが、皆ヒトラーが次に何を言い出すか、非常に恐れているという。ヒトラーが画家を目指していた件にも話題が及ぶが、夢二は彼の絵を、「たいしたことのない平凡な絵」と評していた。
「ただ、一つ気になったのは、彼の絵には人の姿が殆ど描かれていませんでした。まるで、この世から人類がいなくなってしまったような……薄気味の悪い絵でした」
メカは描けるが人物はダメだったというエヴァの庵野監督を連想させるエピソードですが、こういうことにもう少し突っ込んでいったら結構味のある話になったんじゃないかと思います。このあたりはまだまだ風間も普通で話も普通だったんだがなぁ……(新人君以外)
さらに風間は尋ねる。「何故、ドイツ国民はヒトラーを信じてしまったんですか?」
「ヒトラーは人の心を操る術を、実によく心得ています。前の大戦に敗れたドイツは今、どん底にあります。街は失業者にあふれ、国民は夢も希望もなくしてしまっている……そんな中で自信に満ち溢れたヒトラーの姿は、国民にとっちゃ英雄に見えるんでしょう」

 

夢二は日記に「ヒットラァが何を仕出かすか心がかりではある」と書き記している(「夢二日記」一九三三年三月二十一日)。夢二はヒトラーの行動を、既に警戒していたのだ。
そして風間の携帯が鳴る。展開・内容からして相手はおそらく広瀬巡査部長だと思われるが何だそのイヤそうな顔は。

 

というわけで風間は広瀬と合流。やっとのことでヒトラー編の広瀬さんが来ましたよ♪
part1じゃ伊能警部に怒鳴られながら一人でヒトラー捜査を頑張っていた広瀬さん、part3でヒトラーに対し個人的怨恨まで背負ってしまった広瀬さん、part5ではヒトラーにどのように立ち向かうのか? 広瀬さんのフィールドだったはずのヒトラー捜査、しかし現場は既に他3名に土足で荒らされまくられております(主犯・新人1名) この状況に、秀吉編で生まれ変わった広瀬巡査部長はどう出る!?

1933年2月26日・国会放火事件前夜。事件を予言したハヌッセンの「オカルトの館」に、広瀬と風間はいた。
水晶やらローソクやらいかにもな部屋の中で「貴方がたの未来が見える〜見える〜」などと仰々しく予言を行なうハヌッセン、そしてそれを観客の少し後ろに控えつつ観察するは、我らが広瀬巡査部長と風間。
「これは首相の会議室だ……騒がしい音が聞こえる」とハヌッセン。「突撃隊の行進だ! 銃声……怒号……
だが、勝つのはヒトラーだ」
「ハイル・ヒトラー!」と、観客の一人がいきなり立ち上がる。それを見て汚物でも見るような顔の風間。皮肉なシーンであります。広瀬巡査部長はといえば、煙草吸いつつ黙って冷静に状況を観察中。
「犯罪者の放火だ! 国会が燃えている! 国会議事堂が炎に包まれている〜ゥ!!」

確かにハヌッセンは、国会議事堂炎上を言い当てている。何かカラクリがあるに違いないと確信する広瀬、そして公演は終了。
早速広瀬と風間はハヌッセンに聞き込みを開始する。ヒトラーとの関係を指摘する広瀬にハヌッセンは10年前、ヒトラーに演説の仕方を教えたと語る。演説そのものはうまいが身振り手振りがぎこちないヒトラーに、ハヌッセンは人の心をつかむ仕草を教えたという。

 

演説の天才と言われるヒトラー、その演説は大衆の心をつかむ為、緻密な計算がなされていた。1926年に初めてヒトラーと出会ったハヌッセンは、発声方法や肉体表現の重要性を教えた。それ以来、ヒトラー人気は一気に高まったという。
「……で、今夜の予言にはどんなカラクリがあったんですか」と、ポケットに手突っ込んだまま皮肉っぽく尋ねる広瀬。さっきの愛想笑いとは180度真逆な嫌味な笑いを浮かべつつ……つい30分足らず前に、ヘリの上で暴れる秀吉押さえてわめいていた時空暴走捜査官と同一人物とは思えません。こ、これこそ広瀬さんだ、いや、広瀬巡査部長「様」だ!!


広瀬の質問に当然とぼけるハヌッセン、しかし風間は「時空警察を見くびらないでもらいたいですね」と、テーブルの下に隠されていた盗聴器を突きつける。館のあちこちに取り付けられていたらしい。
そしてその風間の声が、何故か別室で流れている。それをじっと聞いている、ナチスの制服姿の人物……
ハヌッセンの予言や透視のからくりは、盗聴器だったのか? ハヌッセンは正直に、盗聴器を使って観客の話を盗み聞きしていると話すが、今夜の放火事件に関する予言には何のトリックもないと断言。

ハヌッセンが何とも嫌味ったらしく指を鳴らすと、どこからともなく黒服の男たちが現れる。「公演は終わりだ。お引取り願おう」
顔を見合わせつつその場を立ち去る広瀬と風間。にやりと笑うハヌッセン。さーてそろそろ来るかな風間拉致!?
そして次のシーン。何故か一人だけえらく乱暴に外へ放り出されてる広瀬巡査部長。あ、あれ? 風間は?
無様に転がされながらも立ち上がり帰りかける広瀬さん……しかしその後ろにいるはずの風間は……
えーと、さっきの時澤さんといい、そんなに視聴者に「後ろ! 後ろ〜!」と叫ばせたいんですか今回は。

