松野家三男が生保営業を始めました。破

 

ほぼ衝動的に書いてしまった、某業界内情暴露の体を借りたチョロ松SSです。ここからの続き。
※エロなしです。
※おそ松さん第11話までのキャライメージをもとに作成したため、それ以降のキャライメージと大きく相違していても当方一切責任は持てません。
※作中のネタは第11話までのものを大量使用しているため、TV版未見のかたは意味不明な点が多々あると思われますのでご注意ください。
※一部鬱展開、グロ表現あり。
※名無しですが女性オリキャラが登場します。
※作者当人が10年以上も前に半年ほど在籍していた某国内生保における実体験を元にしたSSとなっております。
当時から若干年数が経過しているため、現状とは相違している可能性があります。
以上を踏まえた上でお読みいただければ幸いです。

 

 

「カラ松とー」「トト子のー」
「「デリバリーコントー」」
「本当はクッソたくましい人魚姫ー」
「・・・・・・って、ねぇカラ松君? 全然観客いないんだけど? それにこの台本、タイトルだけで全然中身真っ白なんだけど?」
「フ、全て台本通りだトト子ちゃん。このデリバリーコントはここで終了となる」
「えぇえ!? トト子せっかく人魚姫のコスプレ準備したのにぃ!?」
「この意味するところは、本編を最後まで頑張って耐え抜いて読めば何となく分かるかも知れないし分からないかも知れない、そうだ」
「えぇえぇえ!? こんなの最後まで全部読まなきゃいけないのぉお!?」
「そして俺としても非常に残念なお知らせだ。
トト子ちゃん、このSSでの君の出番もこれにて終了とな・・・・・・って、ブフォアッ!?!?」
「クソグラサン外しーのクソカラコン光らせーのしながらなにふざけたことヌカしとんじゃワリャァアアアア▽×◆%&##■◎▼=>$!!!!!」





ある日、僕らはチョロ松兄さんのプレゼンに無理矢理付き合わされた。
ここ数日間、帰ってきてから夜もろくに寝ずに色々保険の難しそうな本を読みふけっていると思ったら、いきなり商品説明の練習をするとか言い出して・・・・・・僕らはみんなとっくのとうに無理やり契約させられてるのに理不尽!とは思ったけど逆らえずに、しぶしぶ付き合ってみたら。
「すっげー!! パーフェクツ♪」
思わず5人ともが一斉に拍手してしまうほど、チョロ松兄さんの商品説明は完璧だった。
「チョロ松お前! いったいいつの間にそんなに勉強してやがったんだぁ〜!!」
「フッ、さすがは俺の自慢の弟だ」
「つかその説明、何で俺らの契約の時にやってくれなかったの。今説明してくれた設計の保険の方がずっと安くて分かりやすいし」
「しょーがないよ一松兄さん。あの時はチョロ松兄さんだって、僕らと同じぐらいヴァカだったんだからねー」
袖をふりふりおどけてみせる十四松兄さんを、チョロ松兄さんは窘めた。「おい十四松、あの時だって俺は一応勉強してたんだぞ? まぁ、多少強引に入れてしまったのは認めるし反省もしてるけど」
どこから持ち出したんだか、チョロ松兄さんは伊達メガネをくいっと上げてみせる。うわ仕草から何から何までクソダサい。
・・・・・・ってそれはともかく、ちょっと気になったことがある。「ねぇチョロ松兄さん。今の説明はすごく分かりやすかったんだけど」
「何だトッティ」
「いざという時に保険金を貰うための条件が厳しいとか、この特約は主契約だけで十分カバーできるから要らないとか、そんなことまで説明していいの? それって、保険売るのに不利になるんじゃ。っていうか、売れないでしょ!? 成績上がらないよ?」
「関係ない」
「へ?」
「生命保険ってのは高い買い物なんだよ。最終的に客が支払う保険料が、マイホームや車レベルになるってくらい。保険料を払う期間も長い。だから、保険の購入を考えたいっていうお客さんには可能な限りの情報を提供する必要がある──長所も欠点もね。
自分の成績なんてこの際度外視だ。お客さんにとって有利か不利か、自分が考えるべきはそこであって
・・・・・・ってお前ら!! 何部屋の隅まで逃げ出してんだァ!!!!」
気が付くと僕らは、チョロ松兄さんから数メートルほども離れて5人でしっかり抱き合ってしまっていた。あまりの恐怖で。
「チョロ松が、チョロ松が常識人になっちまった!」「世界大戦の予感!」「果てなき絶望・・・・・・」「コワイヨー!!」「一体どうしたのぉ? 何か変なものでも食べた?!」
瞬く間にチョロ松兄さんの額にデカい青筋がいくつも浮かび上がる。
「だから最初っから言ってるだろ! 6つ子の中で常識人は俺だけだって!!」



