真サルーイン挑戦!inクジャ男子3人旅編

 

ほぼ実話プレイ日記SS風第8弾続きの続き。ジャミル・ダウド・エルマンのクジャラート男子3人組、遂に真サルに挑む?!
毎度のことで申し訳ありませんが、くれぐれも真サル攻略の参考にはなさらぬようご注意願いますorz

 

 

「それで? ダウドに全部話しちゃったのかい」
「え? あぁ、うん、まぁ・・・・・・」
「約束していたとはいえ、突然そんな話いっぺんにされたら、こーなっても仕方ないねぇ」
満身創痍ながらもジュエルビーストを倒し、ウエストエンドに戻ってきたジャミルたち。
約束どおり、ジャミルはダウドに事の真相を全て語ったのだが──その直後、ダウドは忽然と姿をくらましてしまっていた。
ウエストエンド宿屋で、バーバラは呆れたようにため息をつく。彼女の横のベッドでは、グースカ寝息を立てつつ気持ちよさそうに眠っている包帯だらけの会計係エルマンと、それを心配そうに見守りつつ定期的に傷薬を施す歌い手ナタリーの姿があった。
「警備隊に聞いても、見てないっていうし・・・・・・参ったな」
「とにかく、エルマンもあと1日は絶対安静。あんたもあれだけの怪我だったんだ、当分派手に動かない方がいいよ。ダウドのことは私のほうでも探してみるから」
バーバラはそれだけ言うと、呑気に大口を開けて軽くいびきまでかいているエルマンの額にそっと手を当てる。「ジャミル。誰もがあんたみたいに強いわけじゃないんだよ」
「分かってる。だからこそ、ジュエビを倒せたら・・・・・・って約束だったんだ。
ダウドがいなかったら、俺たちは絶対に生き残れなかった。あの戦いで生き延びられたあいつなら、俺は何もかも話せるって思った。
その確信は、今も揺らいじゃいないぜ。あいつはただ、迷っているだけだ。心を決めたら、必ず戻ってくるさ」
ジャミルは軽くため息をつくと、エルマンを眺めた。何も知らずにひたすら寝ていやがる──「正直、今はこいつの方が俺は不安だ」
「どうして?」
ジャミルはバーバラに語った。ジュエルビーストを撃破した直後のエルマンの姿を。
ダウドが恐怖のあまり、化物と口走ったほどのおぞましい姿形──
「あの時──俺はヤバイと思った。久々に、心底震えたぜ。
人の世界でも神の世界でも冥府でもない、少なくとも人間が立ち入っちゃいけない領域に──エルマンは足を踏み入れちまったんじゃないかって」
「だからあんたは、慌ててエルマンを引き戻そうとした?」
「相変わらず察しが良くて助かるぜ」ジャミルはその隣のベッドにごろんと横になり、まだ厳重に包帯で固められている自分の右脚をさすりつつ背を向けた。「正直、もうそろそろコイツも限界が近いんじゃねぇかと思ってる。
俺じゃ、どうやっても助けられない時が来るんじゃねぇかってな」
「ジャミル・・・・・・」
「万が一にでもそんな時が来たら、どーにか出来るのはあんたしかいない、バーバラ。俺はそう思ってる」
「嫌なフラグを立てないでおくれよ。そんな時なんて、来させやしないからね」ジャミルの真剣な言葉をバーバラは受け止めながらも、可憐に微笑んだ。「それよりも先に、最後のカギになるものを見つけるのが得策だろう? 仲間でも、人数制限でも、何でもさ」
「そりゃそーだな。やっぱり、さっすがバーバラ姐さんだぜ」
笑い合う二人。その横でふいとそっぽを向くナタリーに気づく者は、誰もいなかった。