 

情報:風間が拉致られる
予想:大勢のナチス兵ともみ合いつつ風間を奪われる広瀬さんが見られるのかなぁ〜
実際:振向いたら消えてました

 

まさしく予想の斜め下な展開。おそらく大多数の男性視聴者は、つまみ出されてすっ転ぶ広瀬さんより黒服に捕らえられ揉みあう風間巡査を見たかったはずだと思いますが、時空警察名物・アクション寸止め未だ健在でした。竹久夢二登場で何とか真面目で堅実な時空警察が戻ってきたと思っていたら、さぁここからどんどんおかしくなっていきますよ!! 秀吉編は予想のはるか斜め上大気圏外を亜光速でぶっとばしていましたが、ヒトラー編はこのまま予想の斜め下を地道に爆走してしまうのか?! ちなみに先に申し上げてしまいますが、part4までのまともな風間巡査が見られるのはここまでです。

風間拉致に気づき、慌てて駆け戻りドアを開けようとする広瀬巡査部長、しかし勿論開かない、そして体当たり! 
現役警官の癖にまんまと拉致られる風間も風間だが、すぐ後ろで拉致られてるのに気づかない広瀬さんも相当なものです。
そして捜査会議室で一報を受けた時澤巡査も、冷徹大胆で鳴るはずの先輩と愛する風間の引き起こしたこのマヌケな事態にびっくり、二の句が継げない状態。北条管理官だけは冷静に山神警部補と竹中巡査を応援に向かわせる。

 

さーて問題の風間さんはというと、メトロノームの音が響く怪しげな部屋に監禁され、既に気絶させられ妙にマニアックな縛りプレイ中でございました。人形状態で顎を持ち上げられているシーンは何故か無駄に美しいですが、当初の風間巡査の設定「美しすぎる容貌ゆえに人目をひいてしまう」が、part5にしてようやく、最悪の形で生かされてしまった模様。

 

そして1933年2月27日・国会議事堂放火事件当日。山神と竹中が「オカルトの館」前で広瀬と合流。竹中巡査は一生懸命鍵開け作業中。そうそう、こういう風に黙ってさえいれば普通なんだけどなぁ……で、何故かすぐに開く扉。竹中に出来たことが何故に広瀬巡査部長には出来なかったのでしょう?

中は昨夜の妖しい雰囲気は何処へやら、すっかり整頓されて人の姿はなかった。さらに奥の部屋へと向かう広瀬たち、そこには地下へ通じる階段があった。
その奥から聞こえてくる声、それは勿論ハヌッセン。彼は、一人の男を前に催眠術真っ最中だった。絶え間なく響いてくるメトロノームの音。
「催眠術だ。メトロノームを使うと聞いたことがある」と広瀬。その言葉に山神は気づいた。フォルスター博士がヒトラーを治療した際に響いていた音、あれはメトロノームだった──

「確かめたいことがある。君たちは風間君を探してくれ」と、いきなり出ていく山神警部補。「えぇー…?」などとどうにもこうにも気の進まなさげな広瀬さんが印象的ですが、風間拉致の責任の40%ぐらいは貴方にあります(残り60%は勿論本人) よって貴方に不満を言う資格はないですよ?

 

山神警部補は時澤巡査へ電話。それを受けた時澤は1933年2月27日(つまり広瀬たちがいる時代)のフォルスター博士の居場所を時空パソコンで調べる。すると、いとも簡単にフォルスター博士が反ナチ組織の教会に匿われているという情報が。えーと、んなことが出来るなら愛する風間の居場所を先に(以下略)

 

館の中では広瀬と竹中が突入寸前。しかし竹中が「やりますか…」などと呟いた途端、いきなり発見され銃を突きつけられる。竹中君、きっと貴方の超音波のせいだと思うよ……
「懲りない奴らめ。追い出せ!」と激怒のハヌッセン。しぶしぶながらろくな抵抗もせずあっさり素直に引き下がっていく広瀬と竹中。竹中巡査はともかく広瀬巡査部長に、風間救出に対する熱意が感じられませんっ管理官!

 

一方山神はフォルスターのいる教会へ。さっきは随分山神を邪険にしたフォルスター博士ですが、今はうってかわって「貴方は……!」などと懐かしげです。自分の命を狙う者がいる、とフォルスター博士。狙っているのは、アドルフ=ヒトラーだという……

 

そして博士は、山神たちが最初に訪ねてきた1918年のパーセヴァルク病院の出来事を語りだす。ヒトラーと対面し、彼を治療したあの45秒に何が起きていたのか?
メトロノームが響く部屋で語るヒトラー。「子供のころから憧れていた画家にはなれなかった。頑張って軍隊に入ったものの、4年経っても伍長のまま。自分で自分が嫌になる! 私はなにひとつ取り柄のない男なんです。その上、目まで見えなくなってしまった…もう、生きていく価値もありません」
などとシンジ君ばりに自己嫌悪スパイラルに陥っているヒトラー。
そんな彼に、フォルスター博士は言う。「君にも必ずいいところがある。人には出来ないが、君には出来ることが」
さらに博士は、今回のキーポイントとなってしまうに至る次の言葉を吐く。
「今から私が手を叩く。すると君は何か思い出すよ〜いいかね〜?」