5人仲良くチョロ松兄さんのゲンコツを喰らった後も、みんなの中ではまだ氷解していない疑問があった。一松兄さんが手を挙げる。
「ねぇ。そこまでやるくらいだったら、他の会社の保険との比較もやるべきなんじゃないの? 極端な話、他社商品の方が合ってる場合はそっちを勧めた方がいい時もあるんじゃない」
「それは考えたさ。でも、出来ないんだ」
「出来ない? どういうこと」
「他社商品との比較は、ちょっと前まで法律で禁止されていた。最近になって緩やかになったみたいだけど、相変わらず業界ではタブーってことになってる。
複数の会社の商品を取り扱う代理店や、ネットでよくある保険比較サイトなんかであれば可能なんだろうけど、俺みたいに会社に所属している営業マンじゃ難しいよ」
今更だけど、はっきり自分のこと営業マンって言ったなチョロ松兄さん。事務だって話は一体どこへ吹っ飛んだんだ。
「ふ〜ん」一松兄さんは納得したんだかしてないんだか、また猫をいじり始める。「ヘンな業界。結構問題も多そうだし・・・・・・ヤバそう」
「それは多分だいじょーぶじゃないかな!?」十四松兄さんが両の袖を振り回した。「いつかのブラック工場みたいなトコはさ、テレビでもよく取り上げられてたじゃん! 何かヘンなことがあれば、ニュースでやってるはずだよ」
「残念だけどそれはない、十四松」チョロ松兄さんは即座に否定する。
「え、なんでぇ!?」
「テレビ番組ってのはスポンサーで成り立ってる。そして大口のスポンサーは、生命保険会社が多いんだ。CMの量見ても分かるだろ?」
「そうか! もしニュースとかバラエティで生保のヤバイ所を取り上げちゃったら」
「お察しの通りだトッティ。その番組どころかその局から大口スポンサーが一気に引き上げる事態になりかねない。だからもし仮に、『おそ松さん』で生保のブラックぶりを取り上げるような話が一つでもあれば、多分お蔵入りどころの話じゃすまない。無期限放送中止、もしくはスタッフ全員テレビ局永久出禁ぐらいのレベルを覚悟した方がいいかも知れない」
「そ、そこまでぇ!?」
「というわけだからさ・・・・・・倒産とか、大量の保険金不払発覚とかいうよほどの大事件でもない限り、生保関連がニュースになることはない。なったとしても、民放じゃ後半のスポットニュースコーナーかなんかで少し触れるだけって程度が関の山だろうな」
「ヤ○ザじゃねぇか」一松兄さんが吐き捨てる。
だったら、事務って話だったのに明らかに営業をやらされている今の事態も、マスコミで公にされることは期待できないってことか。だからチョロ松兄さんはまんまとチョロく引っかかったわけか・・・・・・
「じゃあ、僕らは何をもとに正しい情報を入手すればいいワケ?」
「だから俺は今みたいに、お客さんには洗いざらい伝えようと思ってる。それが俺に出来る精一杯だからね」
「でも、そんなことしてる営業マンなんて他にいる?」 
「知ってる限りじゃ、いない。そしておかげさまで俺はお前ら以外に1件も契約を取れてない」
涼しい顔で言ってのけるチョロ松兄さん。それって、よく分からないけどかなりヤバイんじゃ? と思ってたら、カラ松兄さんが突然感極まりだした。
「イイぞ・・・・・・孤立無援四面楚歌、自らの危険もかえりみず、悪魔の業火!地獄の荒波!銃弾の嵐!その中へ一人勇猛果敢に突撃する! これこそノブレスオブリージュ、たった独りのレボリューション・ウォーというヤツか」
「いやカラ松それどんな戦場よ? そこまで大げさなもんじゃないからね」
そう言いながらもチョロ松兄さんの頬がちょっと赤くなる。にも関わらずカラ松兄さんはしょーこりもなく続けた。「それは叶わぬ恋のため、去りゆく一人の女のため! それでも彼女の幸せを願い、男は戦い続ける。何というロマン!!」
「ってカラ松ぅ!? おおおお前何でそれをおぉ!?」「へっ? な、なに?」
ぽかんとするカラ松兄さんの前で、チョロ松兄さんの顔が一気にゆでダコみたいに耳まで真っ赤になった。明らかにカラ松兄さんは適当にボケただけなのに、やたらチョロ松兄さんはイイ反応・・・・・・これは!?
「えー、ナニナニナニー!?」十四松兄さんが何かを察してドタドタ騒ぎだした上に、それまでじっと沈黙を守っていたおそ松兄さんが膝を叩き、遂に動いた。
「そうか、そーいうことかクール童貞。
全ての疑問が今解けた!! 行くぞトッティ!」
そうか。僕にも分かったぞ、間違いない。「おうよ! さぁチェリー松兄さん、年貢の納め時だよぉ」
「へ? え? ちょ、お前ら、え?」
目をぱちくりさせるクソ童貞を前に、全員が戦闘態勢に突入する。
「よしみんな行くぞ!
カラ松は右腕、一松は左腕! 十四松は左足、トッティは右足だ! 一斉に押さえて何が何でも吐かせろぉお!!!!」
「フン、了解だ」「ニャー!!」「来いコノヤロー!!」「へへ、しょーがないね!!」
「はぁ?! ちょっと待てってお前ら、待っ・・・・・・や、やめてぇえー!!!!!」