ジャミルから事の真相の全てを聞かされて数日──ダウドは、ウエストエンドパブ裏の倉庫に置かれていた巨大な樽の中で、じっと膝をかかえて引きこもっていた。
エルマンが治療されている間、ジャミルから聞かされた話の数々──
この世界が、サルーインを倒した瞬間に時間が巻き戻ってしまうこと。
そんな時間のループを超える為の答えを探して、エルマンやジャミル、バーバラたちはこれまで幾度もデスティニィストーンを集め、ジュエルビーストや四天王、シェラハやデス、しまいには最強と言われる真サルーインと戦ってきたこと。
その過程で、自分がその戦いに巻き込まれ偽アサシンギルドに洗脳され──少なくとも一度はジャミルの手で殺されたこと。
どれもこれも、信じられない話ばかりだった。だが、これまでのジャミルやエルマンの言動と照らし合わせれば全て説明がついてしまう。
戦いが苦手と言い張っているはずのエルマンが何故あれだけの力を出せるのか。そしてどうして今の自分が、知りもしない技をいとも簡単に閃くことが出来て、効率的に戦いを切り抜けられてきたのか──それはかつて自分が参加した戦いを、身体で覚えているからじゃないのか。例え、頭からの記憶は失われても。
「だからって・・・・・・おいらに、出来るわけないよ」
ジャミルは言っていた。これからは真サルーインとの戦いになると──デスティニィストーンを全て捧げ、闇の女王や死神を遥かに超える強大な力を持つと言われる真サルーイン。そいつの強さは、ジュエルビーストなど比較にならないという。
これまでも何度も真サルーインを倒してきたが、時間はやはり戻ってしまうだけだった。ならば、挑む人数を減らして挑戦してみる──そんな、あまりにも無謀と言えば無謀なジャミルの計画。
そこまで考えて、ダウドは一人頭をかかえてしまう。「おいらなんかに、無理だよ。だっておいらは強くなんかないし、それに・・・・・・」
ここ数日そんなことばかり考え、彼はずっとひきこもりながら一人頭を巡らしていることしか出来なかったのだ。空腹には慣れているとはいえ、そろそろ限界も来ていた──そんな時。
「私の居場所でナーニやってんスか!? 金取りますよ、マジで!」
「フワァッ!!?」
突如頭上から降ってきた甲高い声に、ダウドは思わず座ったまま飛び上がってしまった。見上げると、樽の上にしがみつくようにして、黄色い帽子の小男が思い切りその糸目を吊り上げている。「え、エルマン!? 何で・・・・・・うわぁっ!?」
「ったく、しょーがないですねぇ! 兄さんに比べたらダウドさんは少しは常識のある方と思ってたのに!」
そう言いながらエルマンは手馴れた動きで、樽の端から一気にダウドの方へと滑り降りてくる。「あのねぇダウドさん、この樽は私と姐さんがたの所有物であって私の数少ないプライヴェートルゥームみたいなモンなんですから、勝手に使われちゃ困りますよ!」
「そ、そうか、このやたら大きい樽ってエルマンの・・・・・・っていうか、もう大丈夫なの!? 身体の方は」
「当たり前っす。ここに帰ってきてから何日経ったと思ってるんですかい」エルマンはそのままダウドの隣にどっかと腰かけて鼻を鳴らす。服も帽子もちゃんと新調されているようだったが、まだ腕や肩、脚の間からは包帯がちらちらと見え隠れしていた。
「で、でも手とか足とか・・・・・・あの、その」
「ちぎれ飛んだトコですかい? まだ若干痺れちゃいますが、どうってこたぁないスよ。兄さんがちゃんと私の手足を拾って帰ってきてくれたんで、助かったっす」
「そうなんだ・・・・・・」
「それよりも!」俯くダウドに、強引にエルマンは頭と出っ歯を突き出す。「いい加減、出発しましょ! ダウドさんも兄さんから色々お話は聞いたはずですよっ、だったら早いトコ色々パパッと片づけちまいましょ!!」
「パパッとって・・・・・・えぇえ!?」
四天王やらドラゴンやらガーディアンやら果ては死神やら闇の女王、真なる邪神に至るまでのあれやこれやを、パパッと片づけられるというのかこの商人は。呆気にとられるダウドに、エルマンは言ってのけた。
「もうお分かりでしょ、私しゃさっさと元の平和な時間を取り戻してお気楽な金儲けがしたいだけなんスよ」
「分かるよ。分かるけど」ダウドはエルマンの顔をまともに見られず、そっぽを向いてしまう。「おいらには、無理だよ。
おいらはジャミルやエルマンみたく強くはなれないし、それに」
「何言ってんすか、ダウドさんは十分に強い方ですぜ? この前も言ったでしょ、腕力体力素早さ愛、どれをとってもバランス良くて閃きも・・・・・・」
「そうじゃないんだよ! おいらあの時、エルマンに酷いこと言っちまったんだ!!」
「へ?」
エルマンはぽかんとしてダウドを眺めていたが、一旦流れ出したダウドの感情の吐露は止まらない。「あいつの腹からエルマンが出てきた時、おいら、怖いと思っちまったんだ。怖くて怖くて、腰抜かしそうだった!」
「怖いって、私のことっすか?」
ダウドはエルマンを見もせずに微かに頷く。「エルマンだってジャミルと同じ、大事な仲間なのにおいらは・・・・・・おいらは!」
「うーん・・・・・・」どうしてもその先を言えないダウドに対し、エルマンはすっとぼけたように顎に人さし指を当てつつ何やら考えていた。が、その糸目がやがて、嫌な笑いの形に歪む──いわゆる、ジャミルが言うところの「妖怪腹黒の笑顔」に。
「へへへへへ。そういやそうでしたね、思い出しましたヨ〜。
しっかり聞こえちゃいましたぜ、確か・・・・・・化け物、とか」
にっこり笑いながらエルマンはダウドに顔を近づける。「そ、そうだよ。ほ、ホントにごめん」
「ちゃ〜んと謝ってくださいよぉ。私こー見えても結構繊細な方なんすからぁ」
エルマンがそう言った瞬間、外で誰かが猛然と噴き出すような音が聞こえた。「んぁ?」
彼は一旦不審げに音のした方向を見たものの、特に気にせずまたダウドにすり寄ってくる。「ダウドさ〜ん? ちょーっとだけ、ほんのすこーし・・・・・・いや、かなーり私傷ついちまったんですからぁ〜」
すりすりと全く無遠慮にダウドに身体をくっつけてくるエルマン。その柔らかい帽子の房が、何度も何度もダウドの頬を撫ぜた。
(ちょ、超絶鬱陶しい・・・・・・!)
「は!? 何か言いました?」「い、いや何でもないよ! 本当に、本当にごめん!!」
「いいっすかダウドさん? 本当に謝る気持ちがおありでしたら、ちゃあんと形で示していただかないといけませんねぇ」
「え? 形って?」
エルマンはしてやったりとばかりに指先で丸を作って見せる。例のお得意のポーズだった。「そうですねぇ、精神的苦痛に対する慰謝料としてまぁ、4000金ほど頂ければありがたいかと」
「えぇえ!?」ダウドは思わず飛び上がってしまった。「冗談だろ、おいらそんな金持っちゃいないよぉお!!」
それを聞いた瞬間、エルマンは背を向けて何やらいじけたように床を無意味になぞり始める。「はぁあ・・・・・・私、ちょ〜ぜつ傷つきまくったんですけどねぇ・・・・・・確かに私しゃ顔は人間離れしちゃいますが、化物呼ばわりはあんまりですよねぇ・・・・・・兄さんとかに言われるならともかくですよ、ダウドさんみたいな良識ある方にそう仰られるのは特にキツイっすよねぇ・・・・・・はぁ〜」
「わ、わあああああああ!! エルマンごめんよ、本当にごめんよ、おいらが悪かったよぉお!
ちゃんと払うから、何年かかってもちゃんと払うから、だから許してくれよぉおお!!」
ダウドは両腕を振り回して必死で謝罪を続ける。が──ふとエルマンは名案を思いついたというように振り向いた。「じゃ、こーいうのはどうっすかね」
そう言うと彼は懐から、そっと何かを取り出した。それは術への抵抗力のある宝石を散りばめた、美しい指輪──ジュエルリング。
「こいつはね、いつもジュエルビーストを退治した時に出てくる宝物なんです。今までは大抵、ジュエビ退治で一番活躍した方にこいつを進呈してたんですが──今回はダウドさん、貴方に差し上げますヨ」
「え? いいのかい、こんなすげーもん・・・・・・それに、今回一番凄かったのはエルマンだと思うけど」
「いやいやいや、あの起死回生オーヴァドライヴを始めとするダウドさんの活躍がなけりゃー、絶対にヤツを倒すなんて無理でしたからね。だから、こりゃダウドさんのものですよ」
「そうなの? あ、ありがと」
指輪の美しさに魅かれて思わず手を出すダウド。だが、エルマンはその手を止めた。「たーだーし!
先ほどご説明したとおり、ダウドさんは私に莫大な借金を作ってます。だから、こいつはその支払がわりに私がいただくっす!」
「えぇ!? そ、そんなのあり!?」
「そーですよ! だからこれで、私の心の傷も治りましたしダウドさんの借りもなくなって、全部チャラです!」
「え、えぇええ〜・・・・・・心の傷って、それで治るもんなの?」
「私の場合は治るんす! だからもうダウドさんも、くだらんこと言ってないでさっさと出てきてくださいよ。
ついでに、これまでダウドさんがこの樽を不法占拠してた罰金も、ジュエルリングで回収させていただきますんでね」
言いながらエルマンはにっこり笑って、ジュエルリングを指にはめてみせる。その手にはまだ包帯が固く巻かれていたが。
ダウドはひとつため息をつく。「分かったよ・・・・・・エルマン、ありがとう」
「いーえいーえ、別にお礼を言われるようなことでは〜♪」
リングを眺めつつ鼻歌まで口ずさむエルマンを見て、ダウドは妙に肩の荷が軽くなったように感じていた。そうか、おいらは──
また、二人と一緒に居てもいいんだ。
「でも、そのジュエルリングってどこにあったの? おいらたちもあの後、一応探してみたんだけど」
「ジュエビの腹の中っすよ」「えぇえ!?!」
「実を言うと、今までの周回でもどこにあるのやらさっぱり分からなくて、たまたまジュエビの残骸探ってたら見つかったっていうパターンが殆どだったんす。最悪の場合全く見つからないなんてこともありましてねぇ。
だから今回私が呑まれて初めて、腹の中だったって分かったんすよ」
「へ、へぇ〜・・・・・・でも、よく取れたよねそんなもの。
だってあの時エルマン、右手は剣で塞がってたし左手は・・・・・・その」
「ぶっ飛ばされてましたからねぇ」あっさりとエルマンは言ってのける。「でもね。私には、私だけの武器があるんですヨ」
そう言ってエルマンは自らの口を指差してみせた。真っ白な出っ歯が思い切り輝く大口を。「ま、まさか。歯で?」
「それしかないでしょー? 探し物や宝物は発見次第確保、これ鉄則すからね。やっつけた後に探すんじゃ、またなくなっちまうかも知れませんし」
「・・・・・・おいら、エルマンが別の意味で化け物に思えてきたよ」
「はぁ!?」
「い、いや何でもない、何でもないよ!!」
ダウドはいつの間にか普通にエルマンと話をしている自分に気がついた。さっきまで、罪悪感と恐怖で顔を合わせることすらためらっていたのに。
「ふと思ったんスけど、もしかして、ジュエビが目覚めた原因ってコレなんですかね?」
「そ、そうなのかな? ってことは、コレを喉に詰まらせてあいつが目覚めたってこと?」
「するとミニオンの奴らって・・・・・・まさか、呪術かなんか使ってジュエビを蘇らせたってワケじゃなく、コレをそのままジュエビの口に放り投げた、んスかね?」
その様子を想像してしまい──ダウドは思わず盛大に噴き出した。「ぶ・・・・・・ブフっ、ぶははははははははは!!!
あははは、やめ、やめてくれよ、おいら笑い死んじゃうよ、あのちっこいミニオンがジュエビの口に?」
「夢のない話ですが、何故かそれが一番信憑性高い気がするのはなんででしょうねぇ」
くそ真面目にジュエルリングを見つめるエルマンに対し、ダウドはもう笑いが止まらない。「あはははお願いエルマンやめ、やめて、やめてくれよ腹痛いってば・・・・・・あははははは、ヒー」
「ダウドさん、そんなに笑ってミニオンどもから呪われても知りませんぜ?」「あーもうヤバイ苦しい、ミニオンがあの口に遠投・・・・・・っ、あははははは」
両足をバタつかせながら爆笑するダウド。ひとしきり笑いまくって涙まで出てきた。「ひぃ、はぁ、もうおいら、こんなに笑ったの久しぶりだよ」
「そっすか。そりゃ、良かったです!」エルマンもそれにつられたのか、また笑顔になる。
人なつっこいその糸目を見ながら、ダウドはふと聞きたくなった。ずっと不思議に思っていたが、聞けなかったことを。「・・・・・・ねぇ。
エルマンは、怖くないの?」
「何がスか?」
「何がって・・・・・・真サルーインとかと、戦うのが。
おいらは怖いよ。今だって、全然そんなの戦えるとも思えない。おいらなんか、一撃で潰されちまうと思う。
怖くてたまらないし、逃げ出したくてたまらないよ。
しかもそんなこと、ずっとずっと繰り返してるなんて・・・・・・おいらには、信じられない」
エルマンはそんなダウドの言葉をじっと聞いていたが、やがて両の拳を握りしめて俯く。
その肩が、ぶるぶると震え出し──
「怖いか怖くないかってねぇ・・・・・・そんな愚問、それこそ信じられないっすよ。
怖いに決まってんじゃないですかァアーーーーーーーーーーッ!!!
突然のエルマンの大絶叫に、ダウドは思わず腰を抜かしてしまう。「へっ!?」
「当ったり前じゃないですか! 私だってね、逃げ出せるもんなら今すぐ逃げ出したいッスよ、こんなふざけた無限ループ!!
時間が巻き戻ってパブにあの腐れ詩人が来て姐さんにアメジスト押しつけるたんびに、どんだけあの野郎をぶっ飛ばしたいって思ったか!!
全く、私しゃあと何回腐竜にぶっ飛ばされてジュエビに叩き潰されて仮病皇帝治して騎士団領でご機嫌伺いして四天王の使いっ走りさせられて魔の島のじーさんの長話聞かされて親分に噛み砕かれて性悪人魚に騙されて、シェラハ様に誘惑されてデス様に開門されて火山で破砕流喰らいまくって雪原でマラソンしまくってイフに焼かれまくってイカに絞められまくって、挙句に邪神様の大握手会に強制連行されなきゃいかんのだか!!」
「え、エルマン落ち着いて・・・・・・」
手足をぶんぶん振り回して地団駄踏み出したエルマンを慌てて宥めようとしながら、ダウドはどこかほっとしていた。「気持ちはよく分かるから、おいらなんかは特に。
ジャミルみたいに強い奴に振り回されるのって、大変だよね」
「でしょー!? だからダウドさんは私にとっちゃマジ超貴重な存在なんスよ!!」
いつの間にやら糸目から滂沱の涙を流し、エルマンはダウドに縋りつく。「私を連れにくる方々は揃いも揃ってやる気十分すぎる方ばっかですからねぇ! 毎回毎回当然の如く私をウエストエンドから拉致って、LPをいいようにもて遊ばれた挙句、やれヴァンダだのアパスマだのVインパクトだの羅刹掌だの三龍旋だの変幻自在だのグランドスラムだのさっさと覚えろって無茶振りされて、最近だとファイナルレターとかウォータームーンとかいう超絶無茶振りまでされて・・・・・・私しゃ戦闘苦手だって、毎回毎回何度言ってるか知れないってのにですよ? ううう」
「た、大変だね・・・・・・あはは」
「あははじゃないッスよダウドさん? これから真サルーインとやり合う以上、貴方にも同じような無茶振りされることは間違いねぇっすから」
「えぇ!? おいらもかよ」
ひとしきり喚きまくると、エルマンはスッキリしたようにふうっと息をついた。「でもね、最近こう思うんです。
皆さんが真っ先に私を拉致って最後まで連れて行く理由──それってもしかすると、私を守っていただけてるってことなのかもって」
「え? どうして・・・・・・」
エルマンはしばらく宙を見つめたまま黙っていたが、やがて静かに話し始めた。「まず、ジュエルビーストの封印に失敗した場合、ウエストエンドは壊滅します。つまり、そこでちまちま商売しているはずの私はやられる可能性が高いっす。
今回のようにジュエルビースト封印に成功しても、いずれサルーインが目覚め、同時にフロンティアから恐らくタルミッタにまで、モンスターの大群が溢れます。そうなればやっぱりウエストエンドは壊滅状態になる──その場合でも、私はどーなっちまうか分かりません。
つまり、私を守る為に最も確実な方法は、私をジュエルビースト封印からサルーイン戦までずっと連れまわすことなんスよ」
「じゃあ、今までエルマンを連れに来た仲間はみんな、君を守る為にそうしてたってこと? どうして?」
「無意識のうちにそうしてたのか、そうでないかまでは分かりませんがね。
ダウドさんももうご存知でしょうが、私、一度ジュエルビーストにやられとるんですよ。ウエストエンドで」
「あ・・・・・・」ダウドは思わず息を呑む。エルマンの声はいつの間にか、いつもより数段低くなっていた。「私もダウドさんと同じで、一度は死んだ人間なんす。ダウドさんと違うのは、記憶の有無だけっす。
ちょっと前までその記憶、思い出すのも恐ろしかったんですがね・・・・・・最近やっと、冷静に考えられるようになってきましたよ」
そう言いながらも、エルマンの肩は小刻みに震えだしている。その震えを押さえつけるように、彼は必死で膝のあたりを両手で握りしめていた。「私がウエストエンドでジュエビに出くわして、全く何も出来ないまま死んぢまったその直後あたりで──恐らく、何かが起こったんだと思うんす。世界がこうなっちまった何かが」
話し続けるエルマンの額からは、次から次へと冷たい汗が流れおちる。見ていられずダウドは声をかけた。「え、エルマン・・・・・・無理して話さなくてもいいよ、落ち着いて」
それでもエルマンは、見えない糸をたぐるようにして話し続ける。「あの直前に確か、姐さんが何人かお仲間を連れてウエストエンドに来るという手紙を受け取ったような覚えがあるんです。
ウエストエンド壊滅後に、姐さんとそのお仲間の方々が到着していたんだとしたら──そのお仲間が、兄さんやアイシャさん、ホークさんやクローディアさんやグレイさん、シフさんだったとしたら──残念ながらその時の記憶は皆さんにも殆どないみたいで、姐さんに聞いてもさっぱり覚えてないみたいなんですが」
ダウドは気がついた。ジャミルが忌まわしい前周の記憶を繰り返すまいとして絶対に自分を手放さないのと同様の現象が、エルマンにも起こっているのだとしたら。「だからみんな、君を離そうとしないってことなのかな?」
「思い上がりもいい加減にしろって言われそうですけどねぇ」話し終えたエルマンは、一旦大きくため息をつく。そしてわざとらしくカラカラ笑ってみせた。「姐さんが、ダウドさんを亡くされた時の兄さんほど荒れるとも思えませんし。ましてや私の為になんぞ」
「・・・・・・そんなことは、ないと思うよ」エルマンの言葉に対し、ダウドは思わず呟いていた。「仲間を殺されたらジャミルくらい暴れられる奴じゃなきゃ、そもそもエロールに選ばれたりしないんじゃないかな」
「そーっすかね? 私が死んで荒れて暴れまくる姐さんっすかー、見たいような見たくないような」
「多分そうだよ。そんなバーバラを見たから、その時の仲間はみんな、エルマンを守らなきゃって思ったんじゃないかな。例え、覚えていなくとも。
おいらだって、何も覚えてなかったけど技は身体が覚えてた。同じように・・・・・・」
「やるべきことは、忘れてても分かるってヤツですかい? どこぞの歌みたいですねぇ」
冗談めかしてエルマンは言ったが、ふと左手を開いて指のジュエルリングを見つめた。その糸目が、ほんの少しだけ細く開く──
「・・・・・・本当に、そうかも知れませんね。
私が、何だかんだ言っても最後まで皆さんについていくのは、やっぱり『あの時』の記憶を身体で覚えちまってるせいだと思いますし」
「それって、ジュエルビーストにやられた時の?」
ダウドは気づいた。エルマンが見つめているのはジュエルリングではなく、まだ包帯が完全には取れていない自らの左手であることに。
おそらく『あの時』には、切断どころか粉みじんに吹き飛ばされたのであろうその手を──
その視線に気づいたのか、慌ててエルマンは手を引っ込めていつもの脳天気な笑顔になる。
「ま、何だかんだ言っても、単純なこってす。
私、死にたくないだけなんすよ。まだまだこの世にゃ楽しいお金儲けのネタがいっぱい転がってるってのにねぇ!!」