パン! と手を叩く博士。何かに目覚めるような仕草のヒトラー、安っぽい覚醒もあったもんだなおい。

「そういえば……一度、不思議な体験をしました」と回想の中で回想しだすヒトラー。
1916年9月、塹壕で食事中のヒトラーとその軍隊仲間たち。ちなみに、陽気に笑う仲間とはある程度距離を置いてほとんど一人でのランチタイムだ。だがヒトラーはその最中、電波受信。お前はそこにいてはいけないという声を聞いたヒトラーはその声に導かれるまま、立ち上がって歩き出す。そんなヒトラーをバカにする仲間たち。戦場がライダーVSショッカー軍団の撮影現場に見えるなどと突っ込んではいけません。
しかしその瞬間、後ろで爆発が! ヒトラーがさっきまでいた場所、仲間たちがいる場所に、敵の砲弾が炸裂したのだ。
戦友はみんな死んでしまった、自分だけが助かった……血まみれの食器、絶叫するヒトラー。


あれは神の声のようだった、と回想するヒトラー、同調するフォルスター博士。「君には神の声が聞こえるのかも知れない、君は神に選ばれた人間なのかも知れない」おいやめろ爺さんあんた間接的に600万人を殺そうとしているんだぞ。

そして目を開くヒトラー。「見える…聞こえる…美しい神の声が聞こえる! アドルフ=ヒトラー! 生まれ変わるんだ、そして立ち上がって祖国ドイツを救うんだ! お前は、ドイツのジャンヌ=ダルクだぁ!!」

フォルスター博士はさらに調子づいて「アドルフ=ヒトラー、君は政治家になりたまえ。そして、ドイツを救うんだ」
それを聞いたヒトラーはいつの間にか身についている大仰な仕草で「先生! 私は政治家になります、必ずゥ!!」

 

「ヒトラーは、催眠術にかかり、独裁政治を行いました♪ ヒトラーは、ドイツのジャンヌ=ダルクでした♪
これが、ヒトラー補完計画の真実です♪♪」(by南響子)
……冗談はともかく、ドイツのジャンヌダルクだけは嘘だ。絶対。

 

ヒトラーはこの病院で何が起こったか、一切の記録を残していない。唯一、フォルスター博士の友人だった医者が、自分の著作(「目撃者」エルンスト=ヴァイス)に、フォルスター博士が「A.H.」なる患者(=アドルフ・ヒトラー?)に催眠術を使った治療を施した、と記してあるだけだ。
……それだけ? 他は? 他の証拠物件は?? 

 

フォルスター博士は山神に語り続ける。これまで何人もの若者を催眠術で治してきたが、ヒトラーは特別だった。催眠術は使い方を間違えると非常に危険である──博士は、ヒトラーの中に眠る悪魔の魂を呼び起こしてしまったのだ。
ハヌッセンの館にあったメトロノームについて山神は言及する。催眠術を使えば人間の心を簡単に操ることが出来るということを知ったヒトラーは、予言者ハヌッセンを利用しているのでは、と博士は推測していた。

 

そのハヌッセン、相変わらず風間を縛りプレイ中。風間の背後に堂々と座し、にやりと笑みを浮かべているナチス制服姿の人物は……安上がり毛唐ヒゲオヤジアドルフ=ヒトラー!! そして……遂にヒトラー編、二つ目のドラマ破壊爆弾が炸裂した。

 

「ハイル・ヒットラー! ハイル・ヒットラー! ハイル・ヒットラー!!」
ナチの軍服を着せられ虚ろな目でハイルヒトラー連呼、洗脳完成の風間裕子巡査であります。

 

 

……あの、風間さん……
私、ここで無礼だの横暴だのシノリョー戻せだのとっとと時澤とくっつけだの散々言いたい放題言ってきたけど、それでも、貴方のこと、正直、嫌いじゃなかったよ……何だかんだ言っても優秀だったし。もう失くしたものは戻らない今だから言える。貴方のこと、本当は、嫌いじゃなかった……
このシーン見る瞬間までは!! こん畜生!! 

 

 

ドイツ国会議事堂は2月27日・夜9時15分に出火する。国会議員オーベルフォーレンの証言(イギリス「マンチェスター・ガーディアン」1933年4月27日付より)によると、犯人は国会議事堂と議長公邸を結ぶ地下道を使って侵入したという。
広瀬と竹中は犯人を待ち伏せするべく、その地下道に潜んでいた。説明不足の感は否めないがおそらく犯人の正体を突き止める為だろう。
……って、風間は放置か? 広瀬殿!?

 

午後9時、真っ暗な地下道を歩く広瀬と竹中。あと15分で国会議事堂が出火する結構緊迫した状況のはずだが、ヒンデンブルクの50分の1ほどの緊張感もないのはどういうわけだ。
そして、何故か地下道の灯がともる。何者かが近づいてくる? 隠れる広瀬と竹中。
姿を現したのはナチス軍服姿の男女数名と、やさぐれた背広姿の男。その男に、広瀬は見覚えがあった。ハヌッセンの館の地下で、催眠術をかけられていた男である。
……つーか、今回はいったい何度視聴者に「後ろ! 後ろ〜!」を言わせるつもりでしょうかスタッフさんは。その男のすぐ後ろにいるナチ軍服の女は、我らが風間巡査ですよ広瀬殿!!
「じゃぁ、あの男が放火犯のルッベ……」相変わらずな超音波重低音で竹中君は呟く。そして……
「先輩! ルッベの隣にいる突撃隊の女性、風間さんじゃないですか?」画面見ればすぐ分かることをわざわざ説明口調で言わなくてもいいよそんな長い台詞をそんな重低(中略) しかもCM後再度繰り返しやってるし!! それと、竹中より手前にいるはずの広瀬巡査部長、貴方がまず気づけよ!!! いくら眼鏡っ子だからって!!!