******



「えへへ・・・・・・あの、もし家族が増えたらどういう保険がいいのか、アドバイスももらえたら嬉しいかな、なーんて」
めでたく保険証券のコピーをにゃーちゃん似の彼女からゲットすることに成功した僕だが、彼女の幸せそうな言葉は相変わらず心臓を抉ってくる。家族が増えたらって、そうかそうかそーいうことだよなぁ!! 僕と大してトシも違わないのに、畜生。
こんな、完全に試合終了どころか球場の照明が全部落ちてる状態だってのに洗いざらい吐かせやがって、あのクソ兄弟が!!
「あの、どうしました? セクロスさん」
僕は未だに松野さんと呼ばれることなく、会社名でこんな具合に彼女に呼ばれている。会社の代表として会ってるんだから当然だけど、なんか腹立つ。
「い、いえ何でもありませんよ!! それも踏まえたプランも作ってみますね!」
心の中で血涙を流しながら僕はそれでも笑う。
その時、同行してきた上司が名刺を差し出しながら僕のフォローを始めてくれた。新人には大抵こういう具合で、契約直前から成立まで上司が同行してくれる。「この度はありがとうございます、松野の上司でございます。早速ですがこの保険の詳細をご説明させていただきたく・・・・・・」





「松野君、ちょっと話があるの」その日の夕方、営業所で僕は上司に呼び止められた。
思えば、僕が家族以外から契約を全然取れないダメ男と判明してからというもの、この女上司の態度はすっかり冷たくなった。おっぱいとおみ足の露出は変わらないが、明らかに僕を見下げる視線がゴミを見る目だ。
「とりあえず、契約にやっとこぎつけたのはおめでとう。でも、最近の貴方の様子、ちょっと気になってね」
「何がです?」
「貴方一体、お客様にどういう説明をしているの? 支払条件の説明までしろだなんて、研修で習わなかったでしょう?」
「僕の判断です」遂に来たか。
男の悲しいサガか、ほぼ自動的に視線が大きく開いた胸元、つまりおっぱいに向く──が、僕はもう惑わなかった。
にゃーちゃん似のあの子と比べると全然だ、垂れてるし張りがなくなってる。一生懸命持ち上げてはいるけど形も崩れかかってる。よくよく見たら化粧だって濃いし香水臭い。悲しいかなほうれい線はくっきりしちゃってるけどね。これで化粧剥がしたらきっと、ケツ毛燃える級のBBAかも。
あぁ、でもおっぱいは垂れていても魅力的・・・・・・ってしっかりしろ俺!! 目の前のおっぱいをにゃーちゃん(仮)のおっぱいで上書きするんだ!
「貴方が最近提案している保険だってどうなっているの? 特約が全然つけられていないし、保障だって最低限まできりつめたものばかりじゃない!」
「支払条件の厳しさを考えれば、あっても意味がない特約ばかりですから。それに死亡保障だって本当はもっともっと下げたいんです、会社のシステムだとそれが出来ないだけで」
「松野君! そんな保険を売っていたら会社は成り立たないの、会社の利益になる保険を売らなければお客様に保険金を支払うことも出来ない、その基本は習ったはずでしょう?」
「・・・・・・!」
畜生、お客様という言葉を出されると駄目だ。
保険会社というものは顧客から集めた保険料で成立しているものであり、ある程度会社に利益が出なければ会社の運営も保険金の支払いも出来ない。最悪の場合ぶっ潰れて、それこそ顧客が恐ろしい被害をこうむることになる。だから会社はどうしても、顧客でなく会社の利益になる保険を売る必要がある。
この理論に太刀打ちできる術を・・・・・・僕は持ち合わせていない。
「まぁいいわ、その話はまた後で。
貴方のあのお客様の件だけどね、私色々話を聞いてみたの」
「え? 彼女がどうかしたんですか」
「彼女ね、肺にちょっとした持病があるんですって。ごく軽めのものだけど」
「えぇっ!?」そういえば、よく咳をしていたのはそのせいか。
「保険に入るためには、自分の職業や健康状態に関する告知が必要なのは知ってるわよね。
この病気を正直に告知してしまえば、彼女は恐らく査定には簡単に通らない。良くて条件付か、最悪の場合契約は成立しないわ」
「え・・・・・・」地面が割れるほどの衝撃が僕を襲う。
そんな。そんな、ここまで来たのに!?
「だから、こうしましょう。
彼女にはそのことを告知させないようにすればいい。その病気のことを言うのは控えてください、そう言えばいいのよ」
「ちょっと待てぇえぇ!!!」
あまりのことに、一瞬何を言われたのか分からなかった。
思わず僕はいつもの調子で叫んでしまったが、慌てて言い直す。「あ、いやいや、その、えっと、待ってくださいよ!
それって、告知義務違反ですよね? 不告知教唆って言うんじゃないんですか、それは!?」
保険をかけられる者、つまり被保険者には契約の際、自分の健康状態を正確に保険会社に告知する義務がある。その健康状態に問題があると会社の査定部門が判断すれば、契約に一定の条件がついたり、悪くすると契約不可となることもありうる。病気があると分かっている者に無条件に保険をかければ、会社は一方的に保険金を払い続けるハメになりかねないからだ。
というわけなので、正しい告知をしなかった者は顧客といえど罰せられる。具体的には、万一の時に保険金が支払われないのは勿論、酷いと契約解除。最悪の場合ブラックリスト入りもありうる。
それが告知義務違反であり、顧客にそうするように仕向けるのが不告知教唆だ。
僕らはいつも朝礼で保険業法第300条を読まされる。それによると──