その樽が置かれた部屋のすぐ外で──
ジャミルとバーバラは、二人揃って安堵のため息をついていた。「ほらね、言っただろう? エルマンは大丈夫だって」
「みたいだな。全く、心配して損したぜ」ジャミルは腕組みしながら、一息つきつつ宙を眺める。「商売人ってのは、やっぱ底知れねぇ連中だよなぁ。特にクジャラートの商人どもなんぞ大したモンだぜ、俺も昔っからどんだけあいつらに騙されまくって逃げられまくって煮え湯飲まされたか」
冗談半分でジャミルは言い、バーバラは静かに微笑んだ。「あの二人、やっぱり結構いいコンビだね。しぶとさって点じゃ、ダウドも負けてないと思うし」
「バーバラ、あんたいつか言ってたよな。ダウドとエルマンは、何だか似てるって。
いつもくっついてくる弟分ってのもそうだし、臆病なのも似てるし、戦闘苦手なのも似てる。
それに、ヘタしたら二人とも──」
その先がうっかり口から出そうになり、ジャミルは慌てて黙り込んだ。バーバラの表情からふいと笑顔が消える。
ヘタしたら二人とも、自分たちの目の前から消えてしまう。それは当然、バーバラにも分かりきっていることだった。
彼女はじっと何事か考え込んでいたが、やがてぽつりと呟く。「ジャミル。あんた、記憶はないの? ウエストエンドが壊れた時の記憶は──」
「さっき、エルマンが言ってたことか」その言葉に、ジャミルも真顔に戻った。「残念ながら、殆どないね。その時誰がそこに居合わせたかは勿論、俺自身がそこにいたのかどうかすら定かじゃねぇ。
ただ、確信はある。ジュエルビーストをどーにかしない限り、この街は壊れるってな。ヤシも、サオキも。
理由は分かんねぇが、景色が見えるんだよ。この街がぶっ壊されまくって、ご丁寧にもあのパブの上にヤツが鎮座ましましてるのを」
「エルマンがいつも根城にしてる、あのパブ?」
ジャミルは大きく頷いた。「何故かその光景だけははっきりと見える。他の場所じゃなく、あのパブの上にだ。
他はともかく、あそこだけは徹底的に破壊しつくされるってのが分かるんだ。
だからなのかもな。俺がここに来る時、一刻も早くエルマンをあそこから連れ出そうって気になっちまうのは」
「あんたが見たのは夢じゃない、現実だよ。
ジュエルビーストを放置していれば、実際にそうなる」バーバラはこともなげに言い放つ。その断定的な口調に、ジャミルは思わず顔を上げた。「バーバラ・・・・・・何で分かる?」
「言わなかったかしら。私が大分前の周回で、ジュエビを封印しようとして失敗したこと」
「あ。そうか!」
「あの時は私もエルマンもみんな、ジュエルビーストに関する知識は乏しかったし、ヤツを倒す為のろくな技術も持っていなかった。
殆ど何も出来ずに、ヤツを洞窟から逃がしてしまった。唯一の救いだったのは、エルマンとナタリーをウエストエンドから連れ出していたことぐらい・・・・・・
だからジャミル。あんたが見たその景色は夢なんかじゃない」
「じゃあ──」ダウドが言ってた通り、忘れていても身体が覚えているということなのか。
ウエストエンドが破壊され、エルマンもいなくなってしまった時のことを、俺は──ならば。
「バーバラ、あんたはどうなんだ。
ジュエビの存在すら知らなかった時ってのが、絶対にあったはずだ。知らないままウエストエンドが破壊された時ってのが。
その時誰がいたか、その時何があったのかが分かれば!」
息せき切ってバーバラを問いただすジャミル。だが彼女は、ため息をつきつつ首を横に振るだけだった。
「それが思い出せれば、とっくにそう言ってるよ」
「だよなぁ・・・・・・」
ジャミルも彼女に倣うようにため息をついてしまう。と──
「兄さん! やっぱりまたまた人の話盗み聞きしてましたね!?」
「んげぇっ!?」
二人のそばのドアから、エルマンが頭と帽子だけぴょこんと突き出してじっとジャミルたちを見ていた。勿論、その糸目を思い切り吊り上げて。
「ご、ごめんねエルマン。だけどこちとらやっぱり心配でね」
「もう慣れちまいましたから別に構やしませんがね! 聞かれて困るような話はしてませんから!」
バーバラの言葉にぷいっとそっぽを向くエルマンを、ジャミルが笑う。「でもよ、お前も今の俺らの話盗み聞きしてただろが? お互い様だぜ♪」 「兄さん、その場でたまたま聞こえたのと盗み聞きを一緒にせんでくださいよ!」
「あれ〜、俺らもたまたまここにいただけなんだけどなぁ〜♪」
「に・い・さ・ん?」
怒りで真っ赤になって偽ろば骨を構えたエルマンの頭上から、ダウドがおずおずと顔を出す。「ご、ごめんよジャミル。心配かけて・・・・・・」
「ダウド! もう大丈夫なのか?」
「う、うん。エルマンが、励ましてくれたから」
ダウドは俯きながらも、そろそろとエルマンの背後から外へ出てきた。「おいら、真サルーインなんかと戦えるかどうかなんて分からない。正直、また逃げ出しちまうかも知れない。
でも、やれるだけのことは、やってみようと思うんだ。こんなおいらでも、出来ることがあるなら。
だって──おいらだってもう、死にたくはないし」
最後の方が聞き取れないほどの小声になりつつも、それでもダウドは決意を言葉にする。そんな彼の両腕を、ジャミルは躊躇わずに思い切り掴んだ。「その意気だ、ダウド!
俺たち3人はジュエルビーストを倒した、無敵の勇者様だぜ! 真サルーインだろうが何だろうがとっととぶっ飛ばして、さっさとこんなループは抜け出してやるんだ!! そんでまた、エスタミルで優雅な泥棒稼業といこうぜ!!」
「あ、ありがとうジャミル・・・・・・おいら、それなりに頑張ってみるよ」
そんな彼らを前に、バーバラは朗らかに笑い、エルマンもしぶしぶながら偽ろば骨をしまう。
「ふふふ、これで一件落着ね♪」
「何か兄さんが盛大にダメダメフラグ立てた気がしますが、大丈夫スかねぇ?」