 

しかし広瀬巡査部長は冷静です。というか、無反応です!!
確かに私は広瀬&風間非推奨だけど、いくら何でもこれは引く!! 風間救出の為に侍も炎も蹴っ飛ばして本能寺に飛び込んできた時澤巡査とは実に対照的であります。さっき過去の人間に対してあれだけ暴走した広瀬さん、現在の人間に対しては何故快いほどに無反応ですか!? でもじーっと突撃隊の様子を見つめている目にはちょっと萌え萌え

 

情報:広瀬が風間を助ける?
予想:秀吉編につづきまたしても広瀬巡査部長暴走か?
結果:救出渋った挙句に洗脳された姿見ても無反応

 

予想の斜め下な展開がこれでもかと続く中、先輩のけしからぬ態度に切れたのか、遂に竹中が突撃隊の目の前に飛び出す。風間救出の為と考えればこれは歴史改竄暴走でも何でもなく人間として警察官として当然の行動ですが、広瀬巡査部長はここに至っても動かない! それどころか、飛び出す竹中を「あ!」と意外そうなツラで見上げてやがり分かった、分かったぞ! これはスタッフ内部にアンチ広瀬×風間がいる!!でも一瞬見開かれた目にもう激萌え萌えで

 

突撃隊のど真ん中にいきなり飛び出し、風間を押さえる竹中。しかし洗脳された風間は冷たく竹中を突き飛ばす。「落ち着け! あいつは軽い催眠術にかかってるっ」やっとのことで広瀬さんも飛び出します。一瞬で風間の洗脳を見抜いたあたりはさすが広瀬巡査部長ですが、当然突撃隊に羽交い絞めに。さらに竹中も取り押さえられるが、そこはさすがに若い警察官、振り切って突き飛ばして結構激しい格闘に。さぁ頑張れ乱闘要員! しかしさすがはアクション寸止めで鳴る時空警察、アクション殆ど描写してません(特に広瀬巡査部長の)
人形のようにその戦いを見ている風間。やがて広瀬の絶叫が響く。「やめろーーーー!!」
いつのまにやら銃口を向け合っている突撃隊と時空警察! どうしてこんなドラマ事態になっちゃったんだかという実に苦い表情で広瀬さんは銃を構えてます。風間と竹中さえいなければ何のトラブルもなく自らの領域であるヒトラー捜査をじっくり出来たはずなのに、何故地下で突撃隊とプロレスやってるんだ?という心境では。

「このやろうぉあああああああlれ38gへうをtgつwlgy!!!」

一方で、頭に血がのぼりまくってワケのわからん吼え方している竹中巡査。そんな彼を後ろから押さえたのは、元祖時空暴走捜査官山神警部補!! あと0.1秒遅ければ確実に発砲していただろうなぁ竹中。

「やめろ竹中! 俺たちは歴史を変えちゃいけないんだ、風間君を守るのが第一だ!」

 

突っ込みポイント
・元祖歴史改竄屋の貴方が何を
・そもそも竹中巡査は最初から風間救出の為に飛び出したはずで別に歴史を変えようとしたわけではない
新たなる歴史大改竄野郎がその横にいるというのに竹中だけを責めますか貴方

 

それはともかく、山神の言葉にうなずいた広瀬は銃で相手をけん制しつつ風間ににじり寄り、人形の如き彼女を引き寄せた。横乳を思いっきり自分の胸に押し付けてませんか恵さん随分あっさりめでたく風間救出完了であります♪ 


情報:広瀬が風間を助ける?
予想:ナチス兵相手に激闘しまくる広瀬さんが見られるかなぁ♪
現実:引き寄せた(ついでに胸に触った)だけ。竹中がいなければ放置だったかも?

 

話がどんどか予想の斜め下を爆走していきますがとりあえず風間を取り戻す時空班。
「俺たちに構うな。さっさと行け!」と山神、さらに広瀬も風間を何気なくかき抱きながら「時空警察だ……仲間を返してくれれば妨害しない」
突撃隊もその言葉に銃を下ろし、とっとと風間を放って目的へと急ぐ。その目的とは勿論、国会議事堂。

「畜生……畜生! どうしてこんなこと、止めちゃいけないんですかっ!!」
心なしかこの絶叫場面だけ竹中君の超音波が止まった気がしますが、もしかして私は慣れちゃったんでしょうか。
山神は吼える竹中を押さえつけ、突撃隊の後姿を見送らせる。「よく見とけ。これが歴史の真実だ!
ルッベは明らかに催眠術にかかってる。かけたのはハヌッセンだ。だから奴は国会の放火を予言できたんだ!」
「問題は……誰がそれを命じたか、だ」と、風間の肩に手置きつつ呟く広瀬。あれだけ無関心だったくせにしっかりやることだけはやってますよこの人は!