保険契約者などに対し、重要な事項について保険会社に虚偽を告げるように勧めること。保険契約者などに対し、重要な事項について保険会社に対して告げることを妨げ、または告げないことを勧めること──これらは全て、募集人つまり僕らに禁止されている行為のはずだ。毎朝毎朝あれだけしつこく唱和させといて、今更そいつを破れってのか!?
怒りで頭が割れそうになる。自分が嘘をつくぐらいならまだいい。自分の手が汚れるだけならまだいい。
だけど、彼女に嘘をつくように強要しろってのか!? 最悪、彼女に被害が及ぶ可能性があると分かっていて!? 何も知らない彼女に嘘をついてくれなんて頼めるか!
「松野君、しっかりしなさい!」上司は僕の両腕を思い切り掴む。その言葉は最早遠慮も何もない。眼前で思い切りおっぱいが揺れたが、それを眺める余裕すら僕にはもうなかった。「そうしなければ、保険に入れないお客様がたくさん出てくるのもまた現実なのよ。
完全に健康体なんて人はそうはいない。正直に全てを告知していたら、誰も生命保険になんか入れなくなってしまう!」
「そんなの・・・・・・」嘘だ。詭弁だ。そう叫びたかったけど、それを嘘だと言えるほどの知識も経験も、僕には何もなかった。
「それに、ウチの保険にどうにか契約してもらわないと、彼女は無保険状態になる」
「え? そ、そんなはずないですよ! 彼女には既に昔入ってる保険があって」
上司は深々とため息をつく。そしてその唇から飛び出したのは、にわかには信じられない事実だった。
「貴方、随分と彼女に信頼されていたのね。
彼女、あの保険解約したそうよ。私にはセクロスさんの保険があるからもう大丈夫だって」
え・・・・・・え・・・・・・えぇええええええええええ!!!???
「これは完全に貴方のミス。契約が確実に成立するまで前の保険は絶対に解約させないことと、教えたはずよ」
つまり今の時点でもう、彼女は──無保険状態。
彼女に何かあった時に、彼女と彼女の家族を経済的に助けられるものは何もない。
完全に浮かれていた。中途半端に勉強して得意になったあまり、新しい保険契約が成立するまで前の保険を解約しちゃいけないと彼女に伝えるのをすっかり忘れていた。彼女はそんな僕を信用しきって──あろうことか、今までの保険を解約してしまった。
僕のせいだ。僕のせいで、彼女を守っていた保険は消滅してしまったんだ!!
確率的に言えば非常に可能性は低いけど、もし、今この時、彼女に何かあったら──!!
「もし彼女が正直に告知したとして、それが契約不可になったらその情報は自動的に他社にも流れる。他社での契約も出来るかどうか分からなくなり、最悪の場合彼女の無保険状態はずっと続くことになるわ」
「でも・・・・・・でも、もし告知義務違反がバレたら、それこそ彼女はどことも契約出来なくなるんじゃないですか?」
顔色が完全に変わってしまった僕を見下げながら、上司はさらに言う。
「もう一つ。この契約の成立がなければ、貴方の今月の成績はゼロ。
お給料は当然、大幅に減額になる。そうね、3分の2以上カットというところかしら」
「え・・・・・・ちょっと! そんな説明、入社時には何も」
「残念ながら、この給与規定に明記してるわ。ここを見てちょうだい」上司は血のように真っ赤な給与規定を取り出し、とあるページを僕の鼻先につきつけた。ゼロの者は地域別加算不支給とか、そんなワケの分からないワードを駆使して分かりづらく書いてあるが、どうやら上司の言葉は本当らしい。
えぇい構うものか、こんな事態は想定内だ! その覚悟ぐらいなくてどうする俺!
「それだけじゃないわ。貴方の社会保険は勿論そのままだから、給料からさらに社会保険料が引かれる。最悪、マイナスってこともありうるわね」
「えぇえ!!? マイナスって、まさか」
「給料がゼロになるだけじゃなく、会社に逆にお金を払う必要があるということよ。
さらに言うと、来月も同じ状態が続けば貴方は会社にいられなくなる。仕事をしていないのだから、当たり前よね」
「・・・・・・そんな」身体から一気に力が抜けていく。マイナスの給料? 聞いたことない!!
朝礼の成績発表で毎朝全員に冷たい目で見られて、一日10時間以上、雨の日も風の日も研修して設計書50枚以上も打ち出してチラシとノベルティを準備して、歩き回って走り回って、飛び込みまくっていたらうっかりヤ○ザのトコまで飛び込んで逃げ帰ってきて、また研修して設計書うって夕方営業へ歩き回って走り回って・・・・・・の結果が、コレなのか。
「いい、松野君。貴方に必要なのは、立場をわきまえること。
業界のことも仕事のやり方も何も分かっていないのに、誰かから聞きかじったような中途半端な知識で人を惑わさないで。それは結局、お客様にとっての迷惑になる」
何も言えない。
何も言い返せない。
ウチでは散々ツッコミ役だったはずのこの僕が・・・・・・畜生!!
「あ、ついでにもう一つだけ。
あのお客様、面接士との面談は来週だったわね。貴方は同行しなくていいから」
「えぇ? だって、面接士さんとは僕が一緒に行かないと彼女、どうしていいか分からないんじゃ」
「面接士の予約してる時に気づかなかったの? 来週のこの日は社長ご出席の総決起集会があるでしょう。営業職員は全員、この日は参加必須よ。
それに面接士と被保険者との面談に、募集人の同席は禁じられている。貴方が行く必要はないわ」