そして色々あって数週間後。
「ち、ち、畜生ぉお・・・・・・第二段階開幕直後にゴッドハンド3連発で全滅って、冗談じゃねぇぞ」
「3人旅ならありうる話ではあったんですが、まさかいきなりやられるとは想定外でしたねぇ・・・・・・イデデデ」
ジャミルたち3人は、真サルーインと激突し──見事に惨敗して戻ってきた。例の天空の神殿へ。
「うううぅ・・・・・・やっぱおいらにいきなり城塞騎士なんて無理だよぉジャミルぅ・・・・・・
って、ここはどこ!?」
少し遅れて目を覚ましたダウドに、バーバラが近づく。「ここはエロールの根城だよ。最終試練でも来たはずだろう?」
「あ、そうかそういえば・・・・・・って、なんでここにバーバラたちがいるのォ!!?」
当然という顔でそこにいるバーバラとナタリーを見ながら、腰を抜かすダウド。「全く、オバケでも見る目で見ないでおくれよ。あんたたちだってここに来たからには、幽霊みたいなもんなんだから」
「私らなんかはもう慣れちまいましたがね・・・・・・
って、イタタタタタタタ! ナタリー、もうちょっと優しく治療して下さいよぉ!!」
「エルマンってば、こんなの慣れちゃったらダメだよ!! 私たちだってもう、みんなが握り潰されるの見るのイヤなんだからね!!」
「そっか、ダウドはお初同然だったなココは」ふと気づいたジャミルは、改めてダウドにこの場所の意味を説明した──
ここが原則、サルーインに敗れた時に転送される場所であること。
何故かいつもその場にはバーバラとナタリーがいて、彼女たちも戦いを見守っているらしきこと。
「但し例外もあってな──例え戦いに勝ったとしても、その勝利に俺らが満足出来なけりゃ、またここに戻ってきてサルーインと戦わなきゃなんねぇ。
正直、その仕組みは俺らもよく分かってねぇがな」
ジャミルの説明に、ダウドは困惑を隠せない。「勝利に満足って、どーいうことだよ!? あんなの、勝つだけでも大変なのに!! どんな手を使ったって、勝ちさえすればそれでいーんじゃないのかよ!?」
「全くですよねぇ」エルマンが横でため息をついた。「私もダウドさんに滅茶苦茶同感ですがね、世の中には単純に勝つだけじゃご不満な方々も多々おられるんですよ。
例えば、オーヴァドライヴやらの合成術なしで勝たなきゃ意味がないとか、セルバ盾使うのは卑怯とか、幻体戦士術などの召喚術はご法度とか、ロザ重禁止だのリヴァイヴァ禁止だの当たりデータ禁止だの、果ては裸ソックス縛りとか」
「ちょっと待ちなさいよエルマン。そーいうのはこの無限ループを抜ける為のカギかも知れないから、みんなが敢えてやってたことじゃないのかい。今の3人旅だってその一つだろう」
「シフさんの場合はどー考えても違ったでしょーが!! 私しゃ今でも忘れてませんぜ、オーヴァドライヴ禁止でエライ目に遭ったのを!!」
「あーもーエルマン暴れないでよー!」ナタリーが慌ててエルマンの手首を押さえつける。「それに、やってもいない縛り喋るのやめよーよ。自分の首絞めちゃうよ?」
「そ、そうっすね・・・・・・裸ソックス縛りとかえらいこっちゃですよ」
「ともかく、こりゃ作戦の練り直しだね」
バーバラが言うと、ジャミルは腕組みして考え込んだ。「ダウドが城塞騎士、俺とエルマンが術法士でオーヴァドライヴを使う。ただしエルマンはウコムの鉾経由でオーヴァドライヴ。でもって、LP切れに備えてエルマンはミイラの薬スーパーを自分で使う・・・・・・ってな感じで、うまく行きそうなんだがな」
「第二形態開幕ゴッドハンドはどーにかして防がんといけませんねぇ。
データによれば、あそこでゴッドハンドが来る確率は今の状態だと4割。なかなかデカい確率っす・・・・・・」
「じゃ、第二形態になるまでにちゃんと全員にリヴァイヴァかけとかねぇといけないってことか」
「それも、第二形態になった瞬間に全員にかかってないと意味ないっすよ! 5人だったらそのうち何人かかかってなくともどーにかなりますが、3人では・・・・・・」
「で、でもあの空閃ってのはリヴァイヴァ解除されちゃうんだろ!? 最前列のおいらはどーやってもアレ喰らっちゃうし」
「確かに、第二形態直前にダウドさんにリヴァイヴァを張るのは難しいですねぇ」
「だからそこは、空閃が来ないことを祈ってだな」
「空閃が来ないとしたらオブシダンソードか、ヘタしたら神威が来ちまいますぜ」
「だからそれも来ないか、弾くことを祈ってだな」
「空閃もオブシダンソードも来ないとしたら術が来るはずっすが、それもダウドさん耐えられますかね・・・・・・」
「耐えることを祈れ」「おいらたち何回祈ればいいのォオ?!」
ジャミルたちがあーでもないこーでもないと作戦会議に没頭する間、少し離れた神殿の端では詩人が静かにギターを奏でるばかりだった。