と突然、置いてかれた風間が叫ぶ。「ハイル・ヒットラー!」
広瀬さんの目の前でこんな行動やった日には風間は一生広瀬さんに嫌味を言われ続けるハメに……とか予想ページで書いていたんですが、拉致の責任の50%(増えた)が広瀬巡査部長にある上に救出にあれだけ消極的だったんじゃ、広瀬さんは逆に嫌味を言い返されそうですね。
それはともかく、かなりイッチャッた目で風間は叫び続ける、「ハイル・ヒットラー! ハイル・ヒットラー! ハイル書いてるだけで気持ちが痛くなってきたので以下略させて下さい。

 

情報:風間、ナチに洗脳
予想:ヒトラーかぶれになった風間が女王様化、広瀬や竹中や山神を撃ちまくり血の海の中「悪は滅びんのよ、絶対に!」と高笑い?
結果:ハイルヒトラー連呼しただけ

 

よく考えたら

広瀬:「誰がそれを命じたか?」→風間:「ハイルヒトラー!」

洗脳されてもあくまで刑事魂は失っておらず謎にきちんと答を出している風間巡査は素晴らしいと思えるわけがない。
大混乱に陥るおバカ一行、山神が前から、広瀬と竹中が横から風間を押さえようとしますが風間はなおも叫び続ける。そこに現れるはフォルスター博士……
そして予想の斜め下展開はさらに轟音をたてて加速。

 

情報:風間、洗脳される
アホ予想:暴れる風間を取り押さえようとした広瀬が風間に撃たれ、その血で洗脳解除?→ラブラブモード??
もっとアホな結果:「私が手を叩くと目を醒ましますよ」

 

いつの間にやら椅子に座らされている風間の目の前で博士はCLAP!
すると風間、はっと頭を上げて「あれ、あたし何してんの? ……やだっ、あたし何てカッコしてんのよぉ!!」
コントお疲れ様とばかりに風間の肩を叩く広瀬さんが最高だ(ヤケ)

 

そして国会議事堂の方角からは妙な空気音とともに、ドライアイスの如き煙が。遂に国会議事堂が出火したのだ。
何故か無意味に鳴り出すテーマ曲とともに、慌てて駆け出すおバカ一同。ヒンデンブルク(TV版)で爆発数秒前になっても礼儀正しく一段ずつ階段駆けあがっていた広瀬さんの1000分の1の緊張感もありゃしない走りで逆方向へ逃げ出す4バカカルテット&フォルスター博士、ついでに竹中は無意味に椅子を蹴っ飛ばしております。

 

 

見事なCGで炎上しているドイツ国会議事堂。それを揃いも揃って眉間に皺寄せつつ見上げる時空警察&フォルスター博士。風間の眼鏡がいつの間にやら戻っておりますがもはやそんなこたぁどうでもいい。本当に時空警察において炎の関わる話は鬼門だと思い知らされるシーンであります。
国会炎上の直後、深夜にもかかわらず親衛隊と共に現場に現れるヒトラー! さぁさぁお待ちかねの時空警察VS安ヒゲオヤジヒトラーですよ!!
階段下から現れるヒトラー&ナチス、そして対照的に上から見下ろす時空警察! フォルスター博士含めてこっちは5人なので一瞬特撮と見間違えます。えーとこの構図だと山神さんがレッドでー、広瀬さんがグリーンでー、風間は勿論ピンクで竹中は(以下略)

 

そういえば伊能警部はまだか? 本来レッドは伊能警部だろうが!! 番組はもうすぐ終了する、伊能警部はまだか? クライマックスのはずのヒトラーとの直接対決、そこで伊能警部がようやく登場してオイシイところをかっさらっていくのか? いくんだろうな? 秀吉編で広瀬巡査部長に素晴らしくオイシすぎる主人公特権を全て剥奪された伊能警部、ここで魅せてくれるんだろうな? 
 

 

「アドルフ=ヒトラー!」開口一番ヒトラーを呼び捨てにするあたりはさすがです広瀬巡査部長。つーか、わざわざこう呼ばないとこのナチコス安ヒゲがヒトラーだと分かってもらえない、という制作側の配慮でしょうか。
しかし安ヒゲ毛唐威厳尊厳カリスマ性ゼロナチコスオッサンヒトラーは随分と余裕綽々の笑いと共に「君たちが時空警察か」
さらに少し後ろに控えていたフォルスター博士を指差し「フォルスター博士! 貴方のおかげで私は政治家になった、感謝している。
貴方が言ったとおり、私は神に選ばれた人間だった!」
そういえばフォルスター博士はヒトラーに狙われていたはずだが?