そして僕は──
笑顔を無理矢理貼りつけながら、彼女に頼んだ。上司に言われるままに。
「保険に入れなくなっちゃう可能性ありますんで、この病気のことは一応伏せておいてくださいね♪」と。





最低だ。
最低だ。
最悪だ。
クズだ。
夕陽の射しこむ松野家2階で、僕はずっと寝ころんだまま動けなかった。
周りには空になった酒瓶が何本も転がっている。昨日まで熱心に読んでいたはずの保険の本は全部破ってところ構わず投げ捨てていた。人事不省になるまで呑まなければ、もう自分に耐えられない。
自分を罵る言葉を延々と吐きながら、ただ時間だけが過ぎていく。
「最低だ」得意げになってみんなに保険の説明をかましていた自分が。
「アホだ」まんまと上司の口車に乗っかり、何も出来ないまま法令違反をした自分が。
「最悪だ」浮かれるあまり、彼女を守れなかった自分が。
「クズだ」どれだけ頑張ろうが空回りするだけで、稼ぐどころか逆にマイナスになった自分が。
「畜生だ」<世間に出たところで、役に立つどころか人様に迷惑しかかけられない自分が>
「こんなことなら」<ずっとニートのままでいればよかった>
「そうだよな」<こんなクズに成り下がるくらいなら、ニートの方が全然マシだぁ!>
・・・・・・ん?
さっきから何だ? 何かが僕の心を代弁してる?
酔いの覚めない頭をゆっくりと回す。明らかに僕と違う声なのに僕の心を語る声。振り向いてみると──
「う、うわああぁああああああっ!? お前、いつの間に!?」
<お前、いつの間に!?>
そこにいたのは、青の眼鏡をかけたドブサイクな猫。だけど見た目はただの猫だが、こいつはいつだったか、一松の心を・・・・・・
「そ、エスパーニャンコだよチョロ松兄さん」
猫の後ろから十四松が、さらにその背後から一松がのそりと入ってくる。「一松兄さんと一緒にデカパン博士にお願いして、心を読む力を復活させてもらったんだ!」
「って、えぇえ!? お前ら、なんでそんなこと!!」
思わず僕が怒鳴ると、十四松は申し訳なさげにパーカーの両袖をつんつんとくっつける。「チョロ松兄さん、すっげー暴れ方だったから。
・・・・・・あの、まずかった、かな?」
「まずかったかなぁ?じゃねーよ! どっから聞いてやがった!!」
「えっとねぇ」のほほんと顎に指を当てて考え込む十四松。いつもはスルーするこいつの馬鹿さだが、今は苛立ちしか生まない。「おい十四松!」
当たり散らす僕から十四松を庇うように、一松がぬっと進み出た。「ほぼ全部。だいたいの事情は分かった程度に」
「何だって?」じゃあ・・・・・・
全部、バレたのか。僕が何をしたのか、僕がどれだけ情けないか、僕がどれだけ酷いことをしたか!!
「手を汚したって? ずっと自分でぼやいてたけど」
「一松、それは・・・・・・」何を考えているか読めない核爆弾を前に、僕は見事に言葉が出てこない。だが一松の口から出てきたのは思わぬ台詞だった。
「別にいいんじゃない」
「え?」
「散々今まで好き勝手にみんなで暴れまくってたくせに、今更何を言っているのか理解できない。世間様に出りゃこの程度のこと当たり前なんじゃないの」
「そうじゃないんだ一松。違うんだよ」
「何が」
「俺だけが誰かを傷つけたり騙したり卑怯なことやったり、それだけなら今までいくらでもやってきたしこれからもやるだろうさ。でも今度のは違う!」
「好きな人にまで、手を汚させることが?」
「・・・・・・そうだよ。何で彼女に嘘をつかせなきゃいけない!?」
一松はそこで少し考え込んだ後、ゆっくり口を開いた。「俺が言うのもなんだけどさ。