「す、すっげー!!! あれが、天輪陣!?」
邪神との再戦が開始された直後にオーヴァドライヴに成功したエルマンは、ロペラでの一人連携で見事に陣を出してみせた。
それもただの陣ではなく、滅多にお目にかかれないと言われるエロールの陣──『天輪陣』。それを、エルマンは変幻自在と電光石火の一人5連携で出してみせたのである。
地面から発生した光の柱が邪神の根城の天蓋をも貫き、あたりに光の環が広がる。「天輪陣か・・・・・・俺も久々に見るぜ。しかもたった一人で出しちまうとはなぁ」
見事に一人連携と陣を決めて舞い降りてきたエルマンは、得意げに胸を張ってみせた。「へへへへへー、ざっとダメージは1万近く、ってトコっすかね! って、何やら凄い光出てましたけど、何かありました?」
(じ、自覚してないの? エルマンってば)
(言うなよダウド、言ったらせっかくだからってんで見物料取られかねないからな!)
そんな調子で3人はこの上なく順調にダメージを積み重ねていき、第二形態に突入したのだが──
「はぁ、ひぃ、ふぅ・・・・・・」第二形態突入時点から、エルマンのLPが既に半分を切っていた。原因は言うまでもなく、ウコムの鉾によるオーヴァドライヴの連続使用である。
しかもつい先ほどヴォーテクスを喰らって全員のリヴァイヴァが剥がされた為、オーヴァドライヴした後のエルマンは攻撃ではなく、全員にリヴァイヴァをかけていた。従ってリヴァイヴァに使った分のLPも削ぎ落されており、第二形態に突入したばかりというのに彼は既に肩で大きく息をしている状態だった。
「だだ、大丈夫かよぉエルマン!?」慌ててダウドがエルマンに駆け寄ったが、彼はにやりと笑って懐からミイラの薬スーパーを取り出す。事前にこの巨大洞窟の奥底で、ミニオンを倒して頂戴していたものだ。「へへへ、私にゃこいつがありますんでね! 
・・・・・・って、やっぱり何度やってもこの臭いは慣れませんねぇ、うっぷ」
エルマンは懸命に鼻をつまみながら、再びオーヴァドライヴを発動させる。涙が出るほどの悪臭を必死でこらえつつ、彼は5回分のミイラの薬スーパーを飲み干してみせた。
「うっげええええ・・・・・・全く何スかこの、牛乳と生魚と廃油と雑巾と納豆まぜこぜにしてエスタミル下水に10年放置しましたみたいな臭いは・・・・・・ってか、周回するたびに臭いがキツくなっとる気が」
「ひ、ひえぇ! こんな臭いものよく5回も飲めるねエルマン・・・・・・おいらだったら臭いだけで気絶しちまうよぉ」
「ダウドお前、何で5回連続使用出来るかってとこには突っ込まないのな。ま、俺も何でかはよく分かんねぇんだけどさ」
しかし薬のおかげで、エルマンのLPも顔色もほぼ回復し、彼は再びウコムの鉾でのオーヴァドライヴの体勢に入る──その瞬間。
「って、え・・・・・・えぇえ?」
天空に突如光が満ちあふれ、サルーインが一瞬猛烈な憎悪で顔を歪める。その光は一気に、立ちすくむエルマンに向けて降りそそいでいく。
「ジャミル、どうしたの? これって」「え・・・・・・マジかよ」ダウドもジャミルもこの状況に呆然とするしかない。
それは、いわゆる『光神の恩寵』──尽きようとしている生命力をその場で回復させる、光の神エロールの起こす奇蹟。
「す、すげぇ! おいら、こんなもんまで見られるなんて」
光輝く雲の間から現れる神の姿に、ダウドは純粋に感動していた──が。