状況把握力ゼロの博士、調子づいたちょっとヒトラーの物真似がうまいナチコスオッサンヒトラーに敢然と答える。「違う。君は私の催眠術で、神に選ばれた人間だと思いこんだにすぎない。本当の君は、劣等感の塊で気の弱い、ただの平凡な男にすぎなかったんだ!」
親衛隊の目の前で本性暴露されたヒトラー、当然キレます。「何をいうか! 私は生まれながらにして、神に選ばれた人間だぁ!
愚かな大衆を導き強いドイツを造る為に、神に選ばれた指導者なのだぁ!!」

……松本人志(2005年現在)の一万分の一のカリスマ性すらないしょーもないヒトラーですが、元々平凡な男だったとすればこの安さも納得できる……はずがない。

そんなヒトラーに山神警部補が迫る。「アドルフ=ヒトラー…お前がパーゼヴァルク病院で悪魔に変わったあの日、お前は催眠術が人の心を変え、操る力があることを知った。政治家を目指したお前は、権力を得る為に催眠術を利用しようと考えたんだ」
今まで時空警察が捜査対象となった人物に対して「お前」呼ばわりしたことってあったかな……どんな相手であっても「お前」呼ばわりだけはなかったような気がするのですが。しかも相手はヒトラー、家康や秀吉とは違う世界規模の独裁者。そんな大それた相手に対して「お前」ですか……
まぁ確かにこの安いヒトラーにはお似合い

そんな視聴者の呟きも無視してさらに広瀬巡査部長がヒトラーに迫る!
「今回の国会放火事件を仕組んだのはお前だ!!」ヒトラーに影響されたか、何故か無意味にヒトラーを指さしつつ大断定の広瀬巡査部長。「お前がハヌッセンに命じてルッベという共産主義者の青年に催眠術をかけ、放火犯に仕立て上げたんだ!」
さすがは「どんな大人物と相対しても動じない」設定の広瀬さんではありますが、いくら何でもこの台詞は横暴すぎだ!! ヒトラー総統だよ、ヒトラー総統!! あんたがpart1で辛抱強く追っかけて、part3じゃ個人的怨恨まで負ったヒトラーですよ!!
「貴方」呼ばわりで迫る方が遥かに迫力あるってのに、これじゃ悪の巨大秘密組織の中ボスと相対したミドレンジャイの台詞ですよ!! 


それを聞いたヒトラー、さらにキレるかと思いきや「ウワーッハッハッハッハッハッハッハ、ハーッハハッハッハハッハハッハッハー、ワーッハッハッハ」

 

両手広げて威厳も尊厳もカリスマも何もかも吹っ飛ばす大爆笑。いつもは相手を問い詰めまくった挙句泣かせているはずの広瀬さんですが、さすがはヒトラーといったところでしょうか、逆に大笑いです! い、伊能さん早く、早く来て!このままじゃ視聴者の精神が耐えられねぇ!!

 

「そうだ。この事件の犯人は共産主義者だぁ! この事件で奴等を支持する人間はいなくなるだろう、これで邪魔者は全て消すことができる! 我がナチスがドイツ、いや、全世界を支配するのだぁ! お前たちがどんなに騒ごうとも、誰も私を止めることは出来ないィ!」

 

……自分が何故20年前のロボットアニメの小ボスの台詞打ち込んでるんだか分からないんですが、あの、これは時空警察ですよね……? part2じゃ全台詞が印象的すぎてレビューしたらシナリオ集になっちゃった時空警察ですよね? 確かに今回も真逆の意味で印象的すぎてシナリオ集状態ですが。い、伊能さん! 伊能警部! HELP ME!! HELP US!!!

 

ヒトラーの台詞にかぶせて、世界を地獄に変えたナチス軍の映像が羅列されていく。溢れる卍マーク、整列するドイツ軍、爆撃、鉄条網、とらわれる人々、塹壕で銃撃され処刑される人々、鉄条網の向こうの子供たち。そういえば以前、「シンドラーのリスト」ノーカットでCMなしでやったのが日テレだったような。
あぁぁぁああああここだけ見たらちょっとだけ「映像の世紀」なのに!! すぐ後の、ヒトラーを名乗るヒゲ面オサーンの大爆笑で台無しだよ!! 伊能さん! 伊能さん! 伊能さーーーーーーーーーん!!!

 

時空警察4バカを放っといてバカ笑いしつつさっさと階段昇っていく物真似ヒトラーご一行様。狙っていたはずのフォルスター博士は完全放置であります。きっとあの階段の上には伊能警部がトレンチコート翻してヒトラーを待ち構えているもんだと思いつつひたすらに信じつつ見ていましたが、そこへ風間の台詞が……

「ふざけんじゃないわよ!!」

そして、つけたまんまだったナチス腕章をヒトラーの眼前でひきはがす風間。ここだけ見ればなかなかにカッコイイと言えないこともないですが、その前の展開知ってるとアホにしか見えない。てーか、風間さん貴方、洗脳されて性格激変した?


 

「悪は滅びんのよ、絶対に!!」


 

情報:「悪は滅びんのよ、絶対に!」
予想:洗脳されてイッチャッタ風間が広瀬さんを撃って高笑いしつつの台詞かなぁ♪
現実:洗脳解除後の台詞でした(しかも番組のシメ)

 

 

予想の斜め下展開を爆走する時空機関車、下を行き過ぎた挙句マリアナ海溝もマントルもすべて突き抜け地球のコアをすでにとっくに通過しております。もしやこれが番組全てをシメる台詞かいと絶望しかけた瞬間、直後にもっとすごい超音波重低音爆風台詞が新人竹中君の口から。

 

「絶対にだ!!!」(指差しポーズ)

 

 

ヘタするとこれ、時空警察シリーズ全てをシメかねない台詞なんですがそんなことには決してならんよう、皆さんpart6制作を熱望いたしましょう。ええ、絶対にこの台詞をシメにしてはなりません! 絶対にだ!! 