確かに法律違反は良くないよ。だけどそうしなきゃ、彼女が保険に入れないのも事実なんじゃないの」
何だって・・・・・・こいつ、あの上司と同じようなことを!
「その上司、そこまで間違ったこと言ってるかな。
ある程度自分たちの手を汚さないと、会社だってやっていけないのも事実。
会社なんてだいたいそんなもんだろ。クソ安い中●産の食べ物売って客の身体ぶっ壊すのと何が違うの」
「違う・・・・・・一松、その例えは違うよ!」
「何が違う」常に半開きの一松の眼がややつり上がり、その顔がずいと僕に迫る。ジャージのポケットには両手を突っ込んだまま、その眼が僕を下から睨みつけた。夕陽のせいか、その白目の毛細血管までがはっきり見える。
「安い食べ物しか手に入れられない貧乏人は、中●産を買うしかない。それがなくなったら、貧乏人は死ぬしかない。
それだけじゃない。少ない資金しかない食品会社は中●産を使うしかない。中●産がなくなったら、その会社もつぶれるよ?」
「だから、違うんだって! 俺は・・・・・・」
「何が違うんだ。言ってみろぉおおぉおお!!!」
突然のドスの効いた大音声に、僕のみならず十四松もニャンコも飛び上がった。ニャンコは慌てて僕から離れ、十四松の後ろに隠れる。
「結局、手を汚したくない。
それだけだろ、てめぇの行動原理は──自称常識人さんよ」
もう一松の顔をまともに見ていられず、僕はがくがく震えながら思わず扉の方向に視線をやる。そこには──騒ぎをききつけたのか、おそ松兄さんにカラ松、トッティまでが遠巻きにしてじっとこちらを眺めていた。クソ、なんちゅー恥ずい状況だよ!
それに気づいているのかいないのか、一松はさらに僕に詰め寄る。「ずっとおかしいと思ってた。常識人の皮かぶっただけの、俺たちと変わらないクズが本当の常識人になんかなれるはずないって」
言いながら一松は僕の胸倉を掴んだ。「でも、種を明かせば簡単。
会社で酷い目に遭うこんな自分が可哀想だ。
そんなクソ会社に反逆してみる自分はなんかカッコイイ。
ボロボロでも、孤立無援でも、正義感をもって戦っちゃってる自分ってスゲェ。
ついでに、可愛い女の子とも出会えて結構ラッキー」
「やめろ・・・・・・」耳を塞ぎたいがそれすら一松は許さない。
「もうニートのクズなんかじゃない。俺様は女の子を守って孤独に戦うヒーローだ。
そんなトコだろ。てめぇの本心」
「黙れ!」
「てめぇは見下してただろ。俺たちのことは勿論、上司も、同僚も、会社も。
ついでに言うなら、その子のこともな! だから重大なミスをして、彼女にまで被害が行った。自業自得だろ」
「やめろって!!」
「その上司がはっきり言わないようなら俺が言ってやる。
ウザいよ、お前。
本気でその仕事してる奴にとって大迷惑なんだよ、そーいうの!!」
「やめてくれぇええええええ!!」
耐えきれなくなった僕は思わず一松を払いのける。いつの間にか僕の左手には、空のビール瓶が握りしめられていた。
「お前に何が分かる!? 働いてもいないお前に!!」
「その反撃テンプレすぎ。それしか言えないの?」
冷静さを一つも崩さない一松の言葉に、思わずカッとなって僕はビール瓶を思い切り振り上げる。その時──
「やめるんだ、マイブラザーズ!!」
僕と一松の間に飛び込んだ青パーカー&ラメパンの男。僕と同じ顔のそいつは敢然と両腕を広げて一松を庇いつつ、グラサンごしに真っ直ぐ僕を見据えていた。
全く予想もしていなかった事態。僕はそいつを──久々に、こう呼んでしまっていた。
「な・・・・・・
何してんだよ、カラ松兄さん!!」