その数刻後、天空の神殿にて。
転送されるや否やエルマンは、光の神エロールもとい詩人の首筋に稲妻キックを喰らわしていた。
「あのねぇエロール様! 出てくるならもうちょい先でしょーが、間が悪すぎますよアナタ!!
ミイラの薬5連発で必死でLP回復させた直後に出てこられましても全くの無意味でございましょー!!!??」
神殿の端まで気持ちよく吹っ飛んだ詩人。その首根っこを掴んで思う存分に揺さぶりまくるエルマンを、その場の誰も止めはしなかった。
「だよなー、おかげでサルーインが怒り狂ってゴッドハンド連発しやがって、挙句に俺はアニメートされて一巻の終わりだ」
「ジャミル、あのゴッドハンドは必ずしもエロールのせいってわけじゃ・・・・・・」
「でも、エロールがちゃんとタイミングを間違えずに降臨してくれてたら、逆転のチャンスもあったはずよねぇ」
じたばた暴れる会計係を止めもせず、バーバラは冷酷に詩人を眺めている。エルマンは滂沱の涙を流し額に青筋を立てながら詩人を責めたてていた。「姐さんの言うとおりですよ!
3人でサルーインを倒すのは非常にキツイってのはお分かりでしょー!? エロール神の救いの手でもなけりゃ、やってられないんすよ!!
だからこそ、メルビルであんだけお布施したのにぃ!! あの大量出費、全部無駄だっつーんスかい?!」
「そーだぜエロールさんよ。有り金の半分以上、エルマンの奴泣きながらアンタに捧げたはずなのによぉ。
なのにあのタイミングは、やっぱ酷ぇよな」
詩人はしばらくエルマンの泣き声をじっと聞いていたが、やがて呟く。「ジャミル、エルマン、ダウド。
私は、君たちを信じているよ。私の助けなどなくとも、サルーインに打ち勝つ力を持つ人間だと」
それを聞いて、ジャミルとダウドは同時にため息をついた。「またそれかよ・・・・・・そのへんのコソ泥よりもうまく逃げるよなアンタ」
「勝てるとは言ってないとこがミソかな、あはは・・・・・・はぁ」
「神様、信じる信じないは別として、頼んますからお布施を無駄にするのだけはやめてもらえますかい?」
「エルマン。君も分かっているはずだ──
金だけで神をも動かせると思ったら、それは大きな間違いであることを・・・・・・ぐぅっ!?!」
詩人が喋り終えるより早く、エルマンのサブミッションが彼の首元に炸裂する。「金で買える最終試練とか用意しといてそいつはねぇっすよね、エロール様? 私しゃ三柱神より誰より、アンタが一番金に汚い神様だと思っとりますが」
「だよなー、他の神ならともかくアンタがそれ言っちゃいけないぜ、エロールよぉ」
「エロール。いい加減に逃げるのはやめてくれないかい?」
見るに見かねたか、つかつかとバーバラは詩人に歩み寄る。「サルーインとアンタが本気で激突したら、この世界が滅びる──だからアンタは手を出さない。一応、それは分かってるつもりなんだけどね。
だけど今のアンタは、それを口実にサルーインから逃げて、あたしらをいいようにこき使っているようにしか見えないね」
「・・・・・・」
詩人は何も答えない。ただ静かにエルマンの手を離すと、ふいと背を向けて立ち去ろうとする。しかしそれを逃そうとするバーバラではなかった。「エロール! アンタひょっとして、まだ隠していることがないかい?
この時間のループにアンタ自身も巻き込まれてるって、アンタは言ってたよね。だけどそれ以上のこと、本当に何も知らないのかい? 負けたあたしたちを何度でもサルーインの手から助け出せるアンタが?」
詩人はそれでもしばらく沈黙を守っていたが──やがてジャミルを振り返る。
「この時間のループには、まだ君たちに語ることが出来ない真実がある。
ジャミル。君ならば、分かるはずだ。何故私が未だそれを話せないか──」
「あ? 何で俺?」
ジャミルはぽかんと詩人を見つめたが、彼はそれ以上は何も語らない。
──ジュエルビーストを倒すまで俺がダウドに何も話さなかったように、あんたも敢えて俺らに何かを黙ってるってことか。エロールさんよ・・・・・・
ジャミルはやれやれとばかりに両手を軽く上げてみせると、詩人に言い放った。「分かったよ、エロール。
あんたのことだ。多分、よっぽどヤバイ事情が隠れてるんだろうよ」
「じ、ジャミル?!」
「俺だって、無理にそいつを聞こうなんて思わねェ。大方、今の俺らに話したところで理解出来ないか、受け入れられないって判断なんだろ? だったら、黙っててくれたほうがありがてぇや」
「に、兄さん!? それでいいんですかい?」「ジャミル・・・・・・」
唖然とする二人を振り返りつつ、ジャミルは詩人に背を向ける。「ダウド、エルマン。さっさと次の作戦会議するぞ!」