そして当然の如くバカ笑いしながら去っていく安売りヒトラーご一行。そりゃあ笑いもするよなぁ。
え、階段の上にいて「お前ら全員警察学校からやり直せ!」と怒鳴ってくれるはずの伊能さんはどうしたって? このしょーもない状況に逃走した模様です。やっちゃったよってな表情の広瀬巡査部長と山神警部補が実に印象的。

 

予言者ハヌッセンは1933年4月半ば、ヒトラーの部下によって処刑。フォルスター博士はヒトラーへの抵抗運動へ身を投じたが、1933年9月11日に謎の拳銃自殺を遂げた。しかしその拳銃は、彼のものではなかった──そっち捜査しろよもう。

 

「マルクス主義の壊滅は言うまでもなく 私は他の全てもたたきつぶす」
演説するヒトラーの実際の映像、熱狂する人々の声が流れ──こうして人類は、20世紀最大の悲劇へ突入することになる。

 

そしてスタッフロール。
え、え? もう終わり? 伊能さんは? 伊能警部は? 時空捜査会議室は?? 解散を告げる北条さんは???
などと唖然としていたら、

 

「もし、貴方のところへ我々時空警察がやってきたら、近く大事件が起こるという知らせだ。気をつけてくれ。
歴史の変わり目は、いつも目の前にある──その瞬間を、決して見逃すな!」

 


伊能警部はナレーションルームにいた模様です♪
そうですね広瀬巡査部長or時澤巡査が私めのところに来てくださるのであれば大事件が起ころうがどんな災難に巻き込まれようが自分がまかり間違って大犯罪者になろうが大歓迎なんですがつーかこの番組、対象年齢いくつだったっけ?

 

 


 

というわけでヒトラー編、終了。最後の捜査会議室のシーンもなし、いつもの北条管理官の「解散!」もなし。当然、無事帰ってきた風間を涙目で見上げる時澤もなし。これにて時空警察part5、捜査終了であります。
あれ、確かテレビ欄には「衝撃のラスト」などと書いてあったはずだが……(ある意味当たってるが)
 

 

 

 

 

ヒトラー編まとめての感想ですが。
part3ヒンデンブルク放送以降当サイトでは散々散々イヤというほど、アレ以下のドラマ作っちゃったら時空警察はいや日本の地上波ドラマは終わりだとか、アレ以下のドラマ存在するなら是非見てみたいもんだとか、今後時空警察で何をネタにするにしてもアレ以下は勘弁とかトラウマだとか悪夢だとか言ってきてしまったワケですが、

 

アレ以下がありました(しかも遥か斜め下)

 

つーか今ヒトラー編見て初めて気がついた。part3のヒンデンブルクは実は結構、ハイレベルに面白いドラマだったということに!
ラストがアレだったからこそ全体の評価が無限大に落下しトラウマにもなってしまったのだが、ラスト直前までのあの緊張感と話を崩壊まで引っ張っていく不気味なパワーは凄まじかった。今やっと気がついた! ラスト直前までのドラマがかなり良かった(&小説版がヘタすると三億円事件を超えかねない素晴らしさだった)からこそ、あのラストであの話は全てがぶち壊れたのだし精神的外傷にもなったんだ。公式BBSやその他いろんな場所を見てもヒンデンブルクの話はそれほど酷評されていない(むしろ好評。つーか酷評してるのウチだけだし) それはおそらく、検証部分やドラマ前半部分がかなり評価されているからなんだろう。
「Final shore〜おお、再臨ありやと」「Black History」by菅野よう子もしくは「空しき流れ」by鷺巣詩郎が実に似合うあの物語は(分からない方はどうぞスルーしてください)、広瀬巡査部長と一部の視聴者にあれだけのトラウマを負わせたほどのあの物語は、本当はかなり面白いドラマだった。
それを気づかせてくれただけで、part5のヒトラー編は相当の価値がある。

ちなみにテンションを分かりやすくグラフにするとこんな感じ↓

 

<part3ヒンデンブルク>

 

<part5ヒトラー>

 

上は最後に遥か下まで落っこちたが、爆発に至るまでの緊張感は最高だった(「イレーネ、こっち」で若干落ちたが)
下のグラフをもうちょっとくわしく解説すると竹中登場で一息に下がって風間拉致で泥沼にんなこたどうでもいいですとにかく底辺の底辺の斜め下を突っ走っていたと言いたかったんです。

え、秀吉編? グラフ化不能に決まってるじゃないですか。

 

 

そんなわけで、主役伊能が不在の中見事に遥か上と遥か下を突っ走るドラマを展開してくれた時空警察part5。ドラマ紛糾崩壊に伴い当然各捜査官にもそれなりの破綻が訪れましたが、ちょっとそのあたりを整理してみましょう♪
 

 

part4まで

part5現状

伊能恭介警部

歴史捻じ曲げてでも真実掴む、堂々たる熱血主人公で時空班リーダー

前代未聞主人公不在。

広瀬忠生巡査部長

冷静かつ大胆な皮肉屋で、めったに心からの笑顔を見せない。でも基本的には真面目で、暴走しがちな伊能とはよく対立。ポケットに手突っ込みつつ相手をあざ笑いつつの「歴史を変えちゃいけないから♪」はまさに広瀬「様」と呼ぶに相応しい。