******



松野家2階、血のような夕陽が差し込む部屋で。
僕とおそ松兄さんが固唾を飲んで見守る中、対峙するチョロ松兄さんと一松兄さんの間に飛び込んでいったカラ松兄さんは、いつも通りのイッタイ台詞を吐いていた。
「俺には聞こえるぞ! お前の心は悲鳴を上げている、弟よ!!」
手負いの獣と化したチョロ松兄さんに向かってくるりと羽生君の如く回転し、広げた右手を突き出してスタッと止まってみせる。どうやら静止を指示しているつもりらしい。
って、何なのこの人ー!!!??? どーいうシリアスブレイカー!?
「どけ、クソ松」「一応警告するよ。どいてくれ、カラ松兄さん」
あ、今回はちゃんと警告するんだ。なんか優しいな。
って、事態はそれどこじゃないけど! つかもう、この時点で数秒後の展開が目に見えるんですけど! しかもカラ松兄さん声震えてない? 足震えてない?! 冷や汗バンバン出てない!!??
「そーいうのがウゼぇって言ってんだろ、このナルシストが!」一松兄さんもこの状況は意外だったのか、多少焦って毒を吐く。それでもカラ松兄さんは動かなかった。
「フン。ナルシストの・・・・・・何が悪いっ!?」いつもの如くグラサンを外してキメてみせるカラ松兄さん。健気というかバカというか痛いというか・・・・・・でも。
今、一番痛々しいのは間違いなくチョロ松兄さんだ。
ゾンビみたいにフラフラと帰ってきたと思ったらいきなり2階で手を付けられないほど暴れ出し、家中の酒という酒を全部飲み干して閉じこもった。ようやく静かになったと思ったらこの始末。
ったく、何で一松兄さんはこんな、羊の皮被った狼に精神攻撃なんかかけた!? 十四松兄さんなんかあまりの恐怖に、ニャンコを抱えたまま部屋の隅でがたがた震えている。
ビール瓶を構えたままのチョロ松兄さんに向かい、それでもカラ松兄さんは続けた。
「俺には分かる、お前の心は既に血まみれだ。これ以上誰かを傷つければ、お前の精神は虚無と終焉を迎える。ハートブレイク、メンタルデストロイ、ワールドエンドだ!!」
「・・・・・・」チョロ松兄さんと一松兄さんの眼が一斉にギロリと光る。よくよく聞くと超絶まともな説得をしているような気もするけど、でも、アーメンサヨナラカラ松兄さん。貴方のことは忘れない。多分3日ぐらいは。
「チョロ松! その痛み、全て俺が受け止めてやる! さぁ、俺の胸に飛び込んで・・・・・・ぐぼはぁっ!!!???」
次の瞬間、チョロ松兄さんのアッパーを顎に、一松兄さんの蹴りを尻に同時に喰らったカラ松兄さんは、天井を突き破って屋根までぶっ飛ばされていた。
「見てらんないよ。僕も!」思わず身を乗り出しかけたその時、横でじっと状況を見守っていたおそ松兄さんが僕を片手で止めた。
「ちょっと兄さん!? これ以上はマジ笑えないでしょぉ!」それでも兄さんは無言でチョロ松兄さんを見据えたまま動かない。その奇妙な気迫に、僕はそれ以上動けなかった。
「末っ子にまで大怪我させるわけにいかないからね。トド松」
「って、ちょっと!」久々に名前で呼ばれ、頬が思わず熱くなる。何考えてるんだよ、この長男は!
その間にも、チョロ松兄さんはさらに猛っていた。「一松お前・・・・・・
働こうともしない奴が俺に何言ったって、説得力皆無なんだよ!
ハロワじゃみんなにくっついてきているだけ! 求人雑誌を読むどころか、一人じゃ猫以外の用で家からろくに出ようともしないクズが!」
「求人探すふりしてようが求人雑誌読むふりしてようが、結果が同じなら変わらないだろ」
「ふりって何だぁあ! 俺は真面目に求職活動して、その結果仕事を手に入れたんだよ。お前らとは違う!」
「給与がマイナスになる仕事がかよ。そもそも1件も契約取れない時点で、仕事してるなんて言えないんじゃないの?」
「少なくとも、家から出たと思ったら犯罪者一歩手前、つーか犯罪者そのものの行動しやがるお前よりはマシな仕事してるよ!!」
「チッ」一松兄さんが舌打ちする。痛いところを突かれたんだろうか。それにしてもこの状況、両者のポケットからナイフが飛び出してこないのが不思議なくらいだ。
そんな一松兄さんに、チョロ松兄さんはさらに反撃する。「俺のことをあれこれ言う前に、お前はちゃんと常識ってもんを身につけろ。身につけて外に出て、まともな行動をしろ。
俺のことをとやかく言えるのはそれからだ!」
「何その上から目線・・・・・・マジムカつくんだけど!?
世間は厳しいとか何とか言って、自分の手が汚れるとなると泣いて嫌がるクソ潔癖症が!!」
「だからそーいうことは、自分で手を汚してから言えよこのサイコパスが!!」
「嫌だよ」あまりにもきっぱりと、一松兄さんは言ってのけた。「だから俺は働かない。働きたくない。ゴミだし。
ゴミがさらにゴミになると分かってる場所に、わざわざ行く理由なんかないでしょ」
「!!」
この一言で──遂に、チョロ松兄さんが完全にキレた。
既に正気を失った血走った眼で、左手のビール瓶を大きく振りかぶる。素早く危険を察知した一松兄さんが一旦身を低くして、猫のように後方へ飛びずさりかかったその時──
「ノーノー!! ドント・たっち・あーっぷ!!!」
奇声と共に何やら黄色いものがチョロ松兄さんと一松兄さんの間にぶっ飛んでくる。それが何かを確認した瞬間、それまでずっと状況を見据えていたおそ松兄さんが立ち上がった。
「おい! やめるんだチェリー松!!!」
20ウン年一緒にいるのに聞いたことのない、凄まじい低音のおそ松兄さんの大音声。あまりにドスの効いたその一喝に、振り上げられたチョロ松兄さんの腕の角度が少しだけ変わった、気がした。
だけど、恐ろしく怒りと狂気のこもった一撃の勢いを、もう止めることはできなくて──