そしてサルーインとの再戦、第二形態にて──
「エルマン、大丈夫!? そろそろミイラの薬を使わないと!」
ウコムの鉾によるオーヴァドライヴを続けていたエルマンは、例によってLP枯渇の危機に瀕していた。「だ、大丈夫っすダウドさん。私にゃミイラの薬がありますんでね」
言いながらニカっと笑ってみせるエルマンだったが、その額からは既に冷や汗が流れ出している。だがそれでも彼は薬を取り出し、再びウコムの鉾に自らの血を注入してオーヴァドライヴの体勢に入ろうとした──だがその瞬間。
邪神の双眸がギロリと3人を睨みつけたかと思うと、火風幻魔の4術がミックスされた超極大の火球が瞬時に形成される。それは明らかに、鉾を構えたエルマンを狙っており──
「エルマン、よけろ! あの術法連携はヤバイ!!」ジャミルが叫んだとほぼ同時に、その火球は閃光と化してエルマンを襲った。次の瞬間にはもう、彼は反対側の柱にまで火球と一緒に吹き飛ばされる。数本まとめて大爆発を起こす神の柱。悲鳴を上げる余裕すら、エルマンには与えられなかった。
「ままマズイよぉ、ジャミル! エルマンはもう・・・・・・」
そう喚きながらも、慌ててダウドは壊れた柱の方へ走っていく。崩れ落ち燃えさかる柱の下には、黒コゲになった会計係が倒れていた。すかさずダウドは癒しの水を発動させてエルマンを回復させたが──
「す、すんませんダウドさん。私、もうウコムの鉾でのオーヴァドライヴは無理っす・・・・・・」
ダウドの癒しの水で何とか立ち上がれたものの、エルマンの身体にはもうウコムの鉾にこめられるだけの血、すなわち生命力は残っていなかった。
「そ、そうだよね・・・・・・そうだ! オーヴァドライヴなしで普通にミイラの薬を使おうよ」
「でも、普通にミイラの薬を使ったんでは回復量なんぞ知れてますよ」
「だけどこのままじゃ、エルマンが死んじゃうだろ!? おいら、そんなのヤダよ!」
「・・・・・・」
そんなダウドの言葉に、エルマンは逡巡しつつもミイラの薬に手をかける。だがそれをジャミルが止めた。「駄目だ、エルマン。まだ駄目だぜ」
「ジャミル! どうしてだよっ」
「今普通に薬でLPを回復したところで、またすぐに枯渇するのは目に見えてる。だったらここは待った方がいい」
「待つって、何を!? どーやってエルマンを回復させるんだよ!?」珍しく噛みついてくるダウドに対し、ジャミルは言ってのけた。「決まってる。エロールの恩寵だ」
「え・・・・・・」
戸惑うダウドに、エルマンも言った。一度は取り出そうとした薬をしまいながら。「ジャストタイミングでエロール様が来れば、ミイラの薬を普通に使ったのと同じ効果が得られます。恩寵である程度LPを回復した後ならある程度またウコムの鉾オーヴァドライヴも可能ですし、また枯渇しかけたら今度こそオーヴァドライヴでミイラの薬を使えば・・・・・・」
そう説明しながらも、エルマンは息切れを隠せない。「・・・・・・いずれにせよ、ここは待った方がお得ですよ」
「待つったって、どんだけ待てばいいのぉ!?」
ダウドの心配をよそに、エルマンは黙ってセルフバーニングを発動させた。その隙にジャミルがオーヴァドライヴを成功させ、ダウドと自分へリヴァイヴァをかけ、さらに炎のロッドでサルーインに攻撃をかける。
ジャミルが邪神の気をひいている間に、エルマンは錬気で防御を固めていった。「セルフバーニングがあれば、火幻術と氷幻術、火術は防げます。防具で土術と水術も防げますし、これって結構長持ちするもんなんすよ」
「で、でも・・・・・・」
──いつ来るのかも分からないエロールを待ちながら、戦えってのかよ!?
ダウドの戸惑いをよそに、ジャミルはオーヴァドライヴによる回復術と蘇生術、エルマンはロペラによる変幻自在を連発しつつサルーインを攻める。
だがそれでも、限界はすぐにやってきた。「ダウド、お前もリヴァイヴァ頼む! 攻撃は一旦エルマンに任せ・・・・・・ぐっ!?」
「ジャミル!?」ダウドが蘇生術の体勢に入った直後、ジャミルが盛大に吐血した。オーヴァドライヴのたびに蘇生術を使用しその命を削っていたジャミルもまた、エルマンと同様瀕死となっていたのである。
「ジャミル、もう無理だよ! いい加減ミイラの薬使おう!!」
「駄目だ、俺に使っちまったら何の意味もねぇ・・・・・・エルマン! 今の与ダメージはいくらだ!?」
「46000程かと!」「くそ、まだまだってトコか」
火幻術とヘルファイアがガンガン飛んでくる中、エルマンは炎の盾でそれを全て弾きながら変幻自在をぶちこんでいく。「エロールが・・・・・・じゃない、エロール様さえ来てくれりゃあ!」
一瞬呼び捨てにしかけた神の名を、エルマンは慌てて訂正した。「私でも兄さんでもどっちでもいいっス、早く、エロール様・・・・・・って、うぎゃああぁっ!!?」
「危ない、エルマ・・・・・・うわあああぁっ!?」
そんなエルマンにも容赦なく、ゴッドハンドが飛んできた。慌てて彼を庇いに行ったダウドも防御が間に合わず、二人とも敢えなくゴッドハンドの餌食となってしまう。
「畜生! エロール・・・・・・まだかよ!?」叫びながらジャミルもオーヴァドライヴを発動させ、すかさず二人を回復させる。だがもう3人とも、生命力はボロボロに削げ落ちていた。エルマンなどは、あとゴッドハンドが一撃でも来れば確実に死亡するというところまで追いつめられていた。
「エロール様、早く、どうか、後生っすから、お願いしますっ!!!」再び炎の盾を張りながら、変幻自在の体勢に入るエルマン。その後ろでは、ジャミルがもう立っているのもやっとという状況で炎のロッドを構えている。蘇生術の使いすぎで、ロッドは血みどろになって異様に紅く輝いていた──
──悪いな、二人とも。神様なんか、ハナから信じちゃいなかったバチが当たったのかもな。
ジャミルは赤く染まっていく視界の中、ふと天空を見上げる。待ち望んでいる光輝くエロールの姿は、全く気配もなかった。
そのかわりに飛んできたのは、邪神の拳。「兄さん、よけて下さい! 兄さぁん!!」「危ない、ジャミルー!!!」
弟分二人の絶叫も虚しく、まんまとジャミルの身体は神の握力の餌食となる。巨大な掌に粉砕され、ゴミのように放り出された、自称都会の盗賊──
起き上がる気力すら失った血塗れの彼を見て、邪神の眸が嗜虐の喜びに細められる。その拳から発されたのは、無常なる火幻術。
血に染まる空へよろよろと手を翳したジャミルの瞳に映ったものは神などではなく、全ての希望を焼き尽くさんと炎を噴き出す禍々しい魔獣の姿だった。