五右衛門一家救出、島原へのヘリ&機動隊召喚、秀吉に未来を示唆などなどなど前代未聞な時空法違反やらかしまくり、伊能山神を超える史上最強の問題児に。もはや左のpart2の名台詞など誰も信じない状態。
ついでに笑顔大安売り&南にデレつきまくり&拉致られた風間を無視しまくりなど、ファンを釣る気かと突っ込みたくなる細かな性格破綻多数。

時澤爽太巡査

日本史オタクで生真面目、資料調査力は素晴らしい。でもややトロく押しが弱いのが玉に瑕。part1からのメンバー中唯一時空法に触れる行動をしていない、時空班の良心。

ブチギレ&ラブコメ、そして尊敬していたはずの家康の孫・家光に黄門様バリの喝、しまいにはシリーズ初暴走! 上の人と下の人があまりにも凄すぎる為に目立ちませんが時澤さんもかなりよい感じにはっちゃけております。

風間裕子巡査

常に冷静沈着、逸脱しがちな班員のブレーキ役にも。胸デカすぎ美しすぎるのが欠点。やたら名台詞っぽい言葉を残しているがスタッフの目論見に反し視聴者の印象にはイマイチ残っていなかった。しかし……→

「うるさい!」

「ハイル・ヒットラー! ハイル・ヒッ(略)」

「悪は滅びんのよ、絶対に!!」

山神善一郎警部補

時空班一筋のベテランで、熱い刑事魂の持ち主。その熱さが災いし毎度毎度暴走騒ぎを引き起こす。

今回、基本的に暴走なし(ヘリ&機動隊実行犯のみ)。むしろ後半では新人の暴走を押さえる役回り。「俺たちは歴史を変えちゃいけないんだ」貴方の言う台詞じゃありませんっ山神さん!!

北条特命管理官

独特の存在感で時空班をまとめあげる、実力派警視。

ハンコ押すだけの出番(つд;)

 

ここまで捻じ曲げられると次回が非常に心配だ……
今回はドラマ重視ドラマ重視言われまくっているが、それにしちゃキャラの性格&設定壊しすぎだろう!! 風間が薬物のスペシャリストだなんて誰が覚えてるってんだ? 
まぁ歴史検証はそれ以上に壊れていたが(例・ヒトラーがあの病院で変わった?の証拠=「A.H.」だけ。秀吉編はともかくヒトラー編はドラマも歴史検証もまるっきり杜撰すぎだ! そもそも風間が何故拉致られたのかその説明はどうした? まさか、ヒトラーに惚れられたから?)


ちなみに今回の新メンバーというかゲスト2名ですが

 

予想

結果

南響子文部科学省教科書企画課課長

情緒不安定&ヒステリー気味の典型的負け犬? 

レギュラー&新メンバー含めてこの人だけ予想通り

竹中玄巡査

あまり特徴なさげな青臭い乱闘要員イケメン?

ヒトラー編最強の超音波爆弾

 

 


しかし秀吉編改めて見て思うに、もしかして時空警察ってのは広瀬巡査部長の成長というか進化というか、皮肉屋だけど基本的には真面目で時空法違反など冗談じゃない!!だった御方が最悪最強の暴走神となるまでを見守っていく物語だったのかととんでもない勘違いしそうです。part2で「歴史を変えちゃいけないから♪」(嘲笑つき)だった人がpart5じゃ「歴史を変えてはいけない」連呼の挙句、史上最強の大歴史改竄ですよ!!
やはりターニングポイントは当然part3の飛行船墜落だったのでしょうが、part3ラストの山神警部補の暴走に対する細かな表情とかpart4ラストの伊能警部の台詞への動揺とか、part5に至るまでに広瀬さんには色々な葛藤があったことと思われます。part1から追っかけてきているこちらとしては非常に感慨深い変化具合であります。変化しすぎの気もするが。
しかしpart3知らない人にしてみれば「何だこのド阿呆は」だっただろうなぁ(特にpart5からいきなり見た人) 


あと、時澤巡査のキレっぷり決めっぷりラブコメっぷりもpart2からでは全く想像も出来ない。よくぞここまで成長しました時澤たん、いや、時澤様!! それを考えると、今回のpart5は今までついてきたファンへのサービスサービススペシャル♪といったところなんでしょうか。
伊能ファンにしてみれば最悪のサービスに違いないが。
 


 

 

そういえばすっかり忘れていました、放送前の最大の懸案事項だった視聴率ですが。
結果から言えば9.8%。前回part4と同じです。しかし!
裏の「夏目家」が9.4%、その上強敵の「そ○時歴史が動いた」が6.8%!! 
さすがに「相棒」「ココリコドラマSP」には勝てませんでしたが、地獄のSPドラマ目白押しの時間帯の中、大健闘大善戦と言ってよいでしょう!! 当方、5%以下を覚悟していましたよ!!

part4から3ヶ月、いつもの4分の1という少ない制作期間でよく秀吉編のようなとんでもないドラマが出来たものだと思います(ヒトラー編はそれなりでしたが) そして恵さんも、あれだけ忙しい中でよくぞあそこまで広瀬巡査部長を熱演してくださったと思います。
私は……広瀬さんを追っかけてきて、本当に良かった……新年早々、感動と爆笑をありがとう!! おかげさまで今でも思い出し笑いが止まらなくて職場で変態扱いだよ!!

 

 

 

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