チョロ松兄さんが叩きつけたビール瓶はあろうことか、
十四松兄さんの頭を直撃し、四散した。





一松兄さんに覆いかぶさったまま、十四松兄さんはぴくりとも動かなかった。
誰も、言葉を発さなかった。発することが出来なかった。
腰を抜かしたまんまの一松兄さんも、茫然と立ち尽くしたまんまのチョロ松兄さんも、僕の前に立ちはだかったまんまのおそ松兄さんも、何も出来ないまんまの僕も、ついでに言うと屋根に突き刺さったまんまのカラ松兄さんも。
やがてエスパーニャンコが十四松兄さんの頭のあたりに近づく。流れ出す言葉。
<やめて。やめて。こわいよ。ふたりともやめてよ。
やめて。仲良くしようよ。
なかよく すりー あう と ちぇん>
ニャンコの声は、そこで止まった。
恐ろしい沈黙が降りてくる。口を開いたまま、ニャンコはそのまま何も喋らない。
何秒か、何分か、何時間経ったか分からなくなるほどに長い沈黙の後──
一松兄さんが十四松兄さんを抱きかかえながら、声を限りにその名を叫んだ。








次回、〜松野家三男が生保営業を始めました。Q〜へ つづく


 


 

 

 

「ねぇチョロ松」
「・・・・・・」
「ごめんね」
「・・・・・・・・・・・・」
「自爆営業だのリボン特攻作戦だの、クッソひでぇネタならまだまだあるんだけど、話の都合でこのぐらいしか入れられなかったって、作者が」
「!?」
「気持ち分かるよ。本当はもっともっと色々ネタやりたかっただろうに、申し訳ない。ごめん」

もはやツッコむ気力すら完全に失せた涙目チョロ松と、相変わらず飄々としたおそ松兄さんのこんな↑会話妄想が捗ってしょうがないこの結末。そしてキレッキレな一松VSマジギレ手負いチョロ松が書けて目茶目茶幸せだ。
それにしても、小説でおそ松さん書くとなるとカラ松と十四松ほど扱いにくいキャラはいませんね・・・・・・どっちも好きなんだけどな。
彼らの動作の面白さはアニメでこそ映えるもんなんだなと実感する。脳内イメージで、あそこでカラ松はこういう動きして十四松はこんなクモだかムカデみたいな動きで・・・・・・っていうイメージはあるんですが、その詳細を文字ベースで書いても話のテンポが止まるだけで本当に面白くないorz いやうまい人ならうまく描写出来ると思うんですが。
だからこのSSに関しては、種やミンサガSSと違って動きの描写は必要最低限にしてます。こんなセリフだったらこういう動きをしているだろう、という読者様の妄想にお任せしてます。アニメ本編のイメージに頼りっきりです。だからアニメ未見の方には壮絶にワケわからんことになってると思います。
ついでに未だに僕なのか俺なのか安定しないチョロ松の一人称。心理描写の時は「僕」で兄弟との会話では「俺」かな?と認識してるんですが合ってるのかどうか。


今回はノンフィクション度は相当薄め。次回でほぼ消失します。
今回のチョロ松レベルまで追い込まれたことはさすがにない・・・・・・ありえない話ではないところが怖いけど。
給与規定が真っ赤だったのは本当。ゼロ積で給与マイナス月があったのも本当。でもこんだけの苦難がいっぺんに来るのはさすがチョロ松さんというべきかw


最後に、今回の話の補足。

Q.チョロ松が凄く衝撃受けてたけど、無保険状態ってそんなに危険?
A.実際には医療保障は健康保険でまかなえる説もあったり。ないと不安になるのは確かですが、一概にそうそう大変とは言い切れない。気になる方は「生命保険不要論」で検索してみると良いかも。
ただこの彼女の場合、二度と保険に入れない可能性があるのでその意味では、やはり今までの保険を解約してしまうのはまずかったという結論になります・・・

Q.告知義務違反ってこんなに横行しているものなの? 病気あるけど保険加入時は黙ってた方がいいの?
A.詳細を書くのは色々と問題も多いので敢えて多くは書きませんが・・・・・・
告知は可能な限り正確に行なってほしいということ。不正確な告知は法律違反になること。
そして、告知義務違反に関する女上司の台詞は殆ど全て、実際に営業所長やトレーナーからあった発言をそのまま引用していることを明記しておきます。


このようなケースで最も正解に近い解決方法を挙げるとするならば、客の側から営業員にしつこく聞いてみることでしょうか・・・・・・
自分の今の状態で保険に入れるのかどうか、営業員と話し合ってみると良いと思います。
まっとうな営業であれば、査定部門に問い合わせてある程度正確な答えを返してくれるはず。その結果によって判断してみるのも良いのでは。また、仮査定といって、名前を伏せて事前に健康状態の査定をしてもらうという方法もあります。
ついでに言うと、このSSのメインがチョロ松ではなくおそ松やトッティであれば、そういった観点からこの問題の突破口を見出した可能性は高い気がします。その意味でもやっぱりチョロ松メインでこの話は正解だった(鬼)  




 

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