そして、三たび天空の神殿に転送されてきた3人。
「どーしてこーなっとるかは当然お分かりっすよね、エロール様?」「そうだよ! 酷いよぉ神様ぁあああ〜」
3人が転送された瞬間、エルマンの羅刹掌とダウドの流体拳の連携を見事に喰らった詩人は、情けなくも神殿のド真ん中でボコボコにされてぶっ倒れていた。
怒りに任せてエロールの首根っこを掴みつつ、エルマンは糸目を思い切り吊り上げて嫌味を放つ。「私らねぇ神様、貴方をボコる為に体術奥義極めたワケじゃーありやせんぜ? 次同じことが起こったらダウドさんとのダブル三龍旋行かせていただきますけどね!!」
「いや待てエルマン、その場合は俺の流体拳を間に挟んだ方がいいダメージ入るぜ」
何とか回復したジャミルも、これまでになく冷酷な眼差しでエロールを見下げていた。「理不尽すぎるって点じゃ、あんたもサルーインと変わんねーな。流石は兄弟だよ」
「まぁまぁ落ち着きなさいな3人とも」バーバラがさらに暴れ狂おうとする3人を止める。「こんな役立たずの神様をあてにするより、他に何か方法を探すのが先決じゃないかしら?」
そう言ってのける彼女の眼も、見下げ果てたとでも言いたげに冷ややかに光の神を眺めていた。「ジャミル、見てると特にあんたのリヴァイヴァでのLP消費がちょっとばかりキツイのが問題だね。あんたLPそんなにある方じゃないし、体力も低いからねぇ」
「さっすが姐さん! 具体的なアドバイス、ありがとうございますっ!」「そっか、炎のロッドの今の強度だとどーしてもリヴァイヴァでLP消費しちまうからな・・・・・・」「今からでも強度上げてくるってのは出来ないのかな?」
「よし。ちっとばかり作戦変更といくか」ジャミルはロッドを手に立ち上がると、倒れ伏したままの詩人をつま先で蹴り飛ばす。「おい、エロールさんよ。今からちょっと下に俺らを転送してくれるか」
「・・・・・・」
「俺の信心が足りねぇってのは分かってるし、あんたが俺を嫌いだってのはさっきのでじゅーぶん分かったぜ。
ただよ、仲間にまで被害を広げるのはやめてくんねぇかな」
「ジャミル、私は君たちの力を信じているだけだ。そのような否定的な感情は微塵も・・・・・・ぐふっ!?」エルマンの腹蹴りで黙りこくる詩人。何も知らない者が見ればまるっきりヤ○ザの所業であったが、ジャミルは全く悪びれもせずに続けた。
「だったら、俺らをもう一度下界に戻すぐらいは出来るだろ。さっさとしろよ、エルマンの明王九印はなかなかキツイぜ?」
(か、神様へのイジメ&脅迫&集団暴行・・・・・・そりゃ恩寵来ないわけだよみんな・・・・・・)
壁際から恐る恐る様子を見守るナタリー以外に、この場のエロールに同情する者は誰もいなかった。






クジャ男子3人ブラ珍マルディアス旅〜極悪非道エロール編もとい真サル決着編〜へ つづく。


 


 

 

 

エロールのこの悪逆非道っぷりは残念ながらまだまだ続きます。やっと詩人さんこのSSでもスポット当たるようになったと思ったらこんな展開でゴメンとは
微塵も思ってないよこのバカ野郎が!!!(泣)
ジャミルの信心が足りないのかお布施が足りないのか分かりませんが、とにかくこの3人旅サル戦ではエロ恩寵が来ない来ない。今回みたいな人数制限つき真サル戦でこそ必要だってのにマジで来やしない。やっと来たと思っても上記のようにタイミング最悪だったりするし!!
さらに言うと、これ書いてる9/21時点でこの3人旅・・・・・・
3人全員生還しての真サル撃破がまだだったりする。全部エロ神のせいだコノヤロー。
当然、ODなしでの3人真サル撃破とか夢のまた夢ですorz


※注・私は詩人さんそのものが嫌いなわけではありません。その仕事しなささっぷりが嫌いなだけで畜生めぇorz


ちなみに今回のバトル詳細についてはブログにも書きました。ステとかも結構低かった上に炎のロッド経由リヴァイヴァ消費がLP1(赤)だったもんだから、今回書いたバトルに限っては一概にエロールだけのせいともいえないのも確かなんですが(そもそもあてにする方が間違いというのが正しいか)
それでも次回以降、やっぱり擁護不能なエロールの失態は続く。


そして薬5回使用について。この仕組みは未だによく分からないです・・・・・・
ミイラの薬はOD後5回使用してもOKなのに、戦士の秘薬はダメみたいですね(ジュエビ戦でやってみて判明) 戦士の秘薬をODで全員に使えたらかなり楽になると思うのですが、その線引きはどのへんにあるんだろうか。


でも、この3人旅SSでやっとダウド&エルマンの弟分コンビ2人が書けて結構満足。
没会話集でバーバラとジャミルが二人のことを話していたのを聞いた時から、一度じっくり書いてみたかった・・・・・・(*^_^*)
全く関係はないですが、バンプの血界OPを聴きながら書いてたら、このSSと歌詞がやたら親和性があることに気づいた。
でもよくよく考えてみたら、時間ループものだとあの歌詞は結構何にでも親和性が生じてしまうことにも気づいた。血界自体はループものじゃないのに何故だ。


さらに追記。裸ソックス動画はこちら。リヴァイヴァ&当たりデータ禁止真サル挑戦動画はこちら。本気で尊敬しますこの方々・・・・・・

 

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